インドネシアの飲食業界に、ある変動が訪れている。
それは「流通効率の改善」である。
どのようなレストランでも、材料を提供してくれる一次生産者の存在が欠かせない。
ところがインドネシアの農業分野は、あまりに多過ぎる仲買人が問題になっている。
一次生産者と小売店舗の間に仲買人がいれば、その分だけ中間マージンも大きくなり農家への収益が減っていく。
また、農家と接触する仲買人が不正をしていることもある。
しかし農家はたとえそれを知っていたとしても、農作物を流通させる手段が他にないのだから泣き寝入りするしかなかった。
だが、今は違う。
スマートフォンの普及とオンライン環境の広がりが、不当な中間マージンの排除を推し進めている。
筆者は今年1月、インドネシアのオンライン流通プラットフォーム「TaniHub」に関する記事を執筆した。
このTaniHubを運営するTaniGroupは、シンガポールのOpenspace Venturesからの投資として、US1,000万ドル(約10億8,000万円)の出資を得ることに成功した。
TaniHubは農作物の流通を担うオンラインサービスを展開している。
実質的な仲買事業とも言えるかもしれないが、発注のオンライン化は顧客の動向が契約農家に即時に伝わるという利点を有している。
例えば「1週間後までにタマネギを10キロ、ジャカルタのクレコット地区に送ってほしい」という発注が入ると同時に、契約農家にメールが届くという具合に。
全ての発注情報が即時公開されているのだから、たとえ運営者でも不正をすることは一切できない。
決済処理もオンラインで行う。
そこに他の仲買人が割り込むことはない。
その上でTaniGroupは、P2P(Peer to Peer)レンディング(お金を貸したい人と、お金を借りたい人をWEB上でつなげる融資手法)サービス「TaniFund」の運営も行っている。
投資対象の作物や農家の名前、収益率の見込み、収益化に要する日数などを明確に表示し、透明性のある投資環境を実現させている。
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