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バンコクでお店を始める。従業員の雇用について

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今回は、タイ、バンコクに進出する上での従業員の雇用についてまとめます。

【1】就業規則を作成する

タイで事業を始める際、タイでは労働者の権利が強く守られているという話を聞くと思いますが、まずは、労使間のルールを定めた西暦1998年(仏暦2541年)に公布された労働保護法を理解することが大切です。
労働保護法は既にネット上にも翻訳された文書が多数掲載されていますので一通り目を通すことをおすすめしますが、会社を設立し、従業員を雇い入れる前に、労働保護法と一致するよう従業員が雇用にかかる権利と義務が理解できるよう、会社が実務面での指針となるよう就業規則を定め、常に会社の従業員が見ることの出来る場所に置いておかなければなりません。従業員が10名を超える事業所は労働局に就業規則を届け出さなくてはならないという決まりがあり、それまでは作らなくてもいいというアドバイスを受けることもあるかもしれませんが、従業員が労働局に駆け込み、賠償金を取られたという話が本当に多く聞かれます。数名の雇用からでも就業規則を作成し、経営者自身がしっかりとそれを把握することをおすすめします。就業規則は法律事務所や経営事務所で数千バーツ内で作成できます。

今回は特に実務上、重要と思われる点や日本と異なる点などについて書きます。

【労働時間】

労働保護法 第23条に「1日の労働時間は8時間を超過してはならず、1週間の合計労働時間は48時間を超えてはならない。」とあります。48時間、すなわち、週1日の休日を与えればいいという事になりますが、バンコクのオフィスワークでは既に週休2日が一般的になっており、飲食業、サービス業においても週1日休から月5日休(後述する祝祭日(国民の休日)を含めて月6日休)へとシフトしてきています。
一方で、休みが少なくてもしっかり働いて稼ぎたいという従業員のニーズもあり、柔軟な雇用形態が求められています。

【祝祭日】

労働保護法 第29条に年間でメーデーを含む13日以上の国家の祝日、仏教上の休日など慣習的な祝祭日を休日としなければならないとあります。
2016年は年間で合計18日の祝祭日がありますが、飲食業の場合、アルコール類を提供出来ない万仏祭や仏誕祭など仏教上の休日を13日の休日の一部とするケースが多く見られます。但し、仏教上の休日を除く一般的な休日は飲食店にとっても稼ぎ時となるため、その場合は、就業規則に「シフト制による勤務であること。シフト制により休日と出勤日が重なった場合は、代休日を与えること。」と明記しておかなければ、休日勤務の際に通常の日給の3倍額の支払いをしなければならないということになりかねません。

【超過勤務賃金(オーバータイム)】

労働保護法 第61条 勤務日に8時間の通常勤務時間を超えて勤務させる場合は、1時間当たり通常勤務時間の賃料の1.5倍以上を支払わなければなりません。さらにはそれが休日に超過勤務をさせる場合となると通常勤務時間の賃料の3倍以上を支払わなければならないことになってしまいます。

【休日勤務賃金】

労働保護法 第62条 週休日、祝祭日に本来休日である従業員を出勤させる場合は、通常勤務日の賃金の2倍以上を支払わなければなりません。重ねて書きますが、就業規則に「シフト制による勤務であること。シフト制により休日と出勤日が重なった場合は、代休日を与えること。」と明記しておく必要があります。

【解雇と解雇予告手当】

オープニングスタッフを雇い過ぎたなど、余剰人員の解雇や経営不振による解雇などは119日間の試用期間中であっても勤務日数に基づき給与1カ月分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。
従業員が遅刻や欠勤を繰り返したり、求めていた職能が著しく劣るなどの理由による解雇であっても、警告書(ワーニングレター)に署名してもらい、従業員が納得した上での解雇でなければ、数カ月後に元の従業員が労働局に駆け込んで偽証したことにより、辞めてから労働局に駆け込むまでの期間中の給与相当額と解雇予告手当を支払わなければならなくなったという事例もありますので、急に従業員が来なくなり、そのまま辞めてしまったとしても、警告書に署名させたり、住居へ送るなどして証拠を残しておくことが重要です。

【2】採用活動について

まずは、マネージャー候補、ホールリーダー、ヘッドシェフといった店舗の核となる人材の採用をスタートしましょう。
一番確実な方法は、アナログですが店舗に大きな求人広告や求人看板を設置すること。店舗から近くに住む人材が集まります。マネージャー候補人材やヘッドシェフなどの人材はSNS上に職探しのグループなどもありますのでそのようなグループにポストすることも効果的です。
核になる人材が決まれば、その人材に一般スタッフの募集活動を手伝ってもらいましょう。いい人材の周りにはいい人材が集まって来ます。

【3】給与相場について

バンコクでは2012年4月に最低賃金が1日300バーツに設定されました。タイでの給与計算は休みを含む日割り計算となるため1日300バーツ×30日で1カ月の最低賃金は9,000バーツということになります。
不景気が続くこの一年のバンコク中心部での給与相場は、1~2年経験のホールスタッフやキッチンスタッフで12,000バーツから、3年以上の経験者で15,000バーツからが相場となります。ヘッドシェフや日本語の出来ないマネージャークラスの人材で25,000バーツ、通訳・翻訳のしっかり出来るマネジメント人材なら50,000バーツとなります。交通費は給与に含むという考え方が一般的ですが、飲食業・サービス業の場合は、食事手当をつけるケースが多く見られます。
日本から初進出の場合、オープン前後、日本人責任者は、会社設立登記、税務登録、ワークパーミットやビザ申請、源泉徴収、社会保険の処理から領収証の書き方ひとつまで、日本と事情の異なる内容を理解しなければならず、本来の営業活動以外に多くの時間が割かれてしまいます。通訳・翻訳のしっかり出来るマネジメント人材がいればすぐに終わることが、その人材を採用しなかったために、理解するのに何日もかかり営業活動に取り組めないなどということにならないよう、特に最初の1年間は通訳・翻訳のしっかり出来る人材の給与は惜しまず採用すべきです。

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