これは今に始まったことではなく、歴代政権は「自国民の雇用保護」を常に公約にしていた。
今年2019年は大統領選挙が行われるが、再選を目指すジョコ・ウィドド大統領も対立候補のプラボウォ・スビアント氏もこの点では変わらない。
強いて言えば、プラボウォ氏の公約はより急進的ということだ。
いずれにせよ、分野によっては外資企業の参入には信頼できる現地パートナーとの連携が欠かせなくなる。
インドネシアの場合、現地小売大手アルファグループが日系企業との連携に積極的だ。
我々がよく知っているあのブランドも、アルファグループを通じてインドネシアに進出していたりもする。
アルファグループの正確な名称は『PT.Sumber Alfaria Trijaya』である。
日本やインドネシアでも「アルファグループ」と言えば通じるし、各マスメディアもこの呼称を使用している。
そのアルファグループと三菱商事、そして山崎製パンが合弁で『ヤマザキ・インドネシア』を設立し、現地に工場を建設した。
2014年のことである。
その小売はもちろんアルファグループのコンビニブランド『Alfamart』が引き受けるが、ここ最近でヤマザキの『ふんわり食パン』が現地市民から好評を得た。
現地市民に好まれやすいよう、食感が改良されているのが特徴だ。元来東南アジアは米食文化圏で、しかも小麦粉が殆ど生産されていない。
それ故に近年の小麦食品の消費量は右肩上がりである。
ヤマザキはその風に乗ったのだ。
Alfamartは、全国に1万3000店舗を有する巨大ブランドである。
インドネシアの食品分野で成功を収めたいと思うなら、商品の流通経路についても考慮しなくてはならない。
それに関しては、アルファグループはまさにプロフェッショナルだ。
そしてアルファグループと連携してインドネシアに進出しているのは、山崎製パンだけではない。
大王製紙の製造する紙おむつも、アルファグループがその流通を担っている。
これも山崎製パンと同様、三菱商事が日尼両社の間に立って実現したことだ。
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