タイ政府は4段階に分けて徐々に規制を緩和していきました。
本来ならば、歓楽街のバーやパブなどは最終段階の第4フェーズに含まれていたはずですが、その第4フェーズの規制緩和が行われたとき(※2)は含まれず、7月になっての解除となりました。
(※2)編集部注:第4フェーズの規制緩和は6月15日から実施されました
解除がずれ込んだ理由として、最も濃厚接触が懸念されるジャンルであるため、飲食店関係とは同列にできなかったことと、連日クラスターが発生している日本の歌舞伎町(東京都新宿区)の様子をタイでもニュースで伝えられていたことを受け、タイ政府がさらにこのカテゴリーについて慎重になったと言われています。
バンコクの歓楽街として有名なソイカウボーイは、ネオンがあまりついておらず、営業している店舗はごくわずかでした。
露天が道いっぱいに出て観光客にも人気があり、夜は最も賑わうエリアと言っても過言ではないパッポン通りは真っ暗でした。
今後あの賑やかな通りに戻るのか現段階ではとても考えられない状況です。
他のエリアの歓楽街も同じように明かりが少なかったです。
このような光景を見ると、タイ経済全体に対する不安を感じます。
歓楽街の店舗に営業再開許可が出ても新型コロナの爪痕は大きく、オープンできずにいる店舗が多くあります。
特に家賃の支払いがネックで、規制期間に家賃を待ってもらったり、値引きしてもらったりしている店舗も多くありましたが、これは大家によって対応が違うので、通常通りに家賃を請求された店舗はかなりの窮地に追い込まれています。
また、タイは仏教国であるため、平常時でもお酒に対する規制を厳しく行います。
メディアにお酒を露出させることも、飲酒を勧める広告も全て法律で禁止されています。
感染拡大防止対策でお酒を提供できない期間(※3)が長くなったのもタイでは当然のことと言えます。
(※3)編集部注:タイでは4月10日~5月2日、アルコールの販売が禁止されていました
観光立国であるタイにとっては、観光業を回復させることが急務となりますが、新型コロナ第2波の危険性を考えると容易に海外からの観光客の受け入れはできません。
トラベルバブル(※4)協定の話もネットで見かけますが、まだ具体的に進められる段階ではなさそうです。
(※4)編集部注:トラベルバブルとは、協定を結んだ近隣の国・地域間で隔離期間なしに旅行客が自由に移動できるという構想です
急務ながらも、なかなか進まないタイの観光業の復活。
飲食などさまざまな業界に影響してきますので、ニューノーマルにおける顧客の呼び込みをどう展開していくか、今後も政府の方針や新型コロナウイルス対策について注視していく必要があります。
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