スーパーの店頭などでは食料品から日用品までハリラヤ・セール(Hariraya Sale)と称する販促キャンペーンが始まっている。
スナック菓子に保存容器がついてきたり、ティッシュの箱がラマダン仕様になっていたりする。
また食料品、衣料品、軽食などラマダン用のアイテムを扱う夜市(ナイトマーケット)も毎晩盛況となる。
ラマダンの時期は家の飾り付け用にスーパーでもデコレーション用品の特設コーナーができている。
一般家庭や官公庁、商業施設など至るところに緑と黄色をした、星や月などイスラム教のシンボルや、カトゥパ(Katupat)というヤシの葉を編み込んだ立方体の飾りつけが見られる。
ラマダン期間の飲食店で目立つのは、食べ放題のラマダン・ビュッフェ(Ramadan Buffet)。
一例としてこちらのリストでは一流ホテルを中心に行われるビュッフェが掲載されている。
価格設定はRM70〜188(約1,805〜4,902円)/大人1名ほど。
金曜土曜に開催しているあるホテルのディナービュッフェは通常時はRM60(約1,547円)/大人1名だが、ラマダン・ビュッフェ期間はRM78〜88(約2,011〜2,269円)となっている。
メニューの中心は羊肉、魚介類、野菜などを焼いたり、蒸したり、揚げたりする伝統的なマレー料理から、期間限定のスペシャルメニューまで各飲食店やレストランによって多種多様。
ラマダンビュッフェはイスラム教徒のみならず、毎年食べ比べを楽しみにしている人も多いのだそう。
ハラル認証取得で知られるこちらの日系回転寿司チェーンでも、今年はラマダン・ビュッフェを開催。
夕方5時半からと早めのスタートにも関わらず、開店前から客が並ぶほどの盛況ぶりであった。
通常は一皿あたりRM3〜5(約80〜約130円)だが、ラマダン・ビュッフェでは寿司、ドリンク、みそ汁、ミニ丼の食べ放題で税抜き価格RM35.9(約925円)からとなっている(※)。
実際に訪れてみたところ、日没前の時間帯における客層は、モスリムではない中華系マレー人が多かった。
クアラルンプール近郊シャー・アラム(Shah Alam)のモスクでは、夕方4時頃から参拝者が日没後に食べる食事の準備が始まっていた。
いきなり食事を再開するのではなく、胃を慣らすためにデーツ(ナツメヤシの実)、ポピア(マレー風春巻き)など消化のよいものをまず口にするとのこと。
多民族・他宗教国家のマレーシアでは「ラマダン」の他にも様々なお祝い事やお祭りがあり、その中でも「チャイニーズニューイヤー(中華系 旧正月)」「ディパバリ(ヒンドゥ教徒)」などが非常に有名。
それぞれ3つのホリデーは三大商戦の時期とも言われており、
マレーシアの人種構成の柱がマレー系、中華系、インド系であることがよくわかる。
互いの民族、宗教を尊重し、これらホリデーをそれぞれ一緒に祝い共生している姿は多民族・他宗教国家のマレーシアならではの文化と言えるであろう。
(※)自社ポイントカードを発行しており、会員と非会員では価格が異なる。
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