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「柳家」経営者インタビュー

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柳家

 

1 ハノイ出店のきっかけとは?

 

Q 海外出店をされたきっかけを教えてください!
“お客様にもっと喜んでいただくため”です。
もともと先代の父の頃から岩手と仙台でラーメン店を13店舗ほど展開していました。
父から柳家を受け継いだ後、今以上にお客様に喜んでいただくためには、と考えた際に、「様々な国の文化と融合させて現在のラーメンを進化させていきたい」と思い、海外に出店することを決意しました。
販路拡大のため海外進出をした訳ではなく、「海外との文化の融合により新しい柳家を発展させていきたい」という想いが一番ですね。
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Q 海外文化を吸収するために「ハノイ」を選ばれた理由とは?
正直初めはどこの国でも良かったです。海外に出店したいという想いはありましたが、国に対してのこだわりはありませんでした。
ベトナム進出以前は、アメリカで豚骨ラーメン店を出店することも考えており、勉強するために1年間岩手県で豚骨ラーメン店を運営していたこともあります。
そんなある日、岩手の銀行の方に年に30人程ベトナムからの交換留学生を受け入れている「龍澤学館」の息子さんを紹介していただき、初めてベトナムとの交流ができました。そのご縁がきっかけで、ハノイ出身の日本語を話すことができる実業家の方と出会い出店に至った、という経緯です。

 

Q ハノイに出店されてみて、ホーチミンに出店していれば・・・!と感じることはありましたか?
当時は何も分かっていませんでしたね(笑)今は、ホーチミンは日本食が飽和状態のように感じるとともに、ハノイとは別の国のような感覚さえあります。
現状では、ホーチミンと比べると日本人の数も圧倒的に少ないですし、ハノイの人民は閉鎖的で日本食に関しての知識もほとんどないです。しかし最近は、第1言語として日本語を教えるハノイの学校が増えてきていることがきっかけで、日本に対して興味を持つ子どもが増えてきており、大変嬉しく感じています。

 

 

2 出店当時のエピソード

 

Q 現在、店舗の状況はいかがですか?
私も初めの2年は現地に移住し手伝っていましたが、現在は在駐している日本人が1人、他は全て現地のスタッフに運営を任せています。

 

Q 人材の面で違いを感じることはありますか?
育った環境も違えば、考え方も全く異なるので、日本人とベトナム人の同じ所を挙げる方が難しいですね。
例えば、お客様がお帰りになられた後に残ったラーメンを廃棄しようとした時の対応の違いです。
現地で働いているスタッフが「どうしてお客様が食べ残したラーメンを食べたらいけないの?もったいないでしょ?」と尋ねてきたのです。その時は現地マネージャーが「食べかけのものを食べると衛生的に悪いのであなたのために新しいラーメンを作る」と返答したのですが、私は未だに納得できる回答を見つけられていません。
世界を視野に考えたら本当にその返答が正しいことなのか、と今でも考え続けています。

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Q 出店当時、1番大変だったことは何ですか?
やはり工事ですね。周辺の工事現場を観察し、ある程度覚悟はしていたのですが想像以上でした。
計画当初は1ヶ月で完成予定だったのですが、結局3ヶ月かかりました。完成後も次々に不具合が発生するんですよね。
柳家は4F建てを1棟借りしているのですが、1つ不具合が改善されるとまた他の階で不具合が・・・というように不具合の連鎖が起こるのです(笑)日本では考えられないですよね!
海外に行ってからは、今まで以上に日本の業者に感謝するようになりました。

 

Q 現地出店がきっかけで見直したことはありましたか?
日本での社員教育体制ですね。
食べ残しを食べる、という話にも関連しますが、アジア圏ではまだまだ圧倒的に貧困層の方が多いんですよ。日本で生活している現在の”当たり前”が本当に正しいのか、現地での出来事を聞くと割り切れないことが多々あります。
海外進出は、大きな出費となりましたが、先代である父から受け継いだ柳家をそのまま継ぐのではなく、新たな挑戦をし、たくさんの人と出会えたことは大きな財産になっているので、経験を積むという側面で良い投資かもしれないですね。

 

 

Q 普段は現地の食材を使われているんですか?
基本的に現地の食材のみを使用し、現地の業者を活用しています。
しかし、衛生面的にどういう状態で育てられ、店舗まで運搬されているのかがしっかり把握できる材料に限って使用しております。
鶏や豚は、”ブロイラー”と呼ばれる養鶏場や養豚場で育てられたものではなく全てが地鶏のため、ベトナムの方がおいしいんですよね。

 

Q 出店から3年・・・現地の変化や意図的に変化された部分はありますか?
現地のどの所得の客層に単価を合わせるかは常に変化しなければならないと思っていますし、試行錯誤しています。ハノイの平均給与は、時給70円程、月間所得3万円あたりなのですが、その中でラーメンをどの位置づけに持って行くか、悩み続けていますね。
現状として、ハノイでは『ラーメン』という単語自体、浸透しておりません。客数を増加させようと、一般所得のミドル数にターゲットを絞るため、400円という安めの価格設定をすると、日本人のお客様が多くなります。しかし、少し高めに600円で設定をしてみても日本人が大半であることに変わりはありません。
どちらでも客層が変わらないのであれば、「利益をとるために高めに設定しよう」、しかしベトナムの食文化、ベトナム人が好むものを知ることがベトナム出店を決めた理由ですので「ハノイにいる日本人を相手にするのであれば、ハノイに出店した意味がなくなってしまう」という考えが3年間、未だにループしています。
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Q 実際にお客様の割合はいかがですか?
おかげさまで8割がベトナム人のお客様、2割が日本人のお客様という状況です。ハノイでは、よくベトナム人が入っているラーメン屋、と言っていただいております。先程も言ったように、学校で第1言語として日本語が普及し始めているおかげで、子どもが興味をもってラーメンを食べにきてくれますね。しかし、親御さんと来店し子どもだけが食べている姿も頻繁に見かけるので、今の若い子たちが大人になる時代には、もっと市場は拡大すると思っております!
 

3 今後、出店意欲がある方に向けて

 

Q 海外出店において最も大切なこととは何ですか?
海外はコンサルティング次第だと思います。弊社はコンサルに入ってくれている方のおかげで問題が起こったことはないですが、まだまだ日本と比べて不透明なお金の動きが多いため、役所関係・お金関係のやりとりができる人は大切ですね。

 

Q 現地で気を付けるべきことはありますか?
「品質表示を信用してはいけない」ということですね。
ベトナムでは中国商品が約98%を占めているのですが、日本で買う中国製品とベトナムで買う中国製品には圧倒的な品質の差があるため注意することが必要不可欠です。

 

Q これから出店する方へのアドバイスをお願いします!
まず第一に現地に行って自分の目で見ることが必要です。
その際、きちんと現地を感じるために、富裕層や観光客しかいない5つ星の高級ホテルに宿泊するのではなく、旧市街の一般ホテルに泊まることがポイントです。
私はベトナムに出店する以前に様々な日本人からベトナムの印象というのを聞いていましたが1つも当たっていなかったため、みずから現地調査をし、感じることが最重要ですね。

 

4 今後の展望とは・・・?

 

Q 今後の出店予定について教えてください!
国内には数店舗出店予定があります。海外に関してはハノイが成功できなければ難しいと思っているので、暫くはハノイを安定させることに専念しようと思っています。

 

Q 現在のハノイ店での展望はありますか?
現在は日本に留学で来ている生徒が日本の店舗で働いているので、ベトナムに帰る生徒たちの現地雇用をすること、現地で働いているスタッフを日本で雇用すること、を始めたいですね。
現地のスタッフは日本のことが好きですし、1ヶ月で現地の半年分程のお給料を稼ぐことができるので、1年間だけでも日本で修行をしてほしいですね。

 

Q 最後に、ゴールを教えてください!
岩手の方たちに支えていただいてきたお店ですので、各国の文化との交流の上で進化していき、岩手に恩返しをしたいです。
東京のように、魅力のある店があれば、そこには人が集まると思っています。そのために様々な情報交換をして商品開発をしていき、お客様に還元をし、岩手を活性化させていきたいです!

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