BKのPlant base ワッパーと、普通のワッパー食べ比べセット。食感はだいぶ肉に近いですね。普及が進めばより改良されて味も肉に近づくかもしれない。 pic.twitter.com/Ff7ilJdAJN
— jakameshi@ジャカルタ在住 (@jakameshi) July 10, 2021
いずれにせよ今後しばらくの間、インドネシアの若者たちが植物ベースのハンバーガーを体験することは間違いないでしょう。
ちなみに筆者は未体験ですが、インドネシアではスターバックスもヴィーガンミートボールサンドウィッチを販売しています。
インドネシアの英字メディア「The Jakarta Post」では7月に次の記事をアップしました。
【参考】Days of health: Indonesia enters vegetarian food era(健康の日々:インドネシアは菜食の時代に突入)
記事のポイントを要約すると以下の通りです。
①30代のジャカルタの若者たちが、飲食店向けに植物ベースの食材を提供するクラウドキッチンとコンサルティング業を開始
②2018年のEuromonitor International(ロンドンに本社を置く世界的な市場調査会社)の調査によると、インドネシアは菜食主義の成長率が3番目に高い国だった
③都市部に在住する中上流クラスのインドネシア人の中では、健康的な植物ベースの食生活への移行が始まっている
④最近では、中価格帯(200~300円程度)のビーガンメニューが登場している
新型コロナの影響もあり、インドネシアでは(濃淡はあれども)全体的に健康意識は高まっています。
ジャカルタの華僑系富裕層と食事をすると、日本人以上に食べ物に気を使っている人もいるくらいです。
The Jakarta Postの記事は「健康意識の高まりが富裕層から中間層へ降りてきた」とも受けとれます。
世界で4番目の人口(2021年1月 のインドネシア統計局発表によれば、2020年9月時点で2.7億人を超えた)を抱えるインドネシアですので、今後大きなうねりとなっていく可能性は十分あるでしょう。
インドネシアにはイスラム教徒を中心に、キリスト教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒などが共存しています。
宗教によっては、食生活に関する戒律が存在しています。
イスラム教では主にアルコールと豚肉の摂取を禁じています。
ヒンドゥ―教では牛肉と豚肉を食べません(個人差が大きいですが)。
仏教徒でも人によっては、特定の肉を食べない人がいます(筆者の友人の仏教徒は宗教的な理由で牛を食べません ※2)。
(※2)編集部注:仏教でも一部の宗派には食の禁止事項が存在。日本でも仏教の教えに基づいて殺生を避け、煩悩を抑えることを目的とした精進料理のように、肉や魚を使わない料理がある。中国系で観音信仰の人は牛肉を食べないことも(参考:国土交通省官公庁「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル)。
キリスト教以外の宗教では、食材に関する禁忌が多かれ少なかれ存在します。
しかしその多くは「肉か酒」に関するものであり、「野菜」に関するものはほとんど聞いたことがありません。
そういう意味では「植物由来食材」は、インドネシアと相性がいいと言えるのかもしれません。
鶏肉の販売と同じく、2.7億人のほぼ全員をターゲットにすることができるのですから。
インドネシア人の野菜嫌いを見ていると、どこまで浸透するのかやや疑問符が立ちますが、今後注目しておいて損はないテーマではあるでしょう。
食には保守的なインドネシアですが、比較的柔軟な若年層が新たな食文化を築いていくのかもしれません。
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