一昨年から昨年にかけ、シンガポールを中心に香港やマレーシア、インドネシア、さらには日本などアジアにおいて8つの国と地域で店舗を展開する中国料理チェーン「パラダイスグループ」がヤンゴンへ進出。
快進撃を続けている。
現在まで「ビューティ・イン・ザ・ポット」、「カントン・パラダイス」、「ダイナスティ・パラダイス」の3店がオープン。
他にも2店が開店を控えている。
どこも、食事時は連日満席となるほどの人気ぶりだ。
実は、同グループは2012年にタイにも進出したが、うまくいかず撤退した。
これについて、タイとミャンマーを行き来する中華系ビジネスマンはこう分析していた。
「タイに住む中華系住民には潮州人が多く、彼らはレストランを地縁や血縁で選びがち。
福建人や広東人の多いシンガポール系の店はあまり選ばれない。
ミャンマーの中華系に多い雲南人は、その辺りは気にしないから」。
この説の真偽はさておき、パラダイスグループがヤンゴンで成功したのは、これまでの大衆的庶民中華とホテル内の高級中国レストランの、丁度中間あたりを狙ったことにあるだろう。
「もう少し高級な店に行きたいが、ホテル内ほど高くない店」という、経済発展で厚みを増した中流層のニーズにフィットしたと言える。
昨年後半に目立ってきたのは、これら動きとも異なる、いわば第3の波だ。
舞台はヤンゴン中心部から1時間ほど北へ行ったミンガラドン地域や、北西へやはり1時間ほど行ったラインタヤー地域だ。
どちらも中小企業向けの工業団地を擁する。
これらのエリアに立て続けに、庶民的な中国料理店がオープンしたのだ。
オーナーもシェフも中国人で、メニューも中国語。
外に出す看板も漢字が並ぶ。
中には、レストランではあるが、カラオケを併設し、水商売風の女性が多く控えている店もある。
これらの店はすべて、上記エリアに急激に増えている中国や台湾の工場で働く中国系の人々を対象としている。
今後、こうした低価格帯でありながら、本格的な中国料理を出す店は、郊外から中心部へ向けて増えていくのか、郊外より中国度を増し、進化していくのか。
今後の進展に期待したい。
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