記者:ベトナム移住前に準備したことはありますか?
髙埜氏:スカウトした10人の中には10代の方もいたので、親御さんへのあいさつをしました。
また、農業は自然と触れ合うため、各種予防接種に15万円程かかりました。
記者:どのようなお客様がいらっしゃいますか?
髙埜氏:日本への輸出は生協や菓子専門店、オーガニック製品専門店が主です。
ベトナム国内ですと、無印良品、ダナンの食のセレクトショップ「Table Produce」です。
記者:人気商品・おすすめ商品を教えてください。
髙埜氏:マカダミアナッツ、バタフライピーティー、ウコンが人気です。
特にマカダミアナッツは市販のものだと品質劣化していることも多いのですが、弊社は注文が入ってから殻を割って納品するため、品質の良さに定評があります。
私のおすすめはモリンガとゴツコラです。
モリンガは優れた栄養価から、最近では日本の大手食品メーカーでもスーパーフードとして製品化していて、知名度が上がっています。
土中の水を引き上げる力がとても強いので、乾季にはモリンガ周辺の作物たちにも恩恵をもたらしています。
私たちの農場では状態の良い葉の部分だけを、野菜や加工原料、鶏の毎日の餌として使っています。
記者:ゴツコラについて詳しく教えてください。
髙埜氏:ゴツコラはベトナムではラウマーと呼ばれる薬草です。
直訳すると「母の菜」と言う意味で、古くから人々にとって身近で信頼できる生薬として用いられています。
ベトナムの朝市では豆乳と並び、ゴツコラ青汁はとても人気の飲み物です。
新鮮なゴツコラを細かく切ってから乾燥させ、お茶にして出荷しています。
記者:ベトナムで苦労したこと、大変なことは何ですか?
髙埜氏:仕事・精神のローカライズです。
都市部やオフィスワーカーは生活基準がほぼ一緒ですが、一次産業である農業には、良いとされる生活スタイルが決まっているようで、それを押し付けられないことです。
また、自分のことを他の農家さんに信頼してもらうのに時間がかかりました。
ビジネス相手としては見られても、仲間と思ってもらうのが難しく、小さいトラブルで関係性が壊れてしまうのでそこは大変でした。
生活については病気です。
病院・入院が大変な環境なので、私自身モリンガやウコン、ナッツなどを積極的に取り健康には気を付けています。
記者:次のビジョンを伺えますか?
髙埜氏:当社に卸してくれている農家さんを経済的に発展させることです。
コーヒーやコショウなど、1種類のみ作るのは博打で、天候不純で生産量が変わってしまいます。
ニンジン・キュウリ・インゲン豆などの季節の野菜や、モリンガバタ・フライピーといったハーブに限らず、加工品や特産品を開発して、利益は高くなくても安定した利益が見込める商品を開発したいです。
自分たちの会社を含めて、この土地に合った事業を生み出し、儲かる仕組みを作りたいと考えています。
そのためにも信頼関係が大事なので、引き続き生産者たちの信頼を獲得し、一緒に頑張っていけたらと思います。
記者:これからベトナム進出を検討されている方へのアドバイスをお願いします。
髙埜氏:ベトナムへ来ると文化や人に対して、良いところも悪いところも目にすると思います。
特に、ベトナム人に対して好きになれない部分が多いと感じた場合は、お互いに良くないので無理をしないことです。
変えようとするのではなく、理解して共存できるかどうかが大切だと思います。
記者:ありがとうございました。
■Farmers Union Venture Co., Ltd(ファーマーズ・ユニオン・ベンチャー)
住所:Km9, QL26, Phuong Tan Hoa, TP Buon Ma Thout, Vietnam Tỉnh Đắk Lắk
電話:+84 262 3921 010
URL:https://tempi.jp/
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