応募者を面接し、採用となった場合、採用する従業員ごとに、就業規則に基づいて労働契約書を作成し締結しなければなりません。記載する内容は、職能、賃金、勤務開始日、勤務場所、試用期間、勤務時間、休日、時間外労働、休日労働、福利厚生、その他など。
従業員となる方には、就業規則と労働契約書を熟読してもらった上で労働契約書に署名してもらい、互いに1通ずつ保管しなければなりません。
また、店舗でのルールや細則を定めた「ルールブック」を作成し、労働契約書の付属書類として添付しましょう。
実際に例をあげて給与計算について説明します。
例)Aさん 22歳・男性・シェフ、月休5日シフト制、月給15,000バーツの場合
Aさんは、6月の1カ月間で私用による欠勤が1日、1カ月で2回2時間時間外労働をしました。
タイでは休日も給与を払っている計算になるため15,000バーツ÷30日(1カ月)=500バーツ(1日の給与)、500バーツ÷8時間=62.5バーツ(時給)となります。時間外労働は1.5倍となりますので62.5バーツ×1.5倍=93.75(時間外労働時給)となります。
計算式)
15,000バーツ-500バーツ(欠勤1日分の給与)+375バーツ(時間外労働時給93.75バーツ×4時間)=14,875バーツとなります。(実際にはここから社会保険などが差し引かれますが今回は省略します。)
バンコク中心部ではほとんどの飲食店が売上の10%のサービスチャージ(サービス料)を取るようになりました。サービスチャージシェアとは、一定の割合でサービスチャージを従業員に還元すること。会社によりサービスチャージのシェアの内容は異なりますが、サービスチャージ総額の50%(売上が100万バーツの場合でサービスチャージが10万バーツとするとその50%にあたる5万バーツ)を原資として従業員に一律にシェアするのが一般的です。サービスチャージはあくまでも、給与が固定給であるのに対して、歩合給と定め、無遅刻無欠勤の従業員や成績優秀な従業員により多く還元できるようルール作りをしている会社もあります。
チップシェアは毎日お客様からのチップを閉店時に計算し、その日働いた従業員全員でシェアするというものです。
従業員とのトラブルの多くは、経営者側が最初に説明をしなかったり、不十分だったりというものによるものです。タイでビジネスをはじめる上で、まず、経営者がタイの労働保護法を理解し、就業規則を定め、従業員となる方にもしっかりと理解してもらった上で労働契約書を締結すること(お店でのルールや細則を定めた「ルールブック」を設ける場合は、そちらも必ず理解してもらうこと。)。備えあれば憂いなし。従業員とのトラブルを未然に防ぎ、円満で協力的な労使関係を構築していきましょう。
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