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【フィリピン】食事はもちろんスイーツも!世界屈指の米消費大国

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フィリピンは世界屈指の米消費大国です。
「寝ても覚めてもとにかくお米」というほど、食事でお米は欠かせません。

日本の食文化のように、おかずと一緒に食べるのはもちろん、もち米を使ったスイーツもあります。

そこで今回は、お米を使ったフィリピンの定番料理を紹介します。

フィリピン人はどんなときにお米を食べる?



日本で販売されているお米は2019 年8月時点で1kg402円(※1)となっていますが、フィリピンでは2019 年10月時点で1kg約42ペソ(約92円)ととても安価で購入できます。

フィリピン人の低所得者層にとってもそれほど高価ではないため、朝食・昼食・夕食に加え、おやつとしても食べられています。

(※1)編集部注:日本のスーパーなどでは、お米は5kg単位での販売となるため、全POS取引平均販売価格5kg2,010円を、1kg単位で比較できるよう概算したもの。

 

日本ではパンや麺類も主食として愛食されていますが、お米の消費量が多いフィリピンではどうかというと、おやつやおかずとして食べられることがほとんどです。
パンや麺類を食べるときには、必ずと言っていいほどお米を一緒に食べています。

お米を使ったスイーツの種類も豊富なので、必然、日本よりも消費量が多くなるのです。

出典:農林水産省「米に関するマンスリーレポート(令和元年10月号)」
出典:JETRO「世界最大のコメ輸入国へ、小売価格は18.6%減」(2019年11月)

日本とフィリピンのお米の消費量

フィリピン人はどのくらいお米を消費しているのでしょうか。
下の表は、少し古いですが農林水産省の広報誌『aff(あふ)2016年1月号』の特集1「米」で掲載されていた、世界の1年間の米生産量・消費量ランキングです。

世界の米生産量・消費量ランキング
出典:農林水産省『aff(あふ)2016年1月号 特集1「米」の「[WORLD]生産量と消費量で見る世界の米事情」』

日本の米の生産量は781万6000トン(世界第10位)、消費量は796万6000トン(第9位)です。
消費量の方が15万トン上回っています。

一方のフィリピンは、生産量が年間1191万5000トン(世界第8位)、消費量が1320万トン(第6位)。
消費量が128万5000トン上回っています。

 

総人口では日本の1億2507万人に対し、フィリピンは約1億903万人と約1600万人少ないにもかかわらず、消費量は約1.7倍も多い計算です。

次に、1人当たりの年間消費量を比較します。
こちらも2015年と少し古いデータですが、日本の54.6kgに対し、フィリピンでは112.3kgと2倍以上の消費量となっていることから、米消費大国と言えるでしょう。

出典:外務省「フィリピン基礎データ(2020年)」
出典:総務省統計局「人口推計(2021年9月確定値)」
出典:農林水産省「平成28年度版日本産コメ・コメ加工品輸出ハンドブック」

日本米とフィリピン米の違い

日本とフィリピンでは水や土、天候による環境に加え、国民の好みが異なるため作っている稲の種類が異なります。

日本と比べてフィリピンのお米は「つやがない」「甘みがない」「粘り気がなくパラパラな食感」が特徴です。

これだけ聞くとネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、チャーハンやピラフ、パエリアなどを作る際に便利なお米というとイメージが湧きやすいかもしれませんね。

もち米や外国人向けの高価な輸入米を除き、市場で販売されている安価なフィリピン米の中には「つやがある」「もちもちしている」「粘り気がある」ものも一部あります。

しかし、家庭やローカルレストランでは、フィリピン人が好む「粘り気がなくパラパラな食感」のお米が出てくるのが一般的です。

フィリピンの米料理とは?

冒頭でもお伝えしたように、フィリピンにはたくさんのお米料理が存在します。
ここでは、フィリピンの代表的なお米料理を「食事系」「スイーツ」の2つに分けて紹介していきます。

 

各カテゴリーの主なお米料理は下記です。

《食事系》
①Puso(プソ)
②Lugaw(ルーガオ)
③Aruscaldo(アロスカルド)
④Champorado(チャンポラード)

スイーツ》
⑤Biko(ビコ)
⑥Toron Malagkit(トロン マラギット)
⑦Suman(スーマン)
⑧Muron(ムロン)
⑨Bingka(ビンカ)

※地域によっては食材・作り方・見た目が若干異なる場合がありますが、一般的な料理の特徴を紹介しています。

食事系①プソ

「プソ」は、粘り気のないパサパサしたお米を使ったフィリピン流のシンプルおにぎりです。
ココナツの葉をひし形に編んだものの中に生のお米を詰め、少量の水が入った鍋で炊いて作ります。
屋台(ストリートフード)で食べることが一般的です。

お米には一切粘り気はないですが、ココナツの葉の中にぎゅうぎゅうに詰められているため、おにぎりのように手で持って食べることができます。
スプーンやフォークを使わない屋台に適した料理といえます。

【食べるシチュエーション】
・おかずと一緒に食事として

食事系②ルーガオ

Lugaw(ルーガオ)

「ルーガオ」は見た目も味も日本とそっくりなお粥(かゆ)です。
シンプルに塩をかけるのが一般的ですが、砂糖とミルクを加えて甘くして食べる場合もあります。

【食べるシチュエーション】
・風邪や体調が悪い時
・朝食、昼食、夕食
・日常のおやつとして

食事系③アロスカルド

Aruscaldo(アロスカルド)

「アロスカルド」は塩味のあるお粥です。
炒めたニンニク・タマネギ・ニンジン・鶏肉を混ぜたお粥で、ネギ・ゆで卵・黒コショウをトッピングします。

【食べるシチュエーション】
・朝食
・日常のおやつ

食事系④チャンポラード

Champorado(チャンポラード)

「チャンポラード」はTABLEYA(タブレヤ)という甘味のないダークチョコレートと、砂糖を加えたほんのり甘いお粥です。

牛乳やパウダーミルク、コンデンスミルクをかけてさらに甘くする人もいれば、塩味の強い魚の干物を油で揚げたものをかじりながら、甘さとしょっぱさを交互に味わって食べる人もいます。

【食べるシチュエーション】
・朝食
・日常のおやつ

 

ここからは、お米を使ったフィリピンスイーツを紹介していきます。

スイーツ⑤ ビコ

「ビコ」はほんのり甘い、もち米スイーツです。
炊いたもち米に沸騰させたココナツミルクとブラウンシュガーを混ぜ合わせて、甘みを足したものです。
ピーナツをミックスさせるとカリカリした食感も加わり、飽きずにたくさん食べられます。

【食べるシチュエーション】
・クリスマス、お正月、誕生日などのイベント時
・日常のおやつ

スイーツ⑥トロン マラギット

Toron Malagkit(トロン マラギット)

「トロン マラギット」はもち米を使った春巻きスイーツです。
炊いたもち米に砂糖を混ぜ、春巻きの皮に包んで揚げます。
そして、カラメルシュガーでコーティングしたり、パウダーシュガーをまぶしたりして仕上げます。

味付けは砂糖だけというシンプルなもち米以外にも、
・ブコパンダン味(パンダンリーフという緑色の植物を使用して、ほんのり甘い香りを付ける。味はない)
・ウベ味(甘みの少ない紫芋を使用し、粘り気が強い。鮮やかな紫色が特徴)
・ビコ味(ココナツ味)
も人気です。

【食べるシチュエーション】
・日常のおやつ

スイーツ⑦スーマン

Suman(スーマン)

「スーマン」はお米の食感を残した棒状のもち米スイーツです。炊いたもち米をバナナの葉で包んで棒状にし、ココナツミルクと砂糖でゆでてフレーバーを付けます。

・ココナツミルクフレーバー
・ココナツミルクフレーバー+溶かしたタブレヤ(チョコレート※2)
のスーマンもあります。

(※2)編集部注:棒状の半分がココナツミルクフレーバーで、残りの半分がタブレヤフレーバー。

 

【食べるシチュエーション】
・クリスマス、お正月、誕生日などのイベント時
・日常のおやつ

スイーツ⑧ムロン

Muron(ムロン)

「ムロン」は、ぷるんとした食感の棒状もち米スイーツです。
見た目や材料はスーマンとあまり変わりはありませんが、炊いたもち米をミキサーのようなもので細かく砕くため、ぷるんとした食感が特徴です。

スーマン同様に
・ココナツミルクフレーバー
・ココナツミルクフレーバー+溶かしたタブレヤ(チョコレート)
のムロンがあります。

【食べるシチュエーション】
・クリスマス、お正月、誕生日などのイベント時
・日常のおやつ

スイーツ⑨ビンカ

Bingka(ビンカ)

「ビンカ」は蒸しパンのような見た目ですがずっしり重く、ほんのり甘いもち米スイーツです。
もち米粉とココナツミルク、砂糖を加えた生地をバナナの葉で包んで焼いたものです。

【食べるシチュエーション】
・クリスマス、お正月、誕生日などのイベント時
・日常のおやつ
・朝食

まとめ

今回は、お米を使ったフィリピンの定番料理を紹介しました。

日本では食の欧米化が進み、米の消費量が年々減少していますが、フィリピンでは変わりゆく歴史の中でも「米愛」が根強いため、今後も米文化は続いていくことでしょう。

参考:農林水産省「年間1人当たりの米の消費量をおしえてください。」

※1フィリピンペソ=約2.2円で換算



この記事を書いた人(著者情報)

越後 ジェニ

語学留学、国際結婚、海外移住とフィリピンに関わる暮らしをしているフリーライター。趣味は旅行で、これまでに訪れたフィリピンの島々は50以上。
インバウンド、旅行、留学、海外移住、生活雑貨関連の記事を多く執筆しています。

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