ここからは、インドチャイナ店のデザインを担当したデザイナーの鈴木さんに、”場の発酵”について詳しくお話を伺います。
今回”Place Fermentation(場の発酵)”というコンセプトのもと、お店のデザインを担当させていただきました。
そもそも発酵とはなんぞや、と思いますよね。
実はここ2年くらい、移動式八百屋「青果ミコト屋」(本拠地は神奈川県横浜市)で販売するみそ仕込みを手伝うため、甲府にある「五味醤油」(山梨県甲府市)さんに伺わせてもらっています。
また、千葉の「寺田本家」(千葉県香取郡)さんや、郡山の「仁井田本家」(福島県郡山市)さんなどの日本酒の酒蔵へ遊びに行かせてもらっていることもあり、いつの間にか個人的に”発酵文化”が身近になっています。
僕の浅はかな知識ではありますが、みそ、日本酒やパンなどは、”健康な材料””元気な菌””ナイスな作り手”、そして”時間”という4つの要素、全てがそろっていないと、うまく発酵せず、良いみそや日本酒にならないと考えています。
ここから着想を得て、4つの要素が絶妙なバランスで整いミックスされたとき、場(空間・お店)は発酵する(=お客様・スタッフ・空間がうまく調和して、それぞれにとって素晴らしい環境になる)のではないか?と考えました。
まずお店全体の空間要素として
1.ベトナム(Vietnam)
2.日本(Japan)
3.屋内空間(Indoor)
4.屋外空間(Outdoor)
を抽出しました。
渡越して街中を散歩していると、いつも思っていたことがあります。
それは、ベトナム人は屋内でもない屋外でもない、中間領域の使い方がうまいなぁ、ということです。
例えば、交差点でパラソルを広げながらバインミー(ベトナム風サンドイッチ)を売っているおばちゃん。
はたから見たら完全に屋外なのですが、パラソルを差すことで屋内要素が追加されます。
しかも、そこで小さないすに座りながら食べる若者。
このような風景って、すごく町を豊かにしていると思います。
そんな”中間領域”を、今回表現しているつもりです。
そして、店舗をデザインする上で、重要なマテリアルとして
1.伝統的な材料(Traditional material)→レンガ
2.革新的な材料(Inovative material)→廃プラスチック建材
3.持続可能な材料(Sustainable material)→廃ボトルを練り込んだテラゾー(大理石のような美しい模様に仕上げた人造石)
4.自然の材料(Natural material)→藍染
で表現しました。
藍染はハノイ北部のサパにある少数民族が昔からつないできた伝統的な技術を用い、表現してもらいました。
これは、ハノイにてその技法を使い、藍染を絶やさぬ様にしている方に偶然出会ったからできたものです。
来年には1階の拡張計画があるため、より今回のコンセプトを体現できるようなお店になると思います!!!
将来、お客様やスタッフが一体となって、”場の発酵” が起きると僕は信じています。
こちらの新店舗はベトナムのトラディショナルな素材を使いながら、日本人らしいこだわりやPizza 4P’sの目指す方向性を示しています。
日中は大きな窓から外の光が差し込み、夜はライトアップされた川辺を一望できます。
もちろん、お食事やサービスは既存店と同様のクオリティーを楽しめます。
ダナン1号店のホアンバントゥ店と比べると、明るく広々とした店内に藍色で落ち着いた雰囲気を感じられるので、ゆったりと食事をしたい方におすすめです。
■Pizza 4P’s
・Indochina店
住所:Indochina Riverside Towers, 2nd Floor, 74 Bach Dang Street, Hai Chau District, Da Nang
営業時間:平日10:00~22:00(L.O.21:30)、土日9:00~
・Hoang Van Thu店
住所:8 Hoang Van Thu Street, Hai Chau District, Da Nang
営業時間:月曜~木曜10:00~22:00(L.O.21:30)、金曜~22:30(L.O.22:00)、土日9:00~22:30(L.O.22:00)
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