この9月にバガンを訪れて驚いた。
3ヶ月前に訪問したときには1軒もなかったあるサービスが、雨後の竹の子のごとくそこらじゅうに出現していたからだ。
それはボディペインティング屋台。
絵の具で手の甲や腕にタトゥーのような模様を描く店だ。
ミャンマーは豊富な文化・歴史遺産に恵まれながら長く続いた軍事政権がユネスコに非協力的だったこともあり、世界遺産の認定が遅れてきた国だ。
ここ数年の民主化でやっと先進諸国からの支援などを受け、多くの史跡や自然公園が世界遺産認定へ向け動き出している。
その中にあって、ひときわ規模の大きさと高い価値を誇り、世界遺産に最も近いといわれているのがバガンの遺跡群だ。
11世紀から13世紀にかけて建てられたパゴダが、赤茶けた草原に点々と散らばる光景はまさに絶景で、世界中から多くの観光客を集めている。
バガンでは遺跡保護の観点から、現在、ホテルやレストランを新たに開くための許可を取得するのが非常に難しい。
しかし屋台を取り締まるのは難しいのか、観光客が集まる遺跡の周りには多くの土産物店が集まる。
そんな中、いきなり出現し、急増したのがボディペインティング屋台だ。
ほとんどが遺跡の見える道路沿いの木陰に立地する。
店のスタイルはどこも似たり寄ったり。
ミャンマーを代表する伝統芸能である操り人形劇の人形をたくさん木から吊るし、これまた代表的伝統工芸品であるパテイン傘をあしらい、その脇に簡素なテーブルと椅子を設置。
インスタやFacebookに熱中する観光客をセッティングで呼び込み、ボディペインティングをすすめようというのだ。
ペインティング後は、さらにその写真をSNSで発信でき、2度おいしいといえる。
設置に元手があまりかからず、技術もさして必要としないボディペインティング屋台。
誰でも手軽にオープンできることが、急速な流行に繋がったといえる。
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