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「SABAR」TOP INTERVIEW

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SABAR 社長

“とろさばとの出会い”

― “鯖”というジャンルに特化して、コラボレーションや商品など、さまざまな革新を行ってきた右田社長。そもそも、なぜ“鯖”だったのでしょうか? “鯖”に興味を持ったきっかけを教えてください。
独立以前は、海外で回転寿司チェーンに2年ほど勤務しておりました。26歳の時、日本に帰国し、30歳の時に10坪20席の居酒屋をオープン。仕入れのためにいつも豊岡市場に訪れていたのですが、ある日購入した鯖が見たこともないくらい脂がのっていたのです。これが、後に私が“とろさば”と命名することになる鯖との出合いでした。

― “とろさば”というのは右田社長が命名されたのですか?
そうです。
①脂が21%以上
②550g以上
③東北で取れた鯖
の3条件を満たした鯖を“とろさば”と命名しました。私が命名する以前は“脂がのっている鯖”と呼ばれていたそうです(笑)。
鯖専門店を出店する構想を持っておりましたので、お客様へのブランディングとして、命名・定義付け・商標登録までを担いました。

SABAカルテット盛り合わせ
SABAカルテット盛り合わせ

 

― なるほど。SABARは大阪府をメインに出店されていますが、東北からの安定したとろさばの仕入れのために何を行なわれたのですか?
初めて出合ったとろさばは青森県八戸市で水揚げされたもので、通常関西には卸されないものだと聞き、八戸の市場へ。その後も3年間、毎月八戸に通い続けることで、現地で漁業に携わる方との関係性・信頼性を構築することができました。運がいいことに八戸のブランド戦略とも一致し、当社を鯖大使として任命していただいたため、関西のPRショップになろうとSABARを始めました。
漁師さんたちも鯖の普及に加担している当社のために良い鯖を取ろうと動いてくださるようになり、上手くいくようになりましたね。

 

SABAR誕生秘話

― もともとは物販で鯖を提供されていたとお聞きしていますが、どうして鯖×居酒屋業態を立ち上げられたのですか?
30歳で居酒屋を立ち上げた時は、1店舗のオーナー店長という私ありきの営業スタイルでした。その後、とろさばに出合い、物販を行うことで「人」ありきではなく「もの」ありきのビジネスモデルへ変化させていきました。しかし、物販を行う中で限界を感じたため、私なしでのオペレーションを組んだ鯖×居酒屋業態「SABAR」を立ち上げました。

 

― 物販での“限界”とは?
長年飲食店に携わっていた私は、物販の「来店から退店までの短さ」が気にかかり、その短時間ではとろさばの歴史やストーリーを含む魅力を存分に伝えることができないと感じていました。また、海外進出の前に一度シンガポールで催事をした経験があるのですが、反応はあまり良くありませんでした。その経験からも、物販のみで鯖を普及させる難しさを痛感しました。

大とろさばのひらき 塩焼き
大とろさばのひらき 塩焼き

― 限界を感じられたにも関わらず、鯖の普及活動を諦めなかった。その右田社長の強さはどこからきているのですか?
私にしかできないと思っているからだと思います。「魅力のあるとろさばの認知度を上げることができるのは当社だけだ」と考え、諦めず日々活動を続けています。

 

とろさばをグローバルに提案

― 2019年4月現在、シンガポールにも出店されています。海外進出を果たしたきっかけを教えてください。
「SABAR」という鯖×居酒屋業態はもともと多店舗・海外展開を意識して立ち上げました。
30歳の時に10坪20席の居酒屋をオープンした当時から、海外で活躍したいという想いは変わらず、オーストラリアまで視察に行きました。しかし、オーストラリアにある日系居酒屋のレベルの高さに驚愕し、出店を断念しました。海外展開を諦めきれず、オーストラリアよりも手軽に出店できる海外として浮かび上がったのがアジア圏です。タイミングがよく、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から出店の話しをいただいたので初出店を決断いたしました。

シンガポール店-外観
SABAR シンガポール店

 

― 海外出店において、パートナー様選びは重要項目の1つとして挙げられると思いますが、ポイントはありますか?
当社では、「とろさばのブランドイメージを大事にしていただける方」というのは欠かせない条件です。当社の理念に共感した方のみに加入していただくため、PRも積極的にお手伝いをしています。
利益を求めるだけなら、時期によって価格・漁獲量に変動のある鯖を商材として扱う必要性はありません。しかし、それでも当社の想いに共感してお声をかけてくださる方と一緒に進出していきたいと考えています。

― 海外進出を考えていらっしゃる方に向けて、ご自身の経験も含め、アドバイスをいただきたいです。
夢を描いて出店をすることです。なぜ海外進出をする必要があるのかのビジョンを明確に描いた上で行動することが大切です。海外において、自分のブランドがどの位置付けになるかを理解し、次の世代につなげる意識で夢を持ち、進出することですかね。

寿司の盛り合わせ
寿司の盛り合わせ

 

 SABARの将来ビジョンとは?

― シンガポールに出店されていますが、今後の出店予定、または出店したい国があればお聞かせください
2019年にシンガポール4店舗目のDON DON DONKI(ドン・キホーテ)さんの施設内に2号店の出店計画があります。こちらでは居酒屋業態というよりは、海鮮丼として鯖を提供します。
また、出店したい国は……、海外はどこでも出店したいです!もちろんアジア圏以外も。今後、展開していく上で、鯖×居酒屋業態であるSABARだけでは業態力が弱いため、業態開発など新たな取り組みも視野に入れて海外展開をしていきたいと考えています。
また、国内でのフランチャイズ展開も加速し、勝負していきたいです。

シンガポール店-内観1
Do you know TORO SABA?〈 SABAR シンガポール店 〉

 

― 最後に今後の展開、夢についてお聞かせください。
当社のミッションが「鯖のある生活を提供すること」ですので、鯖の総合商社として日本一になり、鯖の品位を確立することが最終目標です。
また、将来的には水産ベンチャー企業としてIPO(上場)したいです。
現在、大手企業とのコラボレーションにより、これまでのSABARの客層とは異なる、新たな客層を取り込むことができているため、今後もたくさんのお客様に応援される会社・店になっていきたいと思います。

この記事を書いた人(著者情報)

rin

教えてASEAN編集部として日々経営者の方にインタビューさせていただいております!

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