インドネシアの首都ジャカルタ。
2019年3月に開通したMRT(都市高速鉄道)は、短期間のうちにこの都市の象徴と化した。
ジャカルタは世界的に見ても渋滞が深刻な都市である。
特にメインストリートであるスディルマン通りは、ラッシュ時にはほとんど車が進まない。
たった数kmに2時間かかることもある。
ところが、ジャカルタ北部のコタから南へ行く路線バス「トランス・ジャカルタ」は、南ジャカルタ市の歓楽街・ブロックMが終着駅。
現実には、ブロックMよりさらに南の地域に多くの人が住んでいる。
ジャカルタ中心地とそのベッドタウンをつなぐ公共交通機関がない、と表現してもいいだろう。
しかしその状況は、MRTの開通によって大きく変化した。
MRTは「ジャカルタのヘソ」とも言えるブンダランHIと、ジャカルタ南部の郊外・ルバックブルスをつなぐ路線だ。
このルバックブルスという地域は、ジャカルタ特別州に加え西側にバンテン州、東側に西ジャワ州の3州と接している。
インドネシアでは、ジャカルタ首都圏を総じて「ジャボデタベック」と呼ぶ。
このジャボデタベックに公共交通機関を通したいと、どの政治家も思案している。
が、それは外国からの援助なしでは実現しない。
MRTの場合は、日本のODAを活用した。
そのため、路線の建設には多くの日系企業が関わっている。
車両も日本製だ。
日本は世界有数の「鉄道大国」で、その事実はインドネシアにも伝わっている。
実際に日本から中古の鉄道車両を輸入し、ジャカルタ市内で稼働させているのだ。
日本とインドネシアの線路幅規格が同一ということもあるが、何よりも日本製車両には絶大な信頼が寄せられている。
メイドインジャパンの鉄道は、現地市民からまさに大歓迎された。
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