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【インドネシア】現地の屋台で急速普及のQRコード決済サービス「OttoPay」

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asean181130otto3ジャワ島中部の都市ジョグジャカルタは「屋台の町」である。

ここはとにかく食べ物屋台が多い。ジョグジャカルタは観光客の多い町だが、地元住民も外国人観光客に混じって屋台で食事をする。
車輪のついた移動式屋台からは湯気が立ち、食欲を掻き立てる焼き鳥串や米飯がずらりと並ぶ。

そんなジョグジャカルタの屋台であるが、時代と共に屋台の姿も変わりつつある。

屋台で導入される「OttoPay」とは

まずは、以下の写真をご覧いただきたい。
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画像の中央あたりにQRコードの描かれたシールが貼ってある。
これはインドネシアでシェアを伸ばす電子決済サービス『OttoPay』の QRコードである。
そう、この屋台は電子決済対応店なのだ。

OttoPayは、UMKM(中小零細事業者を指す略語)の経済成長を目的にしたベンチャー企業である。
インドネシア有数の財閥企業であるサリムグループの傘下ではあるが、サービスの本格提供は今年始まったばかりだ。

このOttoPayが何を目指す企業なのかは、公式サイトを見ればすぐに分かる。
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屋台の女性従業員が笑顔を見せている写真。
これは消費者向けではなく、事業者向けのイメージ画像だということは一目で察することができる。

インドネシアの屋台経営者にとっての悩みは、小銭問題だ。
3万ルピアの勘定に10万ルピア札を客から差し出されたら、小銭不足でそれに対応できない可能性が高い。
また、現金を屋台に置くわけだから防犯上の問題も発生する。

だからこそ、インドネシアでは電子決済の導入が求められているのだ。
しかもそれは、絶対にQRコード決済でなければならない事情がある。

QRコードが最重要視される理由

日本では非接触型決済に対応したスマートフォンが流通している。

それはNFCやFelicaなどであるが、現行のiPhone最新ナンバーにはそれが実装されている。
ところが、日本ではともかくインドネシアでは非接触型決済対応のスマホは高級機で、ミドルエンド以下のモデルにはそれがない。

また、店側としても非接触型決済に対応した読み取り機を用意しなければならないという手間がある。
屋台ではこれを置くスペースもさることながら、読み取り機は言い換えれば「壊れ物」だ。
もし故障してしまったら、使い物にはならない。

しかしQRコード決済を導入した場合、上記の問題はすべて片付く。
今やカメラのないスマホは存在しない。
たとえ低価格機種であろうと、背面カメラくらいは用意されている。
それでQRコードを読み取りさえすれば決済ができるのだ。
その上、店側が専用の読み取り機を用意する必要もない。
先述の写真のように、QRコードの描かれたシールを屋台のどこかに貼ればいい。

以上の理由から、インドネシアではQRコード決済が爆発的に普及している。

iOSよりAndroidを優先

asean181130otto2OttoPayは専用アプリで収益の計算はもちろん、同一プラットフォームでの携帯電話の度数購入、電気や水などの公共料金の支払いもできる。

また、この記事を執筆している2018年11月30日時点では、配信アプリはAndroid端末のみの対応である。
AppleのiOS向けアプリは用意されていないということだ。
これはOttoPayに限らず、インドネシアのスマホアプリビジネス全体に共通する傾向である。

まず、Appleのアプリ審査はGoogleのそれに比べて厳格な傾向があるということと、インドネシアではAndroid端末のほうが圧倒的に普及しているため、Appleの審査を待つメリットが少ないのだ。
それと同時並行でAndroidのみのサービスを開始しても、iOSユーザーの突き上げに遭う可能性は極めて低い。

そもそも、業務用アプリにiPhoneのような高性能機は必要ないという事情もある。
先述のように、OttoPayを始めとするインドネシアの電子決済サービスの目的は「UMKMの経済成長」だ。
iPhoneを買わなければ恩恵にありつけないサービスでは意味がない。

この記事ではOttoPayのみを挙げたが、インドネシアでシェアを伸ばす電子決済サービスは他にも存在する。
いずれも今年になってサービスを始めたものばかりだ。
この国は、全土の電子決済化に向けて大きく舵を切ったのだ。

【参考・画像】
OttoPay

この記事を書いた人(著者情報)

澤田真一

フリーライター、グラップラー。175センチ88キロ。ASEAN経済、テクノロジー関連情報などを各メディアで執筆。

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