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【前編】株式会社オンデーズ 世界の眼鏡文化を改革!OWNDAYSの挑戦

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世界の眼鏡文化に新しい風を吹き込む株式会社オンデーズ。

前編、後編の二回に分けて、その魅力の理由、こだわりをたっぷりお届けします!

その勢いは日本にとどまらず、今や海外でも多店舗展開。
そんなオンデーズが3年前海外初進出に選んだ国がシンガポール、今回はシンガポールをご担当されている海山さんにお話を伺うことができました。
前編の今回は、オンデーズ海外展開のきっかけや、コンセプト、今後の展望など、気になることにすべてお答えいただきました。
次回後編は、オンデーズの提供する海外展開支援について。
ミシュランで話題のあのお店が登場します。
まずは、前編をお楽しみ下さい!

>それにしても、国内外問わず大変な勢いですね!
シンガポールで3年前に海外進出されてから現在、海外に何店舗ですか?
今年はついにヨーロッパへも。

ありがとうございます。
オンデーズ自体は、シンガポール19店舗、台湾、日本を除く海外では年末の時点で75店舗。
日本、シンガポール、台湾、タイ、カンボジア、フィリピン、マレーシア、オーストラリア、ベトナム、オランダで展開しています。
今後は3年以内をめどに日本以外の国で300店舗体制を目指しています。
年に50~80店舗ペースで増やしていく予定です。
現在は展開している国が増えて下地ができてきたのでその中で増やし、伸ばしていく段階と考えています。
すでに出店実績のある国でのことなので、当初と比較すると店舗展開はしやすくなってきたかもしれません。
オンデーズ以外にも他企業の海外進出支援もしています。
どちらもシンガポールになりますが、11/6には「ミシュランガイド東京2016」で世界初となる星付き店(1つ星)を獲得したラーメン店「Japanese Soba Noodles 蔦」が「Pacific Plaza」にオープンしました。
(こちらに関しては後編でたっぷりお伝えいたします)
こちらは当社とのジョイントベンチャーでして出資、支援をさせていただいております。
ストレッチ最大手「Dr.ストレッチ」を展開する株式会社フュービック(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:黒川 将大)も、海外展開の母体となる持株会社FUBIC SINGAPORE PTE. LTD.をシンガポールに設立していらして、そちらの展開に対しても出資、支援させていただいています。
こちらもシンガポールのサンテックシティモールに現在1号店があります。
2号店目も今月12月にオープン予定です。(取材時)

>本当にすごい店舗数ですね!スケールが大きい!
海外進出のきっかけは?

2013年7月にシンガポールのプラザ・シンガプーラに海外1号店をオープンしました。
キャピタランドというシンガポール最大手のデベロッパーが仕掛けているショッピングモールで、日本人女性のリーシング担当の方がいらしたんです。
日本で開催されたシンガポールへ日本企業を誘致する狙いのイベントで当社の社員がその担当の方とお会いしたのがきっかけですね。
是非一度お店を見に来てくれないか、とお誘いいただき、代表の田中と海外展開の担当者が実際に視察に行きました。 そこで「これはいけるかもしれない。是非挑戦してみたい」と。

>「これはいけるかもしれない」と思った理由は? そして本当に大成功されていますよね?

まずは眼鏡の着用率の高さ、あとは色々な状況がちょうど10年前の日本と重なったんですね。 どこの眼鏡屋さんも高価、けれどもサービスレベルは高いかと言われればそういうわけでもなく・・。
なぜ高価なのかという理由も不透明、そこをうまくつけたのではないでしょうか。
当時、おそらく眼鏡というものはこういうものだと皆さん認識していて、特に気にすることも意識することもなかったはずです。
世の中には当社みたいな眼鏡屋もあるのだということを知らなかったから皆さん不満はなかったんだと思います。
でも自分でも気づいていない潜在的な不満っていうものが実はあったのではないでしょうか? そこのニーズにうまくフィットできたんだと思います。

>初進出された際はやはりご苦労を?

はじめは当社のブランド認知もまったくなかったので、そこにはやはり。
でも皆さんあたたかく迎えて下さいました。 感謝しています。

>広告活動はどのように?

SNSがメインです。
規模が大きくなってきたので、最近はバスラッピングなどにも挑戦していますが、はじめから広告で派手にやる気はなかったですね。
来店して下さったお客様のリピートや口コミなどで広がってくれるのが一番嬉しいですし、それこそが当社が目指す健全なスタイルだと思っています。
広告をたくさん打つとインパクトはあるし、アピールもできるのですが結局お客様に購入していただく価格が上がってしまう・・そういったことはしたくないんです。
眼鏡市場をオープンにしてこの業界の不透明さをなくしたいというのも目標の一つなので、必要以上に広告費を価格に載せたり、お客様に「目に見えないコストがのっている?」といった風に感じていただきたくないので、地道な商売を目指しています。

>クールジャパン、カワイイ文化など日本ブランドへの海外からの人気、信頼度は高いですよね!
日本のアイウェアブランドということで、お客様からの期待度が高いと思うのですが、店作りに何かこだわりは?
店舗もすごくおしゃれですよね。

明るい店内でお客様のほうからどんどん入ってきていただけるような、オープンで間口の広い店舗にデザインしています。
「オンデーズ」「眼鏡屋」とすぐにわかる特徴的な店舗です。

IMG_2520
今までの眼鏡屋さんには、閉じられた世界というか少しクローズされた雰囲気を感じていました。
視力補正器具が必要なお客様、決まった方だけが、入店を許可されるようなイメージを皆さんお持ちだったのではないでしょうか。
服や雑貨のようにいわゆるウィンドウショッピングは許されない感じとでも言いますか。
当店ではたくさんの商品をガラスケースに並べて、鏡もたくさんご用意、照明にも工夫しています。
ご自分で手にとっていくらでも試着していただけるようにしているんです。
お客様のほうから思わず試してみたくなってしまうようなディスプレイを心掛けています。
デザイン性、ファッション性のある眼鏡屋というのがこれまであまりなかったと思うので、そこもかなり意識をしています。
自由に手にとっていただき、お友達や家族同士ですごく盛り上がって選んでいただいている、そういう店舗を狙って作るようにしています。

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当社は店舗を構えて小売でやっていく形をとっていますが、今は皆さん、欲しいものはネットでなんでも買える時代ですよね、うちでも一部ECサイトを運営しています。
この時代にあえて小売、店舗でやっていくからには、ただ単に、モノ・商品を販売するっていうのだけでは通用しないと考えているんです。
目的のモノを買うだけでよいのであれば、ネットで安価に時間をかけず、すぐ手に入る時代です。
その時代にあえて店舗に足を運んでいただくということは、お客様もモノを手に入れるということ以上の何かを求めているのではないでしょうか。
ネットショッピングでは得られないもの、何か新しい価値の提供をしていかないといけない段階にきているのではないかと感じています。
店舗へ直接来ていただいたからこそわかる驚きだとか斬新さだとか楽しみだとかそういった新しい体験を提供しないとお客様にとっての価値になっていかない、
モノを大量に購入して消費する時代というのが終わったということのあらわれかもしれません。
最近モンスタークレーマー等といったフレーズも耳にしたりしますが、
「わざわざ店舗を利用しているのに残念な経験をしたくない」という意識の象徴だったりするのでは?とも思いますね。
モノを販売するという店側とモノだけでなく店舗ならではの体験、価値の提供も求めるお客様側との意識のミスマッチから生まれるものなのかもしれません。
そうなってくると、ここからはかなり店舗運営、スタッフの手腕にかかってきます。

>やはり一番努力、注力されているのはスタッフ教育ですか?
日本でオンデーズといえば接客が評判ですよね、社内のコンテストも有名ですし。
海外展開においても接客にはやはり力を?ご苦労されたのでは?

接客はオンデーズスタンダードというものがありまして、これは世界共通ですが、その国の文化に合わせてカスタマイズしています。
やはり国によって価値観は様々なので、各国のお客様にとって最適な形を研究しています。

>ここは難しかったって国は?

そうですね、おかげ様で今のところどの店舗もうまく運営できていると思います。 熱意のあるスタッフが集まってくれているので、その点はすごく恵まれています。 接客スタイルのベースは、日本特有の細やかさを生かしたものなんです。
気付きの文化といいますか、「あうんの呼吸」といった日本ならではの表現にも表れていますよね。
日本人スタッフは育ってきた文化、環境的なことが影響しているのか、お客様が何を求めているのか、何が必要なのか、これをするとこうなるといったような感が備わっている人が多いんです。
この点においては、良し悪しと言った話ではなく文化の違いによるものだと思うのですが、海外ではまずはそこから課題になります。
スタッフには、なぜこの行動が必要なのか?というところから納得し気付いてもらわなければなりません。
ただマニュアル化して強制してもスタッフ自身に腹落ちしないと意味がないのでそこは頑張っています。 お客様の満足度だとか自分のアクションによって得られる全体像をつかむことができるように指導していきます。
教育には本当に時間を割いていますね。
スタッフ一人一人が安心して店舗に立てるように、これは国内外問わず力を入れています。
当社の理念から商品、販売の方法など自信をもってスタッフが業務に従事できるようしっかり学習してもらいます。
カンボジアやベトナムなどのまだまだ成熟していないマーケットでも出店していますがはじめは大変でした。
相当な費用もかかります。
この時にはオープン前にシンガポールでスタッフトレーニングを1ヶ月程行ったんです。

>海外でのスタッフ教育の拠点はシンガポールなんですか?

特にそういったことは決まっていません。
カンボジア、ベトナム進出時はシンガポールが近かったこととスケジュールの関係から決定し、台湾進出の際は日本で行いました。
研修のトレーナーも各国から選抜しているんですよ、多国籍の混合チームとなります。
その時、適任と思われる場所とトレーナーで構成されるので、特にこの国で、といった決まりはありません。

>オンデーズといえば、購入後すぐに眼鏡が手に入るところもかなりのポイントだと思うのですが、そのあたりもスタッフ教育は大変そうですね?

お会計の後、最速20分でお客様にお渡ししています。

>20分?!
眼鏡って完成まで何日もかかるイメージでいました・・。

ここはまさに強みの一つです。
眼鏡の加工の機械を全店舗に設置し、膨大な数のレンズ、それこそ2000枚~3000枚を常備しているんです。
これによってどんなお客様にもすぐに対応させていただけるようになっています。
在庫不足によるお待たせもほとんどありません。
レンズもそんなに長い期間おいておけるものではないので、販売数や商品の回転の少ないお店ではなかなかできないことだと思います。
これは当社が多店舗展開しているからこそできる強みの一つですね。
飲食店なども多店舗展開しているところは一括仕入れをすることによってボリュームディスカウントが受けられますよね、あのイメージ感です。
サプライヤーを厳選することで仕入れコストも抑えるようにしています。
年間200万本以上の出荷を可能にしている当社ならではの強みです。

>すごい数のレンズですね!
レンズはもちろんですが、眼鏡といえばフレームも命という感じが。
フレームによって全く違ったものになる。
海外だと日本より色々な人種の方がいらっしゃいますよね。
骨格だとか鼻の高さだとか、かなりパーソナルな商品だと思うんです。
海外向けに日本とラインナップが違ったりなどあるのでしょうか?

当社の眼鏡は企画、デザイン、製造まで全て自社で行うオリジナルブランドなので、本当に色々な形を作っています。
全て自社製造なので適正でお買い求めやすい価格も実現できていてここも強みの一つなんです。
他の眼鏡屋さんは色々なブランドから仕入れてきたものを販売するという代理店的なところも多いですのでそこも大きく違います。
また、ラインナップについては、アジアだけでなくオーストラリアやヨーロッパへも進出していますのでもちろん様々なものをご用意させていただいております。
大きく分けてヨーロピアンフィットとアジアンフィットの2つにわけて考えられているのですが、これらをベースとした商品を常に多数揃えています。
自社製造だからこそできる種類の豊富さですね、人種や国を越えて幅広く多くの方に対応させていただけています。
眼鏡は非常に奥が深いんです。
眼鏡に求められる要素も人や文化、国によって実に様々。
選ぶものによって個性がかなり出ますからね。

>ファッション的な表現をするといわゆるトレンドとかも?

当然ありますね。
国や文化によって購買活動の様子も気質も全然違いますし、そのあたりも常に見逃さないようにしています。
世界中の店舗で何が売れて何が売れないなど、本部でデータを一括管理して調整をはかっているんです。
「お客様からこういう声があがっています!」といった店舗からのレポートを受けて毎週会議も開いています。
それによって揃える商品やディスプレイも変更したりと常に試行錯誤、現場からの声とすり合わせていく毎日です。
これはお客様ありきのビジネスをしていく限り永遠の課題ですので、日々努力していくのみ。 この一言に尽きます。

>シンガポールでの商品の価格は?

価格は日本よりも少し高めです。
平均して15%前後高めの価格設定となっています。
シンガポールは眼鏡店に資格保有のスタッフを雇用しなければならないという決まりがあって、検眼や眼鏡の調整を行うにあたって公的資格が必要なんです。
そこが日本と最大に違うところかもしれません。
最低2年は学校に通って資格を取得した方々です。
視力測定だとか眼鏡作成などを専門に学ばれてきた眼鏡店の業務に専従していただく方々なので当然、基本の人件費は高くなりますが、おかげで高い技術の提供にもつながっています。

>目がよくて眼鏡を買ったことがないのですが、今は目が悪くなくても眼鏡を買う時代になったと聞きますが・・・

そうですね。
確かに目が悪い人だけが眼鏡を買うという時代ではなくなったと思います。
考えられる理由はおおまかには二つ。
ファッションとしての伊達眼鏡や機能性眼鏡と呼ばれるPC用レンズなどの普及です。
当社で言えば「オンデーズPC」ですね。
そこは視力関係なく需要が見込めます。
視力補正器具としての眼鏡だけからこちらの用途を満たす眼鏡の使用が増えていっているのは確かですね。
当然、眼鏡ですので視力補正器具としての比率が高いですが、年々、眼鏡市場が拡大している背景、理由にはそこが大きいです。
以前の高価な眼鏡から、当社のようなシンプルプライスの眼鏡が増えたのも影響していると思います。
ライフスタイルやファッションに合わせて気軽に楽しむといった位置づけに眼鏡の存在が変わってきているのかもしれないですね。

>オンデーズの登場でシンガポールの眼鏡文化は変わったと?

シンガポールの眼鏡文化、市場に横穴は開けられたと感じています。
これまでの眼鏡店が悪いといったことではないんです。
老舗ブランド、例えばレイバンやグッチなどの高級ブランドの眼鏡がお好きな方も多いですし、当社の商品と両方愛好して下さっている方もたくさんいらっしゃいます。小売業を営むにあたって一番大切なのは、
「お客様に価値ある選択肢を増やしていくこと」
と考えているのでその点では新しい価値観をこの業界、市場に提供できたのではないでしょうか。

>今後目指される姿は?

オンデーズを必要としているお客様がいるエリアにどんどん増やしていきたいです。
決して派手な商売ではありません。
地道に頑張って、教育して、フィードバックをいただいて、また改善しての繰り返し。
当社の現在の位置づけはいわゆる眼鏡のファストファッションですが、それ以上の価値をお客様に感じていただけるようになりたいです。
価格の安さだけではもう弱い時代になっています。
安くて、サービスもよくて、品質にも満足できて、初めて成り立つ時代に小売業界、サービス業界はきています。
知ってしまった、気付いてしまったお客様の要望レベルはあがっていく一方、そしてそれに応えていくのも簡単なことではありませんが、これこそ当社の腕の見せ所。
この風潮も悪くないなと思っています。
驚きや、品質、新しい価値の創造、それにはやっぱり「人」、ここが永遠の課題ですね。
終わりがないこの課題に常に全力で立ち向かっていきます。

―取材後、初めての眼鏡をオーチャードエリアにあるオンデーズにて購入させていただきました。
はじめての体験、しかも海外での接客に緊張しましたが、とても明るく親切なスタッフの方に対応していただきファースト眼鏡を無事に獲得。
以前から欲しかったPCレンズ「オンデーズPC」です。

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本当に20分での納品?!と疑っていた私でしたが、謝らせて下さい!
写真の通り、20分を切るスピーディさで手元に。 こんなに気軽に購入できるなんて驚きです。

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視力のよい私が自分のライフスタイルに眼鏡を加える日が訪れようとは。
お恥ずかしながら眼鏡姿の評判も上々、服に合わせてもう1本あってもいいよな~?と。
オンデーズさんのおっしゃる新しい価値の提供が理解できたように思います。

次回、後編は、
【日本の有望ブランドを世界へ】オンデーズの提供する海外展開支援、「Japanese Soba Noodles 蔦」大西祐貴さんと共に
と題してお送りいたします。
話題の世界初、ラーメン店でミシュラン一つ星を獲得の「Japanese Soba Noodles 蔦」、オンデーズさんがなんとシンガポール進出支援をなさっていたんです。
進出準備からオープン後の現在までについて語っていだきました!
ご期待下さい。

  • 株式会社オンデーズ

https://www.owndays.com/jp/ja/

  • 株式会社オンデーズ 公式Facebook

https://www.facebook.com/owndays/

この記事を書いた人(著者情報)

教えてASEAN事務局

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