さて⽇本のベーカリーはどうだろうか。
先に答えを言うと、⽇本⼈はもちろん、シンガポール⼈、外国⼈で賑わいを⾒せている。
⽇本に100店舗展開するDONQ(ドンク)はシンガポールTakashimayaに2012年進出。
そのドンクと、フランス⼈パン職⼈ローラン・ジョアン⽒が⽴ち上げたブランド、Johan ParisはIsetan Singaporeに店舗を構えている。
これらのベーカリーでは、バゲットやカンパーニュ、サワードウ、⾷パン、そして⽇本でも⼈気がある明太⼦パンといった惣菜パンを販売している。
他にも、軽井沢ブランドで⼈気のブランジェ浅野屋は、シンガポール在住の⽇本⼈がよく⾜を運ぶオーチャードロードのショッピングセンター「PARAGON」内を含め、島内で3店舗を展開。
北海道のPullman Bakeryは、ショッピングエリアMillenia Walkや、日系企業が多く集まるTanjong Pagar駅にある人気のショッピングモール100AM (店内にはドン・キホーテ、ダイソー、PARCOが提供する日本食レストランなどが入居)を始め、島内に3店舗を展開。
シンガポール人の間では「カレーパン2.5ドル(約196円)」が美味と噂になっている。
欧⽶⼈が多く住むエリアHolland VillageのRaffles Holland V mallにあるProvenceは、その界隈に居住する外国人やシンガポール人の間ではパン生地がおいしいと話題になっている。
酒種をつかった食パン、惣菜パンや“こしあんパン”“あんパン”、シナモンロール、ウォールナッツパンなど、さまざまな種類がそろう。
パンのサイズは割と小ぶりだが食べ応えは充分。
いくつかのパンは5~6個くらいにまとめて販売しているので、家族用や2~3日分としても買いやすい。
イートインスペースがあるので、購入したパンをその場で楽しむことも可能だ。
また日本人が経営する個人ベーカリーで、日本人駐在員や現地の日本語媒体などで紹介され注目を集めているのが Fine Dining Bakery。
日本人駐在員が多く居住するRiver Valleyのコンドミニアム「UE SQUARE」に併設する店舗施設にある。
特に食パン「FLUFFY SHOKUPAN」が人気で、柔らかいもちもちの食パンは昼前までに完売してしまう。
日系の各店舗に共通して⾔えるのは、若⼲⾼めのホールブレッド(例:カンパーニュ、サワードウなど)は、買いやすいように2分の1サイズで販売するなど、日本人らしい細やかな配慮を感じられる。
「⽇本のパンは、柔らかくて⽣地そのものがおいしい」というシンガポール⼈の感想をよく⽿にする。
以前筆者は、⽇本のパンを⾷べたことがないというシンガポール⼈に、Johan Parisで購⼊した惣菜パンや⾷パンを手土産にしたことがある。
そのシンガポール⼈は、その場で⾷パンを半分平らげてしまった。
「欧⽶のパンもおいしいが、⽇本のパンがこんなにソフトでおいしいとは思わなかった」と⾔っていた。
また、⽇本に旅⾏をした友⼈のシンガポール⼈が、そのおいしさからたくさんのパンを購⼊して戻ってきたことがある。
理由は「こんなに柔らかくて味がしっかりしたパンは、シンガポールでは⾒つからないから」だった。
最近では、世界でも名が知られているMaison KayserやPAULをはじめとする欧州系の他、アジアからも外資系ベーカリー企業が進出し店舗をオープンしている。
例えば台湾からは、ベーカリーのワールドカップ、Coupe Du Monde Boulangerieで賞を獲得しているWu Pao Chun(吳寶春)がシンガポールの中心地City Hall 駅に直結している高級ショッピングモールCapitol Singaporeにフラッグショップを構えている。
賞を獲得した人気のパンLychee Rose Royale(ライチローズパン)とRed Wine Longan (赤ワインとロンガンパン)が好評だ。
このようにシンガポールには、世界で話題のベーカリーが進出していたり、外国の技術を取り入れオーガニック製品など素材にもこだわったおいしいパンを提供したり、個人店から大手まで話題のベーカリーがよりどりみどりになってきた。
パン好きや、グルメにはうれしい環境が整いつつある。
⽇本の⾼級⾷パンブームのように、シンガポールにも個性が強いベーカリーがますます増え、話題を提供してくれることを楽しみにしている。
※1シンガポールドル=約78.25円で換算
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