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【タイ】フードデリバリー天国!タイで人気の配達アプリ3社を調査

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コロナ禍で急速に普及したフードデリバリーサービス。

 

東京など都心部では、Uber Eatsの自転車配達員を目にする機会が多いのではないでしょうか?

 

タイも同様です。

新型コロナ流行前から、フードデリバリーサービスが徐々に登場してきたタイ。

外食が習慣となっているタイ人にとっては「日中、炎天下に買い出しに行かなくていい」「配達料が安い」「雨でも自宅で待っていればご飯が届く」と、その便利さと手軽さから利用者が増えています。

そしてコロナ禍の外出自粛や店内飲食禁止によって、フードデリバリーの需要が爆発的に拡大。

タイのフードデリバリー事情
街中の至る所で目にするデリバリーのバイク


「スマホにデリバリーアプリが入っていない人の方が少ないのでは?」というのがタイに住む私の実感です。

今回は、タイでの出店を考えている方に向け、デリバリー事情と特に人気がある3つのデリバリーアプリを紹介します。

タイのフードデリバリー事情

フードデリバリーの需要の多いバンコクを中心に2018年頃からサービスが登場し、新型コロナウイルスの拡大直後である2020年頃は6~7サービスが利用されていました。

2022年現在は大手サービスにシェアが集約され、GradFood、foodpanda、LINE  MANの3つが、主だったフードデリバリーサービスとなっています。

タイで人気のフードデリバリーアプリ調査
出典:Statista「Most popular food delivery apps in Thailand as of August 2021

楽天インサイトが2021年8月に実施した調査によれば(ドイツ発の世界最大級の統計データプラットフォーム「Statista」に公開)、タイでは64%がGrabFoodを利用しており、次いでfoodpanda(41%)、LINE MAN(33%)が利用者を獲得しています。

そして、ユーザーがフードデリバリーを活用するメリットは

  • 掲載店舗&メニューが充実
  • 配達料が安く注文のハードルが低い
  • お得なプロモーションが多い

と、大変魅力的。

地域により掲載店舗のカバー率が異なるため、その時いる場所によって複数のアプリを立ち上げ、利用できる飲食店や料金をチェック。

需要の多さに比例して掲載店舗数は増え、チェーン店だけでなく、屋台料理、和食、イタリアン、デザートなどメニューが豊富で、「どのレストランを選べばいいんだ!」と迷ってしまうほどの充実ぶりです。

気になる配達料は、デリバリーサービスによって異なります。
数十バーツ(数十円~数百円)を最安とし距離に応じて価格が高くなる設定の場合や、数km以内という近隣は配達無料というパターンもあります。

最低注文金額のないケースが多く、ドリンク1杯から気軽にデリバリーを利用できます。

店舗側はサービスに支払う手数料を加味し、料理の代金に上乗せしたデリバリー料金を設定していますが、店頭販売価格との差額が数バーツ(30円)程度の店舗もあり、高いと感じさせない工夫が客数・客単価のアップにつながるようです。

実際、日本のUber Eatsでは数百円の配送手数料に加え、「料理の値段+10%」のサービス料や最低注文手数料があるなど、デリバリーは「割高」な印象があります。

これと比較すると、ドリンク1杯に対して、数バーツ(30円)程度の上乗せで、距離によっては配達手数料無料でデリバリーしてくれるなんて!

タイのデリバリーは「手軽でお得」と感じる人も多いのではないでしょうか?

KFC(ケンタッキーフライドチキン)などのチェーン店では、店頭で注文するよりデリバリーを利用した方がお得になることもあります。
というのも、デリバリーサービス側が利用者を増やすために、とってもお得なセットプロモーションを打ち出していて、そのサービスに協賛している飲食店の中には、デリバリーを利用した方がお得になる場合があるのです。
デリバリーサービス側の高い集客効果を期待できるので、飲食店側にもメリットがあります。

一方、利用者の多い大手サービスは、混雑する時間帯にドライバー不足による注文のオートキャンセルが発生したり、雑な配送で料理が型崩れした状態で届いたりとデメリットも。

集客力のある飲食店は、公式LINEから直接注文を受け、スタッフがデリバリーする昔ながらの出前スタイルに切り替えることで、高額な手数料や外部ドライバーを使うリスクを回避しているようです。

主要デリバリーサービスを解説

次に、タイで人気のデリバリーアプリを解説します。

なお、各デリバリーサービスの「掲載店舗数」「配達範囲」の「普通」「少なめ」などは筆者の日常利用による体感を、それぞれの表示内容は同一時刻・位置情報・検索条件(単一メニュー)でGrabFood、foodpanda、LINE MANのデリバリー可能な店舗を検索した結果を基に記載しています。

GrabFood

GrabFood公式サイト

※GrabFood公式サイト
https://food.grab.com/th/en/

対応言語:タイ語・英語
掲載店舗数:普通(15店舗表示)
配達範囲:普通(配達時間45分まで表示

タイのフードデリバリーサービス最大手、日本で言うところのUber Eatsのようなものです。

Grabは2018年、Uber Technologies, Inc.の東南アジア事業を買収。
タイではライドシェアとフードデリバリーいずれの事業からもUberが撤退し、Grabに置き換わりました。

Grabのアプリさえ入れておけば、配車サービス・フードデリバリーのどちらも利用できるため、使う頻度は少なくても登録している人が多いかも知れません。

複数のプロモーションが常に更新されているためfoodpandaと比較しながら利用される傾向にあり、掲載店舗数が多い半面、メニューがタイ語のみのレストランも多く、日本人には難易度が高いと感じるアプリです。

foodpanda

foodpanda公式サイト
foodpanda公式サイト


※foodpanda公式サイト
https://www.foodpanda.co.th/

対応言語:タイ語・英語・日本語
掲載店舗数:少なめ(10店舗表示)
配達範囲:狭い(配達時間30分まで表示

LINE MANと拮抗してシェアを拡大してきたfoodpandaは、大手のデリバリーサービスの中で唯一、日本語に対応しています。

日本からは撤退してしまったfoodpandaですが、タイでは根強い人気です。

配達範囲の設定が狭いため、エリアによっては飲食店の表示数が他のアプリよりも少なめですが、単一メニューで検索して10店舗表示されるので、選択肢としては十分と言えます。

また、ドライバーが担当範囲をきちんと把握していて、タイ語で住所確認の電話が掛かってくることが少ない利点があります。

日本語対応に加え、公式FacebookやInstagramによるプロモーションコードが分かりやすく、「日本人がタイで使いやすいデリバリーアプリはfoodpanda」と考える人が多いようです。

LINE MAN

LINEMANTOP
画像はLINE MAN公式サイトより

※LINE MAN公式サイト
https://lineman.line.me/


対応言語:タイ語・英語
掲載店舗数:とても多い(107店舗表示)
配達範囲:広い(配達時間50分まで表示)

LINE MANは店舗側の手数料が安く、掲載店舗数が最も多いアプリです。

配達料を払えば広範囲からデリバリーしてくれるため、ローカルに人気があります。

LINE公式との連動に加え、サービス利用手数料において、店舗側の負担を低く設定することで加盟店を増やしてきました。

ローカル向けにLINE MANへ掲載する日系飲食店が増え、コロナ禍でデリバリーアプリに慣れた在バンコク日本人は、LINE MANを活用することも多いようです。

ただ、GrabFood、foodpandaと比較すると、アプリの言語設定を英語にしてもタイ語で表示される店舗が多いのが難点。

店舗側がメニューを登録する際に、タイ語のみだと言語設定を変更しても英語で表示されないのです。
LINE MAN側が作成したプロモーションバナーなどの画像も、タイ語表示が多いため、タイ語が読めない人はプロモーションの内容やメニューを理解できないことがあります。

 

フードデリバリー3社のサービス利用手数料

GrabFood 
初期費用:なし
サービス利用手数料:注文額に対して15~30%(+7%VAT※1)

foodpanda 
初期費用:加盟料399バーツ(約1,492円)
サービス利用手数料:月額利用料99バーツ(約370円)、注文額に対して32%
※加盟料および月額利用料は、売上が特定条件を満たす場合免除される
※加盟料およびサービス利用手数料には、別途VATが加算される
※foodpandaには価格保証ポリシーがあり、店頭での通常価格より値上げすることができない
      
LINE MAN 
初期費用:なし 
サービス利用手数料:配達員利用時30%、自社配送時5%(それぞれ+7%VAT)

(※1)VAT(Value Added Tax)とは付加価値税とも呼ばれ、日本の消費税と同様に物やサービスの購買時に課せられる間接税のこと。EUやアジアの国で導入されており、タイでの 税率は7%。

いずれのサービスも注文額の30%程度を手数料として支払うことになります。

foodpandaは店舗側の負担額が最も高く、価格保証ポリシーまであるため、登録前に店頭価格の見直しが必要になりそうです……。

クラウドキッチンなどの店舗を持たないゴーストレストランにとって、フードデリバリーサービスは重要なプラットフォームであり集客ツールでもあります。

ゴーストレストラン側は、この手数料を単なる配送コストではなく、ウェブへの出店料であり、家賃の一部としてとらえる必要がありそうです。

今後のタイへの出店を計画される場合には、デリバリーによる集客を念頭に置いた料金設定が必須事項になるでしょう。

《参照》
GfabFood:#AskGrab: Where does the merchant commission go?
foodpanda:https://www.restaurant.foodpanda.co.th/s/faq?language=th&countryIsoCode=THfoodpanda T&C
LINE MAN:https://www.wongnai.com/business-owners/how-to-self-signup-on-wongnai-merchant-appLINE MAN FAQ

 

番外編・日系飲食店に特化した「まいど!デリバリー」

2021年11月20日より業務改善のため一旦休業中となり、現在はサービスを停止していますが、コロナ禍では日系のフードデリバリーサービスが活躍していました。

アプリではなくWebサイトからの注文ですが、対応言語は日本語のみで完全日本人向け。
サービスエリアも在バンコク日本人が特に多いアソーク、プロンポン、トンロー、エカマイ、プラカノンに限定したもの。

現在は大手アプリに掲載している日系飲食店も、まだフードデリバリー黎明期ながらコロナ禍による店内飲食が禁止されていた時期は、「まいど!デリバリー」でしか注文できない店が多く、バンコクに住む日本人たちから重宝されていました。

 

余談ですが、プーケットにはWESERVEというタイ南部を中心にシェアを持つデリバリーサービスも存在します。

インターネット上のタイ関連の情報はバンコクがほとんどですが、バンコク以外での出店を考えている方には、そのエリアに特化したサービスがあるかのチェックも重要です。

WESERVE公式サイト
https://www.weserve.co.th/en/

南北に長いタイですから、今後も地域によって異なる戦略展開から新しいサービスが登場するかも知れません。

各国で業界再編の動きが活発なフードデリバリー事業ですが、デリバリー天国のタイへの出店を計画中の方は、引き続き動向に注目が必要ですね!

 

※1タイバーツ=約3.74円で換算

この記事を書いた人(著者情報)

いほーじんA

タイ・プーケット在住10年の主婦です。
夫はタイ人、義実家同居で2児の母

海外在住の日本人と日本の家族を「つなぐ」生活の知恵やエンタメ情報をつづったブログ『いほうじんのぼやき』を運営しています。

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