2022年6月にハノイの日本食エリア、リンラン通りにオープンした「Ramen Haruki(らぁ麺 春樹)」。
土日のみ営業のため、知る人ぞ知るラーメン店です。
週2日のみ営業ながら在住日本人を筆頭に大人気で、そのうわさは私の住むダナンにまで!
今回はオーナーシェフの坪井春樹さんにお話を伺いながら、お店をご紹介させていただきます。
記者:坪井さんの簡単な経歴を教えてください。
坪井氏:東京出身で、大学卒業後はお笑い芸人をしていました。その後メーカーに転職し、社会人9年目の2020年に海外転職でベトナムに来ました。
記者:なぜ、海外転職でベトナムを選ばれたのですか?
坪井氏:気軽に行けるアジア圏、中でも麺大国だからです。
実は、高校生の時に1杯のラーメンにハマり、「もっといろいろなラーメンを知りたい!」と自転車で日本一周(45都道府県を巡る)して研究したことがあります。
その後自分でもラーメンを作るようになり、いつか究極の1杯を完成させるのが夢に。
ただ、ベトナムに転職する際に飲食店を選んだわけではありません。
これまでの経験を生かして、営業で就職しました。
記者:ラーメン店を始めたきっかけを伺えますか?
坪井氏:お店を構えるきっかけになったのは新型コロナの流行でした。
これまで、幾度も自分の作ったラーメンを友人や知人に振舞ったことがありますが、毎回非常に好評でした。
コロナ禍でリモートの仕事が増えて時間に余裕ができたことから、ラーメンの販売をしてみようかと思い立ちました。
早速、Grab Food(※1)に登録をしたところ、初日から50杯売れ、特に宣伝をしていないにもかかわらずどんどん口コミが広がり、一気にオーダーが入るようになりました。
その後、感染症対策の規制としてデリバリーも禁止となり、「今やりたいと思うことはすぐにやるべき」という気持ちが強くなっていき、アフターコロナには店舗を作ろうと思いました。
※1:シンガポール系の大手配車アプリGrabの現地法人、Grab Vietnamが運営しているフードデリバリーサービス。
記者:立地はどのように選ばれましたか?
坪井氏:場所は、まず第1条件として家賃が安いところ、第2条件として日本食店が集まっているリンランエリアに出店したいと考え、こちらに決めました。
塗装や内装は、できる範囲は自分で、後はローカル企業を利用したので少ない初期投資で出店できました。
1階はカウンター、2階にはテーブル席があります。
記者:どの様なお客様がいらっしゃいますか?
坪井氏:80%が日本人で、ベトナム人や韓国人・マレーシア人・シンガポール人がいらっしゃいます。
記者:営業時間を教えてください。
坪井氏:土日のみの営業で10:00〜14:00、18:00〜22:00です。
記者:人気のメニューを教えてください。
坪井氏:基本は4種類のらぁ麺とミニ丼、その他月に1回新メニューを出すこともあります。
当店のらぁ麺は、ベトナムの食材を使用しつつも日本で私が10年以上研究した味を出しているのが特徴です。
産地が異なると同じ食材を使用しても味が微妙に異なるため、ベトナム食材で日本と同じ味を出すのは難しいのですが、試行錯誤して実現しました。
初めていらしたお客様に特に食べていただきたいのは、一口で“おいしい”を3回味わえる「鯵煮干しらぁ麺」です。
鶏ガラなどを約8時間煮込んでうま味を凝縮させた清湯スープ、3種類のしょう油を含め12種類の食材を煮詰めた「かえし」、そしてベトナムの鯵煮干しの甘味が特徴です。
かえしは、しょう油のかどが取れ、まろやかな味わいになるよう、食材を煮詰めた後1週間寝かせています。
こだわりの香味油を使用しているため、あっさりしながらもコクがあり、奥深い味を楽しめます。
また「鯵煮干しらぁ麺」とは対照的に、ガッツリしたらぁ麺がお好きな方に人気なのが「ガッツらぁ麺」です。
名前の通り、明日への活力が湧くような、極厚焼豚、野菜・ニンニク、背脂どっさりのらぁ麺です。
お腹に余裕のある方には、鶏ももミニ丼もおすすめです。
記者:お店を開店して大変だったことはありますか?
坪井氏:オープンの1週間前にハノイに記録的な大雨が振り、店舗の内装や塗装が全てやり直しになってしまったことです。
大雨の後店舗を見に行った時、店内で業務用の冷蔵庫がプカプカ浮いていたのは衝撃でした。
泣いているスタッフ達を見ながら、この状況をどう打破するか、どんな笑い話に変えるか、ということだけを考え乗り越えました。
記者:今後のビジョンを教えてください。
坪井氏:現在は私と3人のベトナム人スタッフでお店を回していますが、今後弟子を育て、毎日営業や多店舗展開をしていきたいです。
そのためには、ベトナム語や英語でどのようにスタッフにレシピなどを落とし込んでいくかが重要だと考えています。
ゆくゆくはハイフォン(※2)に出店する予定があるので、引き続き頑張っていきたいです。
またベトナム人の方にも「こんなラーメン食べたことがない!」という経験をしてほしいと思っています。
ベトナム人は鍋、特に坦々鍋が大好きなので、受け入れてもらえそうな“坦々麺”の提供を今後始める予定です。
※2:ベトナム北部最大の港町。現在工業都市として日系企業が続々と進出している注目のエリア。
記者:これからベトナムに進出したい方に何かアドバイスはありますか?
坪井氏:ベトナムでは初期費用を抑えて起業することができるので、これから自分でビジネスをやりたい方におすすめです。
やる気さえあれば形にできるので頑張ってください。
記者:ありがとうございました。
コロナ禍や芸人生活・営業時代の辛かった時、日本に帰りたいと思った時など、おいしい食べ物に救われてきた人生だったと語る坪井さん。
芸人時代はネタを通して笑いを提供していましたが、今はラーメンを通して笑いを届けています!とのこと。
ハノイに行かれた際は、ぜひRamen Haruki(らぁ麺 春樹)を訪れてみてくださいね。
■Ramen Haruki(らぁ麺 春樹)
住所:34 /41 Linh Lang Street, Ba Dinh, Ha Noi
電話:+84 769 032 998
営業時間(土日のみ営業):10:00~14:00、18:00~22:00
Facebook:https://www.facebook.com/ramenharuki/
Instagram:@ramen_haruki
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