教えてASEANをご覧になっている方の中には、飲食関係者の方が多いでしょう。
そして、インドネシア含めて海外進出を検討されている方もいらっしゃるかと思います。
進出時にはローカル企業、外資企業含め先駆者たちをリサーチするかと思いますが、リサーチ対象候補として私が最近注目しているレストランをご紹介します。
その名も「Hangry」です。
「Hangry」はマルチブランドを展開するレストランの名称です。
運営はPT Modular Kuliner Indonesiaという会社が行っています。
公式ページによればHangryは2019年創業で、2022年10月の時点でジャカルタ市内外に7ブランド、84店舗超を構えるまで拡大しています(数値は2022年10月1日時点の公式ページのブランド数、店舗数を参照)。
彼らの特徴は、全てのブランドが「デリバリー専門業態」ということです。
創業の翌年、2020年3月よりインドネシアでは新型コロナが蔓延。
日本でも同様でしたが、デリバリーの重要性が急速に高まり、Hangryはコロナ禍を追い風に、あっという間に飲食業界で頭角を表しました。
インフラ面(デリバリーをサポートするアプリやクラウドキッチンなど)の発展もあり、コロナ禍ですっかりデリバリーが定着したインドネシア。
新型コロナ後も1つの習慣として残っていくことは、ほぼ確実です。
Hangryの成長意欲は著しく、2022年には同じくデリバリーのみで店舗を拡大していたインド料理ブランド「Accha」を買収。
【参照】Restoran India Accha Bergabung dengan Perusahaan Kuliner Hangry(Kompas.com)
ちなみにこのAccha、1食500円以下(現地通貨で5万ルピア以下)で食べられるのですが、味はけっこう本格的でおいしいです。
現地在住の日本人にも、よく利用されています。
さらに2022年4月には、2,200万米ドル(約32億8,438万円)の資金調達をしたことが報じられています。
【参照】Indonesian cloud kitchen firm served $22m to fuel expansion(Tech in Asia)
そして最近の記事だと、2025年から2026年をターゲットにインドネシア証券取引所での株式公開を目指すと、創業者のAbraham氏がインドネシアの民放テレビ局SCTVの報道番組「Litutan6」で話しています。
【参照】Perusahaan Kuliner Hangry Bakal IPO pada 2025 (Liputan6)
Hangryの店舗(というかキッチン)に行くと、イートインのスペースはありません。
基本的にはアプリからオーダーで、仮に店舗に直接買いに行ったとしても店頭でオンラインオーダーをすることになります。
座席を構えていない分、キッチンを大きめに確保できます。
そして複数ブランドでキッチンを共有するため、レストランであれば1店舗分のスペースで3つも4つもブランドを展開できます。
オンラインでの集客ノウハウさえあれば、非常に効率のよい業態ですよね。
ちなみにコロナ禍が始まる遥か以前よりデリバリーでビジネスを伸ばしてきた「Pizza Hut」は、2022年4月時点で562店舗を構えています。
【参照】Sarimelati Kencana (PIZZA) Rajin Tambah Gerai Pizza Hut di Tahun Ini
Hangryが上場を目指す2025年か2026年には「Pizza Hut」の店舗数を越えるのでしょうか?
今後も注目していきたいところです。
蛇足ですがHangryのブランドには、おいしい料理が多いです。
フライドチキンのMoon Chicken。
炙り牛丼がおいしいSangyu。
特にSangyuは、登場したころ「(インドネシアの)吉野屋よりおいしい」と日本人界隈でも評判になっていました。
もしインドネシアに視察や出張で訪れることがあれば、ぜひトライしてみてください。
※1インドネシアルピア=約0.0096 円、1米ドル=約149.29円で換算
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