すでにお伝えしましたが、サーモンメンタイはインドネシアで大トレンドとなりました。
この国で大きなフードトレンドとなるには、「安さ」が非常に重要です。
サーモンメンタイの相場は1食3万~5万 ルピア(約228~380円)。
蛇足ですが、これでも一般的なインドネシア人の感覚からすれば少し高いです。
しかしこの「少し高い」くらいが、「いつもより奮発した食事」としていいあんばいだったりします。
さて、インドネシアをよく知る人ならばこの価格帯を見て違和感を覚えたはずです。
「え?明太子入れてこの値段で提供できるの?」と。
インドネシアではサーモンも決して安くはありません。
それでも、多くの人から好まれるサーモンは流通量が多く、大量仕入れである程度コストを抑えることができるかもしれません。
しかし需要の少ない明太子は事情が違います。
仮に生の明太子をスーパーマーケットで購入する場合、日本の倍近い値段を覚悟せねばなりません。
輸入物の明太子ペーストを使った場合も、生の明太子よりは安いですがそれなりの値段がします。
乱暴な表現をすれば、「明太子はインドネシアでは庶民の食べ物ではない」のです。
ところが、サーモンメンタイは手頃な価格で一般的なインドネシア人に大人気。
なぜか?
それは「とびっこ」を使っているからです。
人気店のサーモンメンタイを食べても明太子の味はしません。
それもそのはず。
サーモンメンタイのレシピをインドネシア語で探すと、ほぼ全てのレシピで「とびっこ」を使用しています(※)。
==
(※)インドネシアでとびっこは高くありません。
原料のトビウオが近海で取れるからでしょう。
ちなみに……独断と偏見ですが、インドネシア人はとびっこのすしが好きです。
==
分量はさておき、以下を混ぜればインドネシア流メンタイソースの出来上がりです。
・マヨネーズ
・トマトケチャップ
・サンバルソース(インドネシアにおけるチリソースの総称)
・とびっこ
多くのインドネシア人は「明太子」を知る前にインドネシア流の「メンタイソース」を知ったのです。
ちなみに、このサーモンメンタイ、
誤解を恐れずに書きますが、多くのインドネシア人が「日本からきた日本食」だと思っています。
筆者は日本人ということで
「サーモンメンタイやっぱ好きなの?」
とか
「本場のサーモンメンタイ作ってよ!」
さらに
「いつか日本のサーモンメンタイを食べてみたい……」
とか言われたことがあります。
まあ、でも料理なんてそんなものだと思います。
日本にも「洋食だと思ってたけど……、実は食べているのは日本人だけだった……」という料理は山のようにありますからね。
ちなみに「ドリア」は日本発祥の料理です。
そういう意味ではドリアに似ているサーモンメンタイも、遠い日本食の親戚と呼べるのかもしれません(味は全然違います)。
ということで日本からインドネシアを訪れる機会があれば、ぜひサーモンメンタイにトライしてみてください。
蛇足ですが……、
ここまで書いておいて申し訳ないのですが、筆者はあまり得意な味ではありません(笑)。
どうもマヨネーズとケチャップの味が強すぎて、ジャンクフードな感が否めません……。
あしからず。
※1インドネシアルピア=0.0076円で換算
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