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【タイ仕掛人インタビュー】タイ加工食品等の輸出入販売業「アライド・コーポレーション」代表、氏家勇祐さん

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日本人にも大人気のタイの加工食材を日本に輸出し、
一方で日本からは新鮮な青果や水産物などをタイ市場に安価で供給する――。
そんな日タイ相互の台所に貢献する事業を行っている日本企業があるのをご存じだろうか。
1976年創業の食材輸出入販売業「アライド・コーポレーション」(横浜市)。
日本の農水省が進める日本食品の販売促進事業の任命事業者にも選定され、両国間の輸出入の拡大にも一役買っている。
現在のグループ年商は37億円。
5年後には100億円超えを目指す。
若き代表取締役、氏家勇祐さん(45)に話しを聞いた。

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Q:どんな事業を行っていますか。

A:グリーンカレーセットやトムヤムクンセット、タイ春雨サラダセット、タイ鶏肉のバジル炒めセットといった日本人が好むタイ料理をラインナップしたオリジナルブランド「タイの台所」シリーズなどの加工食品の製造・日本向け輸出が第一の柱です。
これに加えて近年は、付加価値の高い日本産の青果や野菜、水産物をタイの飲食店やご家庭にお届けする食品輸出入事業にも重点を注いでいます。

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これまでに開発した加工食品は100種類以上に上っています。
タイ側の体制も整える必要があり、2004年には事実上のバンコク支店となるタイ法人「バンコク・フード・システム」を開設しました。
わずか4人のスタッフで始まったタイ支店の陣容も現在では100人超となり、食原材料の仕入先も100社を優に超えるようになりました。
バンコク近郊に大型の工場を持ち、ここでオリジナルブランドのほか、日本の大手小売企業の求めに応じた特注商品の開発製造を行っています。

この間、お陰様で業績も堅調に推移しました。
私が舵取りを担って以降の04年時点のグループ年商6億9400万円は10年後には5倍強となり、今年は6倍強の44億円が見込まれています。
100億円超えが当面の目標です。

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福島県の内堀雅雄知事(左から2人目)を表敬訪問。復興にも役立っている。

Q:日本産の青果や野菜、水産物の輸出入事業というのは何ですか。

A:日本には、品質的にも味覚としても世界に誇ることのできる素晴らしい伝統的な食材が豊富にあります。
ただ、残念なことに日本市場は人口減などから縮小が見込まれており、今後は活路を海外に求めなければなりません。
しかしながら、輸送費や人件費等を加えたこれまでの海外での販売価格は目の飛び出るような高額ばかりで、これでは外国の人たちに受け入れていただくことはできません。

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そこで私は、日本の本社とタイの支店とで商品を一元管理し、
一気通貫で自己完結できる仕組みを作りあげました。
青果・野菜にしても水産物にしても、生産農家や大卸などから直接仕入れを行い、中間コストをできる限り削減します。
タイへの輸出も自社内で完結。
タイ支店では荷を受け、品質管理から流通、販売、宣伝までを責任を持って行います。

輸送方法の見直しも行いました。
従来、青果物の輸出は水産物と同様、空輸がその中心を占めていました。
しかしながら、単価の安い野菜などに航空代金を加算しますと、販売価格はそれだけで何倍にも膨れ上がります。
これでは到底購入はしてもらえません。
そこで私は、日本郵船グループの窒素ガスコンテナを活用。
青果物を「冬眠状態」にさせることで海上輸送でも遜色ない鮮度を保つことに成功しました。
これによりタイで1個1200円で売られていた日本産の桃を280円にまで引き下げることを実現させたのです。

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タイでは頻繁に商談会や展示会に参加。良質な日本食材を紹介している。

Q:日本の食材輸出にそこまで尽力する狙いは何ですか。

A:タイの市場が本物の日本食材を求めるようになっていることが挙げられます。
ビザ(査証)の緩和など今では多くのタイ人が日本を旅行するようになりました。
そこで目にし、口にした本物の日本。
同じものをタイにいて食べたいと思うのは自然の流れでしょう。
これまでも日本食材はありましたが、先述したようにどれも価格が高い。
そこにビジネスのチャンスがあると判断したのです。

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もう一つ、日本食といいながら、実際は日本産の食材があまり使われていないという実態に違和感を感じたこともあります。
例えば、現在タイでは年間3500億円の水産物が海外から輸入されていますが、このうち日本産はわずか280億円程度。
それも、そのうち160-170億円が缶詰用で、ほとんど日本産の魚が食卓に上っていない実情が浮き彫りとなったのです。

ならば、私たちの手で日本産の本物の水産物をタイのご家庭にお届けしようということになり、これらの輸出入事業にも着手することにしたのです。
昨年11月のことです。
日本では築地大卸の一つ、中央魚類株式会社にお世話になっています。

大卸から直接仕入れることで大幅なコストの削減に成功。
さらには輸送タイムの短縮にもつながりました。
今では最短で大卸が出荷した同じ日に、バンコクの飲食店などにお届けすることが可能となっています。

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タイ支店オフィスの様子。力強い社員たちが戦力となっている。
この記事を書いた人(著者情報)

kobori

2011年11月、タイ・バンコクに意を決して単身渡った元新聞記者。東京新聞(中日新聞東京本社)、テレビ朝日で社会部に所属。警視庁記者クラブで2・4課担当を通算4年経験。銀行破綻などの各種金融事件、阪神大震災、オウム真理教事件などの取材にも当たった。事件記者出身だが、取材対象は政治・経済、社会、科学、文化までなんでも。日本の新聞、雑誌、タイのフリーペーパーやウェブサイトなどでも執筆中。著述、講演多数。

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