タイのローカルレストランには、日本にはない独特のルールやサービスがあります。
その中には、日系店舗が海外進出する際、事前に知っておくと役立つ知識や店舗づくりの参考になる情報もあります!
日本人は、タイのレストランでどのような点に違和感を覚え、日系店舗にどのようなサービスを求めているのでしょうか?
この記事ではタイの飲食店ならではのルールをヒントに、日系飲食店が進出する際、参考にしてほしい取り組みをまとめました。
まず、タイではお水が有料。
ローカルな食堂ではテーブルの上に無料の水がピッチャーで用意されていることもありますが、チェーン店や少しグレードの高いレストランでは飲料水は有料です。
氷だけでお金を取るお店もあり、浄化水(ドリンキングウォーター)とエビアンなどのナチュラルミネラルウォーターで価格設定が異なるため、高級店に入るとお水だけで結構な料金になることも……。
そんな中、一部の日系店で見られるリフィル(飲み放題)の緑茶や麦茶は、とてもうれしい選択肢です。
日本ではドリンクバーを導入している店舗が多いですが、タイのリフィルは最初に注文したドリンク1種類のみが飲み放題になるというもの。
グラスが空になると店員さんが注ぎ足してくれます。
ただ、リフィルできるドリンクの選択肢がコーラやレモンティーなど砂糖の入った飲み物ばかりで、健康を気にする人には好ましくありません。
日系飲食店がタイに進出する際には、日本の「お冷」文化をそのまま持ち込むだけでも喜ばれそうですが、リフィル式という選択肢も参考にメニュー作りを行ってみると良さそうですね。
タイは法令で禁煙が強化されており、エアコンの付いている室内でタバコを吸うと罰金を科せられます。
日本のような分煙方式は存在しない完全禁煙の文化のためか、オープンエアーの席でも周囲に人がいる場所で喫煙する人は多くありません。
しかし、さまざまな国の人が行き交う都市部では、日本ほどマナーが守られているとは限りません。
タイに進出する日系飲食店には、屋外に分かりやすく喫煙エリアを設置するなど、日本らしい「気配り」が望まれています。
タイでの子育ての「あるある」ですが、赤ちゃん連れで外食中、パパやママもゆっくり食事できるようにと、手の空いてる店員さんが積極的に子守りをしてくれます。
当然のように抱っこして、目に見える場所をウロウロ歩きながらあやしてくれるので、短時間でも食事をきちんと味わうことができ、子育て中は本当に助かるサービスです。
ただ、日本人からすると、見ず知らずの人に我が子を抱っこさせるのは少し抵抗がありますよね……。
また、感染症対策の観点から、子どもを寝かせられる座敷席や小さなキッズゾーンなど、店員さんに代わる店舗側の配慮があれば……というのがお客様のニーズ。
日系飲食店がタイに進出する際には、親もゆっくりと食事を楽しめる環境づくりに力を入れてほしいです。
→日本とタイの食事マナーの違いにも驚くことがあります。
ローカル店に行くと、メニューと一緒にメモ紙とボールペンを渡されることがあります。
これは、お客様が選んだメニューを紙に書いて店員に渡し、オーダーするシステムです。
タイ語の読み書きができる前提の注文方法なので、外国人の多いレストランで見ることはありませんが、店員の手間が省けてオーダーミスも起こりづらく、合理的だと感じます。
一方で、非接触が求められる昨今、タイでも紙のメニューを置かずにQRコードを読み取ってスマホで料理を確認できるお店が増えてきました。
スマホの画面で料理画像や日本語付きのメニューを見て、そのままオーダー&会計できるDXは、今後バンコクの日系店舗から普及していきそうな取り組みです。
タイ東北部のイサーン料理をはじめ、ローカルレストランや一部の食堂では、テーブルにつくと無料で付け合わせの生野菜を提供してくれます。
これも東南アジアならではのうれしいサービスです。
外食が続くと野菜が不足しがち……、かと言って1人でサラダを別注文するのも……と悩んでいるとき、キャベツやキュウリの付け合わせがあると、ほっとします。
実際には料理がとても辛いので、舌をクールダウンさせたいときに大活躍。
ところ変われば飲食店のルールも変わりますが、ローカルルールの中には日系飲食店がタイに進出する際に参考になる情報もたくさん隠れています。
日系らしいブラッシュアップを付加価値として、店舗戦略を立ててみてはいかがでしょうか?
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