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【インドネシア】農作物のオンライン卸売取引の星「TaniHub」の躍進

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asean181130tanihub1.jpg飲食店を運営する以上、食材をどこかしらから仕入れる必要がある。
インドネシアでは、このあたりで大きな問題を生み出してしまっている。
一言で言えば「仲買人問題」だ。
一次生産者と最終的な販売者の間に何人も仲買人がいたら、その分だけマージンを取られる。
言い換えれば、一次生産者の利益は不要に安くされ、消費者への売価は高くなる。
儲かるのは仲買人だけという状況になっているのが、今のインドネシアだ。
だが、そうした現状を解決しようと立ち上がるスタートアップも存在する。

仲買搾取撲滅を目指す「TaniHub」

仲買人問題に苦悩しているのは、何もインドネシアだけではない。

ここで別の例を挙げれば、コートジボワールのカカオ農家がそれに当てはまる。
特定の仲買人に、一次生産者が不当に安いカカオの売値を押し付けられ、それが貧困問題に直結した。
そのカカオが大手企業の製品に使用されていたことは、世界中で大きな話題になった。
フェアトレード商品が脚光を浴びるきっかけにもなった出来事である。

では、なぜこのような仲買人問題が発生するのか? それは一次生産者と小売業者をつなぐプラットフォームが確立されていないからだ。

ならば、そのプラットフォームを構築すればいい。
インドネシアの場合、『TaniHub』が市民からの注目を集めている。
これは、農作物専門のB2Beコマース。
一次生産者への発注を仲介することで、農家に対する仲買搾取をなくそうというのがTaniHubの目的だ。


徹頭徹尾オンライン化されているため、その時々の供給量に合わせて受注量をコントロールすることができる。
悪質な仲買人は見込み受注のために農家の生産物を根こそぎ買い占めてしまうが、ネット環境が整備されていればそのような不当な買い占めに一次生産者が付き合う必要はなくなる。

産地の透明化

また、オンラインでの農作物取引は「産地の透明化」という効果も生み出す。

インドネシアでも都市部を中心に「食の安全」に対する意識は高まっている。
産地不明の食品が消費者の不安を煽るということは、この国でも同様だ。
このあたりも、仲買人が何人も存在したら不透明になってしまう部分である。
先述のコートジボワールのカカオの場合は、チョコレート製品を作る大企業がカカオの具体的な出所を知らなかったということで人権団体から非難されたこともあった。


しかし、オンライン取引は自動的にその記録がセーブされる。
流通の効率化と共に、農作物の生産地を明確にする効果が発揮されるのだ。

インドネシアの「卸売改革」

TaniHubのプラットフォームは生産者側と販売者側のふたつが用意されている。

生産者側はインドネシア国内の農家に限定されるが、外資企業が販売者側としてTaniHubを利用するのはもちろん構わない。
ホテル、フランチャイズチェーンのレストラン、スーパーマーケット、ケータリング業者とも取引実績がある。

インドネシアには日本の有名飲食チェーン店も続々進出しているが、その一方でこの国では農家の経済成長を目的とした「卸売改革」が進められている。

【参考・画像】
TaniHub
Mengapa menjual produk pangan di TaniHub?-YouTube
Aplikasi Ini Solusi Bagi Petani – Big Bang Show-YouTube

この記事を書いた人(著者情報)

澤田真一

フリーライター、グラップラー。175センチ88キロ。ASEAN経済、テクノロジー関連情報などを各メディアで執筆。

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