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【タイ】【知らないと損するタイ進出情報】タイ民政復帰の展望

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プミポン前国王の葬儀を終え、新たな一年を迎えたタイの政治。
暫定軍事政権では民政復帰に向けた工程表を提示して、年内の総選挙実施を〝公約〟とする。
ところが、政界はもとより選挙実務をつかさどる選挙管理委員会の中からでさえも日程どおりに進むかどうか疑問視する声が後を絶たない。
それだけではない。
仮に総選挙が実施されたとしても、軍の影響力は色濃く残り、各種行政機関や経済界が軍政の意向を忖度し続け、過度な規制や自粛を続ける可能性さえある。

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2014年5月の軍事クーデター以降、タイの政治を担っているのが、軍関係者らで作る「国家平和秩序維持評議会(NCPO)」だ。
議長にはプラユット暫定首相が就き、新しい憲法下にあっても三権を凌駕する絶対的な権力を持つ。
その軍政下で進められている「民政復帰」作業。
新憲法や関連法を制定し、総選挙を実施。
〝民意〟を受けた新しい内閣が発足することで、軍政から民政へ政権が移行するというのが当初描かれたシナリオだ。

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国際社会とりわけ欧米各国は、この民政の復活に非常にシビアだ。
なぜなら、21世紀にもなってシビリアンコントロールが効かないことなど言語道断という思想が底辺にあるため、こうした国々の政府高官らはことある度に辛辣な批判を口にして早期の民政復帰を求めてきた。
そのために、共同軍事演習の実施を拒んだほどだ。
一方、西側ビジネス界は安定した取引を求めて、総選挙の実施を心待ちとしていた。

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ところがである。
タイの政治は現在、そのような国際社会の期待や価値観とは裏腹に、反タクシンを第一義に軍の影響力を最大限に残そうという方向にベクトルが設定されている。
その最たるものが、昨年4月までに成立・施行された新憲法だ。

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総選挙から5年間を「経過期間」として軍が事実上監視するほか、前憲法まで採り入れられていた「首相は下院議員から選出する」という規定を外した。
憲法裁判所の権限も強化され、選挙制度そのものを大政党に不利な仕組みとした。
タクシン派の復権を念頭に、軍の関与を継続する内容となっている。

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また、憲法関連法の整備や手続きも大幅に遅れている。
当初、総選挙に向けた政党の設立手続きを昨年10月から180日以内としていたのにも関わらず、突如今年4月からの実施とされた。
工程表にはないスケジュールのため、NCPO議長としての強権を発動して処理した。
これにより「11月実施」としていた総選挙の実施がずれ込む可能性が高まっている。
強権発動はもはや珍しくない。

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そもそも、暫定憲法第44条に基づくこの権限行使は極めて限定的であるところ、濫用されるものではない。
歴代憲法が定める立憲主義をないがしろにするものだ。
このため、既存政党などは強権行使が憲法に違反しているとして憲法裁判所に判断を仰ぐことにしている。

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だが、憲法裁判所などの独立機関はもとより各種行政機関は、長引く軍政に忖度の度を強め、かつてのような独立性はすっかり影を潜めてしまった。
トップ人事を軍政が掌握しているため、現場では右へ倣えの状態が続いている。

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行政窓口は硬直化し、かつてのような柔軟な対応は少なくなった。
例えば、外国人が問題だと軍政が口にすれば、一斉に取り締まりが始まり、飲酒が好ましくないとされれば、酒類販売の許可審査が厳しくなるといった具合である。
立ち入り検査も頻繁となり、その場で廃業を告げられるというケースすらある。

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こうした現状について、治安や秩序の観点から「歓迎」を示す意見もあるが、忖度で始まった行政機関の厳格化に明るい未来があるはずはない。
「歓迎」をする声はいつしか自身に降りかかった時点で、後の祭りと気づくのである。

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軍政の長期化は当初から想定されたことであった。
新憲法の施行と関連法の整備で土俵が整備されたに過ぎない。
次なるステップは、軍政継続の実働部隊となる親軍政党の出現である。
表向き政治活動は制限されているが、水面下では軍政支持の新党結成の動きが始まっている。
政党法手続きの遅れもこのための可能性が高い。

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産業が集積し、東南アジアのハブに位置するタイ。
親日の空気や友好の歴史から、ビジネスに各種活動に、この南国を選ぶ人は絶えない。
チャンスや鉱脈は無限にあるだろう。
わくわくもする。
ただ、これだけは認識したほうがいい。
軍事政権、それは20世紀の遺産だったはずなのだ。

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