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【ベトナム】デザイン×ゲストハウス!「anettai」日本人建築デザイナーインタビュー

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ホーチミンの主要エリアで人気を集めているゲストハウス「anettai apartment」。
こちらは日本人の建築家がデザインしている物件となり、さまざまな国の方が利用されているゲストハウスです。
今回は「anettai」の建築デザインから運営までこなす、山田貴仁さんにお話を伺いました。
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記者:ベトナム進出までの簡単な経歴を教えてください。
山田氏:東京の大学で建築設計を学び、卒業後そのままベトナムの設計事務所に就職しました。
大学在学中は歴史意匠(デザイン)を専門とする研究室に所属していたのですが、そこはヨーロッパやアメリカといった海外へ調査旅行に行くのが魅力でした。
しかし、僕が調査旅行に行く年だけアジア地域となり、当時は密かに悲しかったです。
実際にアジアを巡り各国の建築を見渡すと、伝統的な工法、職人の手作業など、先端技術が深く進入していないからこその建物の魅力が見えてきました。
熱帯気候ならではの無骨で力強い造形は、日本で学んできた繊細な建築とはまったく違っていて、非常に印象的だったのを覚えています。
卒業を控え、日本で就職活動をしていたら、大学の先輩がベトナムにある設計事務所でスタッフを募集していることを教えてくれました。
すぐに、あの調査旅行で感じた東南アジアへの想いがよみがえり、思い切って応募しました。

記者:初めての就職が海外というのは、確かに思い切った決断ですね。他にも何か後押しとなることはあったのでしょうか?
山田氏:はい。応募した事務所自体が、とても魅力的だったのです。
事務所のボスはベトナムの建築業界にとって先駆者的な存在で、ベトナムの建築が海外メディアに取り上げられるようになったのは、この会社が始まりといっても過言ではないでしょう。
しかも、ボスは日本で10年間建築を学んでいたため、事務所にはものすごく優秀な日本人スタッフがそろっていました。
世界的に有名な事務所で南国の魅力的な建築デザインを勉強しながら、同時に日本的な働き方も学べると思い、ベトナムへの進出を決めました。
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記者:当初は建築設計やデザインを手掛けていたそうですが、「デザイン×ゲストハウス」という形態に行き着いたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
山田氏: 最初に思ったのは、”自分が自身のクライアントになり設計したモノを、自分たちで運用したい” ということです。
建築設計という仕事は飲食店、宿泊施設、学校施設などさまざまな職種のクライアントを相手にします。
彼らと密に交流していると、時に、建築よりも魅力的な世界が広がっていることに気が付かされます。
他分野へ参入する際の障壁が低いこの国で、もはや自分の専門を建築分野だけに絞る必要はないと感じるようになりました。

そう考えた時に、他業種で最も興味を引かれたのがホテル業です。
実は事務所を退職する1年程前からベトナムのリゾートホテルの物件を担当していたのですが、文化的・建築的に面白いリゾートを作りたいと考えるわれわれと、単なる会社の投資事業としてプロジェクトを捉えているクライアントの間では、大きな隔たりがあったのです。

このプロジェクトを1年もやっていると、「自分がクライアントだったら、もっと魅力的で人々が自然と訪れたくなるような空間を造るのになぁ」と考えることが増え、建物の運用方法やPR、どのようにしてサービスをゲストへ届けるか、ということまで徐々に興味を持ち始めていきました。
想いもどんどん変化していき、自分の好きな建築デザインの仕事を掛け合わせて、ベトナムの宿泊業をアップデートするような事業をしたいという気持ちが強くなっていったのです。

折しも街は急速な都市化に伴って、先進国を模した小奇麗なシティーホテルやアパートがそこかしこに建設されていっています。
一見、それらはクリーンで快適な環境をゲストに提供していますが、そこでの体験は無個性でベトナムらしさを感じられません。
宿や住まいを探している人たちには、もっと選択肢があっていいはずです。
アジアらしい喧騒と熱帯の木々の下でローカルライフを楽しむような、ベトナムならではの体験をもたらす施設を造ろうと決めました。
いきなりホテルに投資するようなリスクは負えないので、まずは小さく、いろいろな方法を試せそうなゲストハウスから始めることにしました。
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この記事を書いた人(著者情報)

寺内真実

1年ホーチミン、8年以上ダナン在住。
中央大学卒業後は金融系(FP2級)、医療系の会社に勤務。
「暑い国に住みたい」と勢いで渡越し、現地の日系旅行会社を経て、現在は現地サービス業とライター業をしている。
写真は生後1週間で保護した愛猫“大福”と。
著書▼
「癒しのビーチと古都散歩ダナン&ホイアンへ」イカロス出版
※電子版はこちら
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