当時タイでは日本食ブームが起こり、S&Pグループとしても日本食市場に参入したいと考え始めました。他のとんかつチェーンからの提携話もありましたが、「美味しくて口の中でとろける」「剣立ちしているパン粉」などMAiSENのとんかつはタイ人に説明しやすく分かりやすい特徴がありました。
もう一つ、S&Pはレストランでありながら、実はテイクアウト、販売による売上が50〜60%に及ぶ店もあります。MAiSENもかつサンドやお弁当の販売面が強いことにシナジーがあると感じました。
井筒まい泉株式会社とタイにおけるエリアフランチャイズ契約を締結し、2012年11月にBTSサラディーン駅に直結する商業施設シーロムコンプレックスに1号店をオープンしました。
記者)ここまで順調に来たのですか?
ジェムさん)1号店から3号店まではオープンするたびに行列が出来る人気店になりました。4号店も最初は行列が出来ましたが、1日500人来ていたお店がオープン1ヶ月後には50人にまで減ってしまうという事態に陥りました。それまで、MAiSENブランドがタイ人に浸透しているという思い込みがありましたが、まだまだなんだと思い知らされました。それから、販売促進、広告の仕方などを一から見直しやり直しました。
美味しさには自信を持っていましたので、とにかくMAiSENに一度来ていただければ違いがわかってくれるという思いがありました。もちろん、すぐに家賃交渉もしましたけどね(笑)。
記者)MAiSENのとんかつの美味しさを守るために行っていることは?
ジェムさん)1号店のオープン前に、日本の本部からヘッドシェフが来てファームを廻り豚肉を厳選しました。その豚肉を、S&Pの工場内にあるセントラルキッチンに運び、トリミングをしたロースやヒレの豚肉一枚一枚に叩きを加えるなど下処理を行っています。
3ヶ月に1度1〜2週間日本の本部からヘッドシェフが来ていますが、毎回、最初にあげ場のシェフ全員に何項目にも及ぶ技術テストを実施しています。それに合格しないと、現場から外し、合格するまで再講習を行います。
記者)立地の選定や今後の出店について教えて下さい。
ジェムさん)出店については、タイ全土の商業モールにS&Pが入っているため、それである程度判断できますが、候補物件の平日と土日の通行量調査など自分で足を運んで行っています。また、店名は出せませんがベンチマークしている2つの日本食レストランチェーンがあり、そこの売上や集客なども出店基準の一つとしています。現在9店舗ですが、バンコクだけで15店舗を出店の目標としています。店舗の広さについては50席〜60席ぐらいが適正サイズと考えています。
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