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【知らないと損するタイ進出情報】タイの財閥研究アユタヤ銀行グループ

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グループ総帥のチュアン・ラタナラックに体力的な衰えが見えるようになると、息子のクリット・ラタナラックが変わってグループの舵を取るようになった。
アユタヤ銀行の頭取を務めたほか、91年の陸軍クーデターの後には民主化の高まりを受け民間に開放されるようになった民放テレビ局の事業免許(チャンネル7)を取得、メディア業界にも進出した。

タイでは長らく軍および政府機関がテレビ事業を独占してきたが、クリットはグループのコネクションを最大限に活用し免許取得を実現させた。
現在、テレビ事業はラタナラック家の重要な事業の一つとなっている。

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97年のアジア通貨危機は、アユタヤ銀行グループ=ラタナラック家も無傷ではいられなかった。
買収したサイアムシティ銀行が経営破たん。
放出を余儀なくされ、同行は一時国有化された後にタナチャート銀行に吸収合併された。
国内2位のセメント会社に成長したサイアム・シティ・セメント社も、通貨危機翌年にスイスのセメント会社ホルシムに株式を一部譲渡。
最近になって、ようやく「チャンネル7」を運営するバンコク・ブロードキャスティング・アンド・テレビジョン(BBTV)が株式を買い戻すことができた。

その後もかつての勢いは回復できず、2007年にはとうとう世界最大のコングロマリット企業ゼネラル・エレクトリック(GE、米)からの出資とCEOの派遣を受け入れることに。
発行済株式数の実に3分の1、総額223億バーツが資本注入され、新生「アユタヤ銀行」がスタートした。
リテールに特化、小口個人貸付が再生の柱とされ、ラタナラック家も銀行経営の一線から身を引くことになったが、それでも株式の25%は所有したままだった。

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それから5年余り。
再生が軌道に乗って来たかに見えたアユタヤ銀行だったが、2012年後半にはGE出身のCEOが電撃辞任を表明。
銀行株の一部売却も明らかになった。
そして、翌年には三菱東京UFJ銀行が約5000億円(当時)を投じて買収。
タイの商業銀行で初めて日本の資本が注入されることになった。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
入りしたことで同行の口座を持つ旅行者がアユタヤ銀行のATMを利用することも可能となった。
(写真は同行のHPなどから)

この記事を書いた人(著者情報)

kobori

2011年11月、タイ・バンコクに意を決して単身渡った元新聞記者。東京新聞(中日新聞東京本社)、テレビ朝日で社会部に所属。警視庁記者クラブで2・4課担当を通算4年経験。銀行破綻などの各種金融事件、阪神大震災、オウム真理教事件などの取材にも当たった。事件記者出身だが、取材対象は政治・経済、社会、科学、文化までなんでも。日本の新聞、雑誌、タイのフリーペーパーやウェブサイトなどでも執筆中。著述、講演多数。

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