シンガポールには多くの外国人が暮らしており、それぞれのコミュニティーのメッカのようなものがある。
インド系ならLittle India、中華系ならChinatown、フィリピン系ならLucky Plaza、タイ系ならGolden Mile Complex。
そんな中、ミャンマー系の人々が集うのはMRT(地下鉄)のCity Hall駅からほど近いPeninsula Plaza。
日曜日になると、ミャンマー人があふれており、Peninsula Plazaだけでなく目の前の聖アンドリュー教会の芝生やまわりの道などにも座りこんでいる人たちでごったがえす。
ものすごい人数がいるので驚くが、実は教会の芝生は牧師によって開放されているので決して不法占拠ではないのだそう。
このように通りにシートを敷いて座り込み、買ってきたものを食べている。
教会の敷地内も人があふれる。
シンガポールとミャンマーは直行便で3時間とほど近く、直行便も週55便も出ていて距離的にもあまり遠くはない。
ミャンマーからシンガポールへの観光客も少しずつ増えていて2011年から2015年までは毎年3パーセント増えており、4年間で12パーセント増加、2015年には約10万人がシンガポールを訪れたという。
シンガポールからミャンマーを訪れた人も約4.5万人だそう。
この増加を受け、2016年から30日間以内ならビザ不要で両国を訪れることができるようになっている。
日曜日にPeninsula Plazaに大挙してやってくるミャンマー人は普段どのような暮らしをしているのか。
実は、女性の多くはメイドとして働いている。
シンガポールでメイドといえばフィリピン人を想像するが、実はミャンマー人のメイドも多くいる。
ただし、フィリピン人の多くは英語が堪能な人が多いが、ミャンマー人は英語を得意としない人も多いので、その分料金は少し下がるよう。
フィリピン人が月600SGD程度のところ、ミャンマー人の場合400SGDから500SGDが相場だという。
ミャンマー人のメイドのほうがフィリピン人に比べて、年齢が比較的若い20代から30代前半の人が多く、シンガポールにはあくまで短期間出稼ぎとしてきている人がほとんど。
特に結婚適齢期になるとミャンマーに戻る人が多いという話も。
メイドをしている人にとっては日曜日は唯一の休みで、一日を外で過ごす。
Peninsula Plazaでは地下1階から5階までミャンマー系の店が多く入り、メイドエージェンシー、格安飛行機チケット販売、旅行代理店、コーヒーショップや食堂、SIMやガジェット販売店、雑貨屋、食料品店、衣料品店などが入っている。
雑貨屋ではミャンマー人が顔に塗っている「タナカ」も発見。
これは天然の化粧品で、ゲッキツ属のタナカの木をすりおろして粉状にしたもの。色は薄い黄色から黄土色までさまざまで、「Thana」は汚れ、「Kha」は清潔という意味だそう。
タナカは、はるか昔から化粧品として使われていて、塗ると少しひんやりとするので暑いシンガポールにもぴったり。
日焼け防止や虫よけのによいとされ、ニキビにも効果があるといわれている。
筆者がシンガポールに来たころは聖アンドリュー教会にいる人もフィリピン人のメイドかと思っていたが、よく見るとほほに白っぽい粉を塗っており、長い巻きスカートを着ている人ばかりに気づき、それがミャンマーで一般的な「タナカ」で巻きスカートは民族衣装であると知り、ようやくミャンマー人であることに気づいた。
ロンジーは筒状になったロングスカートのようなもので、巻きスカートのようにして着るもの。
ミャンマーでは男女ともに着用して、制服もロンジーだそう。
Peninsula Plazaの中でも色あざやかなロンジーが多数売られている。
Peninsula Plazaの2階や3階にも小さなコーヒーショップや食堂などが多くあるが、かなりローカル食が強いので、少しハードル高め。
手始めにミャンマー料理食を試すなら地下1階がおすすめ。
地下1階にはミャンマーレストランがいくつかあり、広いフードコートもある。
(※Little Indiaにある有名店 Banana Leafもなぜかこのフードコートに入っている)
こちらは2階にあるコーヒーショップと食堂。
ほとんどミャンマー語で英語の表記はない。
こちらは地下1階にある少し価格帯の高いレストラン。
英語の説明もあるので安心。
今回入ってみたのは、フードコートの一番奥にあるこちらのお店。
ミャンマー人に人気で列が絶えない。
店の奥にもさらに席が多くあり、静かなので落ち着いて食べたいときや子供連れでも安心。
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