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【カンボジア】プノンペン屈指の高級本格和食店「くずし割烹 安達」オーナーにインタビュー

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2016年にオープンした、プノンペンきっての高級本格和食店「くずし割烹 安達」。

オープン後2年以上が経過した現在、カンボジア人富裕層を中心とする方からの好評を得ており、売上も右肩上がりと非常に好調です。

常連客の受けが良いのはどのようなポイントなのでしょうか。
また、「カンボジアで本物の日本食を伝えていく」というビジョンに基づき、どのようなこだわりを持って経営されているのでしょうか。

オーナー料理長である安達映二氏(以下、安達氏)にお話を伺うことができました。

中国での経営歴13年。相性の良さが決め手となってカンボジアへ

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オーナー料理長の安達氏

17歳から飲食の道に進み、料理人一筋の安達氏。
大阪の料亭で長年キャリアを積んだ後、2003年に中国・上海にて自ら起業されました。

上海店は、2017年に近隣の再開発計画によって立ち退きを余儀なくされたものの、13年余りに渡って経営。
現在と同名・同業態の「くずし割烹 安達」という店舗であったそうです。

上海で店舗経営していた2013年頃から、チャイナ・プラス・ワンを意識し、東南アジアでの出店を企図して現地視察を進めていたという安達氏。
タイ、ベトナム、フィリピン、カンボジアなどを視察した結果、一番ピンときたのがカンボジア・プノンペンだったそう。

ピンときた理由については、

「一番は個人的な相性ですね。人との相性と言いますか。
カンボジアは親日の国なので、非常にやりやすいと感じました。」

とのこと。

富裕層の方が多く住む、プノンペンのボンケンコンエリアに運良く物件が見つかったため、出店を決定したと言います。

カンボジア人富裕層御用達の高級路線店

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目と舌でじっくりと堪能したい、彩り豊かで立体感のある盛り付け。

日本から届いた新鮮な素材を生かした割烹料理、繊細で美しい盛り付け、和を基調とした落ち着いた店内。
「くずし割烹 安達」は、隅々まで純日本式を貫く本格的な日本料理店です。

日本人のお客様が大半を占めるかと思えば、半数はカンボジア人のお客様だそう。

「現在の割合で言えば、カンボジア人:50%、日本人:20%、中国人:20%、その他(韓国人、欧米人など):10%といったところでしょうか。
カンボジアの政府関係の方などに多数ご来店頂いています。
ご家族でのお食事、接待など様々なシーンでお使い頂いていますね。

夜の単価について、中にはお一人当たり$150〜200程ご利用頂く方もいらっしゃいますが、月で平均すると、飲み物込みで$50〜60程になります。昼は$15程です。」

と安達氏。

人気のメニューについてもお伺いしました。

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「造り盛合せ」(1人前:$18、2人前:$36)

「カンボジアのお客様には、お刺身、お寿司が人気ですね。
近隣のタイ、ベトナムの方と比較すると、お刺身を一番よく食べられると思います。
その他、天ぷらやお肉などのメニューも皆さん好んで注文されますよ。

ランチタイムに関して言うと、「カンボジア人のお客様はランチメニューではなく、夜同様に「とろ造り」や「造り盛合せ」などの単品メニューを注文されるのが特徴的ですね。」

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「黒毛和牛しゃぶしゃぶ(1人前)」($58)

日本人のお客様についてはどうでしょう?

「日本人のお客様の中には、接待で利用される方も多いのですが、その場合は$48のコース利用が目立ちますね。
それから、4〜5名で来店されて単品を少しずつご注文されるといった形で、居酒屋感覚で利用される方もいらっしゃいます。

ランチタイムに関しては、日本の方は100%ランチメニューを注文されます。」

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前菜、吸物、造り、蒸物、焼物、メイン、本日の一品、ご飯、赤だし、香の物、水菓子を心ゆくまで味わえる懐石コースは「ミニ懐石コース」($48)、「料理長おまかせコース」($78)の2種類。
※焼物、本日の一品は「料理長おまかせコース」のみ
2名以上から注文可能で、前日までの予約必須です

日本人に人気の懐石コースは、「ミニ懐石コース」($48)、「料理長おまかせコース」($78)の2種類。

国籍問わず、全体の約30%の方がコースを注文されるそうです。

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日本人のお客様に好評のランチセット($9.8〜28.0)

日本産の食材と手間暇かけて取る出汁へのこだわり

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2016年に成田-プノンペン間直行便が就航したことで、週3回は日本から鮮魚が届くそう。

鮮魚はすべて日本から輸入。
肉は和牛のみを使用しており、お酒も日本酒をはじめとする日本の銘柄を多数提供しているという「くずし割烹 安達」。

純日本式であることへのこだわりは、仕入れのみではありません。

安達氏が一番大事にしていることを話してくださいました。

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油分がなく、凝縮された旨味が素材と調和する日本の出汁は、世界的に見ても稀有な存在。

「私は、日本食で一番大切なのは出汁だと思っています。
和食は無形文化遺産に登録されていて世界で注目を浴びていますが、各国の名だたる料理人達が注目しているのはお寿司でもお刺身でもなく、出汁なのです。
なぜかと言うと、油分が含まれないスープというのは日本の出汁だけなんですよ。

中華でもフレンチでもイタリアンでも、肉や肉の骨から取ったスープには油分が含まれていますよね。
それが、鰹節、昆布、干し椎茸から取った出汁には油分がない上に、旨味成分が凝縮されています。

出汁は、味を調整するものではなく、素材と調和するもの。
それが世界の有名シェフ達も注目している理由なんですね。

そのため、当店では鰹節と昆布をふんだんに使って一から出汁を取ることにこだわっています。

その他、合わせ酢やうなぎのタレなども、すべて自家製です。
業務用の濃縮出汁やタレなどを使った方がコスト的に安いと思うのですが、本物の日本食をご提供する上で、これらは絶対に外せないところですので。」

世界に誇る和食の真髄をプノンペンで味わえる場所、それが「くずし割烹 安達」なのです。

海外に出るなら困難を楽しむ位の気概を持って

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個室席

中国を経てカンボジアで店舗を立ち上げられた安達氏に、カンボジアで事業を行う上で難しいと感じる点と、進出を検討している方へのアドバイスをお話頂きました。

「私の場合、中国を経験した後にカンボジアに来たので、特に難しいと感じることはないです。むしろ、中国に比べれば非常に楽だという感覚です。

当然、海外に出れば日本の常識が通用しないことばかりですから、問題がないということはあり得ませんよ。
しかし、困難があるからこそ海外でのビジネスが面白いとも言えるわけです。
私はそのような覚悟で出てきていますから、特段苦労は感じていません。

これから進出を考えている方は、まずはどんなことでも、ご自身でやってみた方がよく分かるかと思います。やはり、日本とは常識も違いますので簡単ではありません。

一番上手くいかないのは、出資のみして現場に経営を任せることですね。
そういった形の場合、よほどしっかりした日本人の右腕でもいない限り、海外では難しいのではないかと思います。」

海外での事業にトラブルはつきもの。
それを楽しめる程の余裕を持っていたいものです。

オーナー自ら現場で従業員を指導。
成果は給与に還元

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安達氏自ら毎日現場に入り、従業員を教育されています。

従業員については、日本人スタッフはおらず、全てカンボジア人を雇用しているという安達氏。

人材がなかなか定着しないことを問題として挙げられがちなカンボジアにおいて、オープン時から継続して働き、スキルも上げ続けている従業員の方もいらっしゃるということで、人材採用・育成に関して心がけていることを伺いました。

「従業員とのコミュニケーション面で難しいと感じる点は全くありません。
カンボジア人は、本当に素晴らしい国民性を持っていると思いますよ。

採用時には、飲食経験は問わず人柄・姿勢重視で、元大工や電気工などの異業種経験者も多く採用しています。
語学力に関しては、日本語が話せる者は3名程で、他の者達はクメール語か英語メインですね。

私にとっては、他店での経験者を雇うより、未経験者を一から育てていく方がやりやすいんです。
また、海外に出て来たら、初めから出来る人材などいないと思っていた方が良いと思います。
自分で育てないとだめですね。」

長く働いてもらうための秘訣として、モチベーションの源になる給与額が重要となる場合がありますが、給与支給に関しても工夫されているのでしょうか。

「給与額は、相場より少々高めに設定しています。
幅があるので平均することはできないですが、月給で$180〜$1,000程度を支給しています。

これは中国にいた頃からのやり方ですが、年1回昇給するといった制度は定めていないんです。
カンボジアでは年6回昇給させた者もいますし、何か課題をクリアしたら$5〜10上げるというケースもあります。
長く働いている者の月給は、2年程の間でオープン当時の2倍位になっていますね。

経営者である私が一緒に仕事をし、各従業員の勤務態度や成果は常に見ていますので、きちんと評価を給与に還元してあげたいと思っています。」

本物の日本食のあり方を正しく伝えていきたい

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カウンター席

最後に今後の展望についてお伺いしました。

「まずは、今の店舗の経営と人材の育成に注力したいと思っています。
2号店出店についてもよく聞かれますが、あるとすれば人が育ってからですね。

目下の目標は、従業員個々人のレベルアップです。
接客レベルも上げていきたいですし、より一層美味しいものを提供していきたいと思っています。

根幹にある想いは、カンボジアできちんとした日本食を広めていきたいということなんです。
無形文化遺産に登録されている和食ですから、世界で間違った形で理解されてはいけないと思うのです。

「日本にはこんなに素晴らしい食材があるんですよ」「これが本当の日本食なんですよ」ということを、私達が伝えていきたい。
カンボジアで出店して「カンボジアのために何かしたい」と考える方もいらっしゃるでしょうが、私としては日本のために、日本食の誇りをかけて頑張っているのです。

あえてカンボジアのために行なっていきたいことを言うなら、従業員の雇用ですね。
ただ雇用して給料を支払うだけでなく、しっかりとした技術を伝えていきたいと思っています。」

カンボジアにおける日本食の発信地ともいえる「くずし割烹 安達」。

正真正銘の日本食のあり方が、ここからカンボジアの方にじわりじわりと浸透していくことでしょう。

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■くずし割烹 安達
【住所】No33, St.294, Phnom Penh
【電話】023 679 9997
【定休日】日曜日
【営業時間】11:30-14:30(L.O 14:00)/ 17:30-22:30(L.O 22:00)
【Facebookページ】https://www.facebook.com/Adachijprestaurant/

 

 

 

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