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【TOP INTERVIEW】焼肉七海プーケット マネージングダイレクター 井上国彦氏

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海外でホテル業から飲食店経営にシフト

ー プーケットで本物の和牛が食べられる!口コミで評判の焼き肉店「焼肉七海プーケット」。マネージングダイレクターの井上氏がプーケットで出店するまでには、どんなヒストリーがあったのでしょうか?
20歳の頃、初めて来たプーケットが好きになり3年間住みましたが、インドネシアの西端に位置するスマトラ島沖地震によりプーケットでも大規模な津波被害を受けたため、一度離れることに。オーストラリアなどプーケット以外でも海外生活を経験してから日本に戻り、10年ほど働いていました。
2014年、プーケットのマイカオビーチにレジャー施設を併設したホテルをオープンするプロジェクトに加わったことが本格的な移住のきっかけです。
ホテルではレジャー施設の設計に携わったり、ゼネラルマネージャー(GM)として4年ほど経営に関わったりしました。
同社を退職後、独立のチャンスがあり、焼肉店の「焼肉七海プーケット」をオープンしました。

ー 2014年に本格移住ということですが、何か苦労したことはありますか?

40歳までに本格的に海外移住という目標があったので、32歳でプーケットに来て自分の好きな仕事ができて、今でも毎日充実しているというのが正直なところです。
GM時代から現在まで、1年365日、ビザの更新以外でほぼ休みがない生活を送っていますが、特別苦労したと感じることはありません。

ー ホテルのGMから飲食店店主に転身されたわけですが、プーケットでも特に高級リゾートの多いラグーナ地区を選ばれた理由は?
ホテルのお客様に周辺のレストランを提案するのもGMの仕事だったので、プーケットの飲食店には自然と詳しくなりました。
南北に長いプーケットですが、北側には高級ホテルが多いにもかかわらず、飲食店の選択肢が狭いという事情があります。
現在出店しているラグーナ地区は南側からも北側からもアクセスしやすい高級リゾートエリアとして知られていましたが、近年では投資家向けの分譲住宅やコンドミニアムが増え、長期滞在する外国人富裕層に人気です。
そこで、このエリアに食材にこだわった本物志向の日本食を提供するレストランがあれば面白いだろうなと考えました。

ー 資金調達はどうされたのでしょうか?海外では、開店準備の際に業者選びで難航するという話をよく聞きますが。
ホテルを辞めて新規事業を計画しているとき、タイミングよくスポンサードしてくれる方がいたので、資金面に困ることはなく、スムーズに出店まで漕ぎつけることができました。
店舗づくりでは、ホテル時代にさまざまな業者さんと取り引きしていた経験が役に立ちました。
イチから業者を探すハードルがありませんでした。

焼肉七海プーケット
左の「IZAKAYA」の看板が目を引くバーはタイ人がオーナーの別経営の店だが、すしやおつまみなど「焼肉七海プーケット」の焼き肉以外のフードを提供している

日本人マーケットがない中での工夫

ー プーケットには日系企業がないに等しいため駐在員もおらずバンコクと比較すると日本人客は見込めないように思いますが?
はい、客層はほぼタイ人か現地在住の外国人で、9割以上がリピーターです。
「タイ人のお客様が来たいと思う日本のレストランを作ろう」と思っていたので、海外でよくある「なんちゃって日本食」ではなく、できる限り日本から仕入れたモノを提供するようにしています。
運良くテナントオーナーがこの地域の市長さんだったので、口コミでお店を紹介くださったことが追い風となり、オープン当初からローカルの方に知ってもらうことができました。
地元の方は親戚や交友関係のネットワークが広く、紹介で来てくれるお客様からリピーターが増えていった形です。

ー 2018年のオープン以降、約3年半の間に新型コロナウィルスのパンデミックがありましたが、影響はいかがでしたか?
新型コロナが広がった直後は3ヶ月間営業を停止しましたが、初年度からみると売り上げはマイナスではありませんでした。
世界情勢の影響もあり、材料費や輸送費の値上がりで仕入れコストは上がっていますが、商品の品質を下げることはしていません。

他では味わえない日本の食材をお目当てに通ってくれるお客様のため、Facebookでは仕入れの告知も

愛情を込めたサービスに全力投球できる環境づくり

ー タイ人スタッフと働く中で気を付けていることはありますか?
できるだけ怒らないようにしていますね。
タイ人の特性として、人前で怒られるとプライドが傷ついて職場に来なくなってしまうというのは「あるある」なので。
あとは「愛情を込めてサービスしよう」とスタッフに伝えています。
心のこもったおもてなしで嫌な思いをするお客様はいないですし、肉や魚といった食材に対しても愛情を込めて丁寧に扱えばおいしい料理に仕上がります。
この点は、こだわりを持ってスタッフに指導しています。

ー 営業時間がディナータイムのみなことにも理由があるそうで。
営業時間が短い方が良いサービスができて、スタッフも元気で、おいしい料理を提供できるというのが私の考えなので、店舗として最高のパフォーマンスを出せるよう、今の営業時間にしています。
タイの方は拘束時間が長くなってしまうと、どうしても勤務態度がダレてきてしまうという傾向にあります。
労働時間を長くしてダラダラと働かせるのではなく、「18時から21時のピークタイムに集中して全力でいこうね!」とスタッフの士気を高めています。
営業終了の22時になったら全員残業なしで帰れるよう、ラストオーダーは守ってもらうようにお客様にもご理解をいただきながらですね。
今のお店の規模であれば自分の目が届く範囲なので、従業員のモチベーションをキープするのは私の仕事です。
あとは、自分が毎日お店に立つことで、料理もサービスも、クオリティを落とすことがないよう気を配ることができているかなと。

焼肉七海プーケット
こだわりの和牛を提供

「焼肉七海プーケット」今後の展開・夢とは

ー 今後の展望や夢があれば教えてください。
10店舗100人雇用という夢がありますが、そこを明確な目標としているわけではなく、今いるスタッフやその家族が幸せならいいですね。
海外で「日本の文化を伝える」ことがしたいとは考えてきましたが、20代のころに大好きになったプーケットにいつか住みたいという想いでここにたどり着きました。
今後、多店舗経営するとしても「日本のモノ」にはこだわる予定です。
それがラーメンなのか、すしなのか、着物なのかはまだ分かりませんが。

ー 海外進出を検討している方にアドバイスをお願いします。
まだ日本から出たことがない方であれば「まずは行動しないと始まらない」と思います。
「言葉ができない」や「現地にコネクションがない」と言っても、実際に来てチャレンジしてみないと自分がどう感じるかを知ることもできないし、仲間も増えません。
私自身、英語もタイ語もストリートで身に付けたものですが、現在の店舗経営で困っていることはないので、まずは飛び込んでみることが大切だと感じます。

店舗情報

「会社名」Nanami Laguna Co., Ltd.
「氏名」井上国彦
「店舗名」焼肉七海プーケット
「HP」https://www.facebook.com/nanamiyakiniku/ 
「業態」焼き肉店
「店舗住所」21/8 Lagoon Rd., Cherngtalay, Thalang, Phuket
「電話番号」+66 95 086 1555
「営業時間」17:00~22:00
「定休日」なし
「他海外店舗」なし

この記事を書いた人(著者情報)

いほーじんA

タイ・プーケット在住10年の主婦です。
夫はタイ人、義実家同居で2児の母

海外在住の日本人と日本の家族を「つなぐ」生活の知恵やエンタメ情報をつづったブログ『いほうじんのぼやき』を運営しています。

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