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【知らないと損するタイ進出情報】4年目に突入したタイの軍政をどう読むか

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事業やその他の目的で外国に進出しようとするとき、無関心でいられないのがその国の治安や政治体制だ。
テレビで見るような銃撃戦が繰り広げられる地域に飛び込む人はよほどのことがない限りいないだろうし、政治の腐敗が激しい地域も敬遠されるだろう。
そうした中で、在留邦人が7万人を超え(大使館発表)、日本と最も関係の深い国の一つタイはどうか。
未だ軍政下にあることを、どれほどの人がどのように認識しているのだろうか。

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まずは、2014年5月の軍事クーデター以後続くプラユット首相率いる暫定内閣の顔ぶれを見ていただきたい。
首相のプラユット元陸軍司令官を筆頭に、軍籍(士官予科同期の国家警察も含める)を持つのは13人。
36のポストのうち軍人比率は4割に近い36.1%に達する。
2015年の内閣改造で若干比率は下がったものの、主要閣僚を中心に軍がにらみをきかせているのが実情である。

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国王及び王室を補佐する枢密院もワチラロンコン現国王の即位に合わせてメンバーの交代があったが、初めて軍出身者が過半を占めた。
議長の職にあるのは1988年から務める96歳の元陸軍司令官のプレーム元首相。
これを、次期議長就任が確実視されている元陸軍司令官で元首相のスラユット枢密顧問官らが支える構図となっている。

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プレーム議長もスラユット顧問官も、プラユット首相にとっては陸軍の元上官。
首相といえども国王に拝謁する際は、枢密院の事実上の許可を要しており、奥の院の色合いが強い。
毎年8月に開かれるプレーム議長の誕生パーティーでは、閣僚がそろって議長宅を表敬訪問する習わしとなっている。

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軍の「支配」を手続きの面から支えているのが、新憲法制定後も残る2014暫定憲法44条の規定だ。
勅令にも等しい「非常大権」は国会や司法など一切の関与を排除できると定められており、制限もない。
一つ前のクーデターの際に付与された06年暫定憲法の権限よりはるかに強権的だ。
新聞の見出しを何度も飾っている。

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今年4月に公布・施行された新しい2017年タイ王国憲法は、向こう5年間を「経過期間」として軍の関与を残している。
「不適格」と軍が判断すれば、首相の首をすげ替えることが可能な規定だ。
首相には非議員の就任も可能となり、さらなる予防措置としてタクシン派政権を相次いで倒した憲法裁判所や独立機関も温存された。

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一方で、民選議員を選ぶ総選挙も憲法関連法の整備を待たねばならず、その実施は早くても来年末。
前国王の葬儀もあり、19年にずれ込む見方も強まっている。
そうなれば、14年のクーデター以降、10年間を軍が一貫して支配する結果となる。
近ごろ見なかった光景だ。

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ビジネスや生活の現場でも軍の「支配」をよく感じるようになった。
事あるたびにまかり通っていたアンダーマネーは通じにくくなった。
許認可取得、出店規制も厳格化された。
脱税を逃さないためであろう、会計書類の要件等も煩雑となった。
交通違反のもみ消しもできなくなり、街の屋台も消えた。
現場を預かる官僚が「忖度」した結果と見られている。

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そのような中で、未だ消えないのが無理解に端を発するタイについての認識だ。
「ここはタイですから」
「いつものように、そのうちに緩くなる」
「アメージング・タイランド」…。
何の根拠もない楽観が、この国の「魅力」を今なお引き立てている。

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軍の「支配」が景気を後退させるとは限らない。
社会の「浄化」が進む一面もあるかもしれない。
それでも消えない懸念がある。
考えないこと。
思考停止が最も恐ろしい。

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