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【知らないと損するタイ進出情報】タイの財閥研究セントラル・グループ

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タイのデパート(百貨店)王「セントラル・グループ」にとって、2016年は20世紀末に迎えた経営危機に次ぐ試練の年だったに違いない。自らが生みの親・育ての親でありながら、1997年のバーツ危機で大半の株式の放出を余儀なくされた「ビッグCスーパーセンター」。買い戻しを行おうとした矢先、その経営権を長年のライバルである「TCCグループ」に奪われてしまったのだ。中国事業も撤退、主力の百貨店事業も後発の「ザ・モール・グループ」などに押され気味で、往時の一人勝ちの様相は最早ない。小売り回帰を鮮明とするグループの起死回生はなるのか。

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試練迎えるタイのデパート王

グループ第5代総帥のトット・ジラティワット最高経営責任者(CEO)が2014年2月に経営を引き継いで、間もなく3年を迎えようとしている。新CEOはこの間、グループを従来の5部門から8部門に再編し、タイ国内を含む東南アジア戦略を加速させていこうとしてきた。現在のグループ年間売上高は3000億バーツ(約1兆円)超と見られており、一企業群としては申し分のない規模だ。

だが、トップを行くCPグループの売上高とはなお4~5倍もの開きがあるとされており、財閥2強とは言い難い。「ビッグCスーパーセンター」を奪い取ったTCCグループも、小売り部門で今や肩を並べるまでに成長した。創業家ジラティワット家の個人資産の伸びにも鈍化が見え始めている。米経済誌フォーブスが発表した2016年版「アジア富豪一族ランキング」。タイでトップのCPグループ率いるジラワノン家にダブルスコア(277億米ドル VS 138億ドル)を許す結果となってしまっている。

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もちろん、グループも手をこまねいているだけではない。成長著しいベトナム、インドネシア、マレーシアなどで積極的な投資を行い、セントラル百貨店やロビンソン百貨店を展開する計画だ。インドシナ半島の経済回廊整備を見据えた国境周辺事業にも積極的。ウドンターニー(09年)、チェンライ(11年)、ムックダハーン(14年)などに足場を築き、チェンマイやサムイなどの観光地では高級飲食店街の建設も進めている。買収した欧州事業の底上げも図る。

中でも大きな期待が持たれているのが、すでに小売部門でタイを抜き2016年には874億米ドルの市場になるとされる(ユーロモニター調査)ベトナムだ。セントラル・グループは「ビッグCスーパーセンター」のタイ事業を手放す見返りとして、ビッグCのベトナム事業を入手。経営資源を積極的に投下していく考えだ。参加のスーパーマーケット「Tops」とベトナム現地スーパーの「Lan Chi」と資本業務提携も行った。

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一方、タイ国内市場でもてこ入れを進める。CPグループ傘下で圧倒的な地位を築くセブン・イレブンを猛追しようと、2021年までにファミリーマートを2000店まで増強していく計画だ。国内総投資額はグループ全体で700億~800億バーツの規模のになると見られており、2017年以降の復活劇に期待が持たれている。

セントラル・グループを興したのはトット氏の祖父に当たるティエン・ジラティワット氏。1925年に中国海南島からタイに移住した。海外から仕入れた高級舶来品の販売で財を築き、その時に設立した会社が「中央貿易公司」。「セントラル」の名の由来だ。56年には初めてとなるセントラル・デパート「中央洋行」を中華街にオープン。生活用品から衣類、家電まで豊富な品揃えが人気を集め、瞬く間に人気店へと登り詰めた。

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ティエン氏の長男サムリットが発案したのが、タイで初めてとなる「定価」販売だった。定価から値引くことで割安感や値頃感を出し、消費者の購買意欲を掘り起こした。海外市場を視察し、外資ブランドとライセンス契約を締結。早くからタイ国内での内製化にも取り組んだ。「良い品はセントラル」という概念が広く浸透するきっかけとなった。また、将来を見越して、まだ外資規制の緩かった商業地を先行取得。後の出店攻勢の礎を築いた。

グループ転機は82年に20億バーツを投じて建設したセントラル・プラザ1号店「ラープラオ店」だった。このころ百貨店は、まだ都心部に建てるというのが業界の〝常識〟だった。これに対し、将来の車社会を見越して、ショッピングセンターからエンタメ施設、飲食街、ホテル、国際会議場、オフィスフロアなどを兼ね備えた郊外型の施設を完成させたのがグループだった。計画は大成功を収め、以後、同グループは都心部の商業地と郊外型に住み分けを図りながら出店攻勢をかけていくことになる。

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創業者のティエン氏が68年に死去後、跡を継いだのが、26人いた子供たちのうちのサムリット氏(長兄)、ワンチャイ氏(次兄)、スティタム氏(異母弟)といった第2世代にあたる息子たちだった。現在のCEOトット氏ら現経営陣はさらにその1世代下、第3世代に位置する。トットCEOら現経営陣たちは父親たちが進めた事業を引き継ぎ・見直しながら、新たなグループの構築を進めようとしている。(写真はグループの資料から)

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