インドネシアでビジネスを展開するなら、オンライン配車サービス『Go-Jek』の存在は決して無視できない。
当初はバイクタクシーを呼ぶためのアプリだったGo-Jekは、今や飲食デリバリーや軽輸送、その他デジタルサービスを配信する一大プラットフォームに成長した。
大げさな表現に聞こえるかもしれないが、その成長スピードにテクノロジーメディアがやや振り回され気味なほど。
今回はそんなGo-Jekがローンチした『Go-Deals』について書きたい。
https://youtu.be/K4enYX80oxM
たとえば、中小の飲食店がカレーライス1杯を3ドルで提供しているとする。
だが、それと同様のメニューが得られるバウチャーを2ドルで発行すればどうだろうか。
1ドルの値下げ以上に多くの客がそれを買うに違いない。
この店のカレーライスのファンは、予めバウチャーを買い溜めするだろう。
しかし、中小の店舗ではバウチャーを作って発行するだけの人的余裕も広報力もない。
そのため、この部分をアウトソーシングしてしまう。
スマートフォンに対応した電子バウチャーの発行を外部の業者に任せる方法。
それがGo-Dealsである。
10月11日に登場したばかりのこのサービスは、約800の業者からのバウチャーを扱う。
もっとも「約800の業者」というのは記事執筆時点で、今後も増加するものと思われる。
このGo-Dealsには、東南アジアで有名な日本食レストランも名を連ねている。
それが『Sushi Tei』!。
その名の通り、寿司チェーン店である。
寿司ほどバウチャーの強みを活かせる料理は他にないかもしれない。
言い換えれば、満腹になるまで複数のメニューを細切れに何度も注文するのだ。
その合間に安価で購入したバウチャーを差し込むことができる。
もっとも、Go-Dealsのバウチャーは飲食店のものだけではない。
例えば下の画像は、南ジャカルタに所在するフィットネスクラブ『Fit By Beat』のデイリーパスバウチャーである。
19万8000ルピア(約1460円)の利用料が13万8000ルピア(約1000円)になるものだ。
サービスを提供する側は事前にバウチャーを発行することで、より確実な利益を見込めるようになる。
同時に、Go-Dealsは「現金払いよりスマホを利用したほうが遥かに得だ」という印象を大衆に与える役割も帯びるはず。
現金とは、言い換えれば物体である。
しかもそれは決して軽いものではない。
「塵も積もれば山となる」という言葉通り、100ルピア硬貨も大量に集まれば数百kg、あるいはt単位になってしまう。
それを物理的に輸送するのにも、当然ながらコストがかかる。
その上、ジャカルタは世界で最も交通渋滞が深刻化している都市としても知られている。
そういう事情もあるから、モノやサービスの売値をいくらか割り引いたとしても、店舗のキャッシュレス化を進めたほうが結果的に大きな収益を得ることができるのだ。
【参考】
Go-Jek
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