2013年12月に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、世界で日本食ブームが加速しています。
地理的にも日本に近く、訪日観光客が増加を続けるASEAN地域でも日本食は高い注目を集めています。
中でも訪日客が131万8900人(2019年)[1]、在留邦人数が7万5647人[2]と親日度の高さが伺えるのがタイです。
実際にタイで日本食は、外国料理の中で最も人気が高いと言われており、日本食レストランの数はここ数年右肩上がりです(下記、表参照[3])。
2019年の日本食レストランの店舗数を確認すると、タイ全土で3637店舗と前年比21%増です。
その増加率は地方でより顕著で、前年と比べてバンコク市内の275店舗に対して1.3倍の358店舗です。
大都市バンコクだけでなく、地方にまで日本食人気が浸透しつつあると言えそうです。
また、少々古いデータにはなってしまいますが、JETROのレポートによると、「好きな外国料理」という質問に対して半数以上の66.6%のタイ人が1位に「日本食」を選んでいます[4]。
その他1位に選ばれたのは、中国料理12.8%、韓国料理 6.8%と続き、日本食が群を抜いて人気ということが分かります!
なぜ、タイで日本食がこんなにも人気なのでしょうか。
その秘密を探ります。
2015年から2018年まで、実質GDP成長率が3.1%、3.4%、4.0%、4.1%と成長を続けてきたタイ[5]。
必然として国民の所得も増加しています。
タイ政府の統計を基に日本貿易振興機構(JETRO)が2006年と2013年のタイ人の所得を比較していました(下記、表参照[6])。
月収1万バーツ以下の低所得層が全国平均、バンコク首都圏ともに大幅に減り、上位中間層や富裕層が増えています。
所得が増えたことにより、タイでは高級レストランとされる日系飲食店で食事をする機会が増加しているそうです。
また、ピザやサンドイッチ、ハンバーガーといった欧米系のファストフードを食べる人が増え、食生活も大きく変化しています。
タイの国家統計局が国民にファストフードを食べる頻度を調査したところ、「食べない」という人が2005年時点では84.6%でしたが、2013年には70.8%にまで減っています[6]。
さらに、週に1・2日食べるという人は、2005年の12.3%から2013年の23.5%と、約2倍に増加。
タイ人の嗜好が変化して、新しい食文化が受け入れられていることが伺えます。
メインメニュー
教えてASEANコラム
お問い合わせ
人気記事ランキング
新着記事
国別で記事を探す
おすすめキーワードで記事を探す
ライター紹介