インドネシアのアプリサービス『Go-Jek』は、もはや都市部に住まう市民には欠かせない生活ツールとなった。
日本で「交通系ICカード」と呼ばれている電子決済方法は、日本が世界有数の鉄道大国であることの証明でもある。
明治初期、新橋~横浜間の鉄道を敷設した際はその利権がイギリスに渡る危険性もあった。
明治の元勲はそれを回避しつつも、一刻も早い日本の物流効率化を選択した。
極めて高い外交交渉力を持っていたのだ。
インドネシアの場合、商業鉄道はジャワ島内にしか存在しない。
都市電鉄に至っては、ジャカルタ首都圏のみにしか敷設されていない状況だ。
だがその代わりとして、この国には「Ojek」と呼称されるバイクタクシーがある。
Ojekをオンライン化し、利用料金をより明瞭なものにしようというコンセプトで立ち上がったのがGo-Jekである。
そのGo-Jekは、次第に機能が多角化していく。
飲食デリバリー、薬品デリバリー、燃料デリバリー、中にはマッサージ師デリバリーというサービスもある。
スマートフォンが普及し、市民誰しも任意の場所にバイクタクシーを呼び出せるようになったのだ。
それに乗せるものは必ずしも人間である必要はない。
だが、問題も発生している。
利便性の高いオンライン配車サービスであるが、それ故に既存タクシー会社を圧迫するようになった。
最大手タクシー会社のドライバーがオンライン配車サービスに反対するデモを起こし、市民の反感を買ったこともある。
バイクタクシーというものである以上、バイクがどこかに停車していなければならない。
既存会社で構成された組合は、利用客が多く集まる場所でのGo-Jek停車を禁止した。
より具体的に書けば、ドロップはいいがピックアップは禁止という措置だ。
昨年12月、インドネシア首都圏に展開する日系小売イオンがGo-Jekとの協業を発表した。
イオンの敷地内には、既にGo-Jekのライダーが待機できるスペースが設けられている。
ドロップ、ピックアップともに自由だ。
また、電子決済Go-Payや飲食デリバリーGo-Foodとも連携する。
注目すべきはGo-Payだ。
イオンでのGo-Pay利用でキャッシュバック特典等も設けるという。
インドネシアでは去年からQRコード決済サービスが充実するようになったが、日系小売店もその流れと無縁ではない。
日本人が交通系ICカードを持っているのと同様の感覚で、インドネシア人はGo-Payを扱っている。
この国のスマホ決済は非接触型よりもQRコード認識型のほうが普及しているのだ。
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