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オミクロン株の東南アジアへの影響

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世界では、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が各国で報告されています。
7日現在、欧州やアフリカを中心に世界48ヶ国で感染が確認され、東南アジアではシンガポール、マレーシア、タイで報告されています。
このままの勢いですと、今後はインドネシアやベトナムなど日本企業が多く進出する国でもオミクロン株による感染が明らかになる可能性があります。
オミクロン株の感染拡大により、東南アジア諸国も水際対策を強化しているようですが、経済との兼ね合い上、難しい判断を強いられているようです。

オミクロン株



インドネシアで新型コロナウイルス対策を所管するルフット調整相は12月2日までに、オミクロン株に対する水際対策として、3日からインドネシア人を含めた海外からの入国者に対する政府指定ホテルでの隔離期間を7日間から10日間に延長すると発表しました。
また、インドネシア政府は、オミクロン株の感染者が確認されている南アフリカとその周辺諸国および香港など11ヶ国に滞在歴や渡航歴のある外国人の入国を禁止しています。
シンガポール保健省も12月3日、これまで禁止していた南アフリカ、ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビークなどに加え、ガーナ、マラウイ、ナイジェリアのアフリカ3ヶ国からの外国人の入国(乗り継ぎを含む)を停止すると発表しました。
マレーシアもシンガポールと同じような状況です。
一方、11月以降、海外旅行者を隔離なしで受け入れ始めたタイは、インドネシアやシンガポールのように、一部の国に対して入国時に必要なタイランドパスの発行を停止して入国禁止措置をとっていますが、経済の再生を重視すべくそれ以上の制限を設けていません。
また、ベトナムのファム・ミン・チン首相は12月4日、オミクロン株を警戒しつつも段階的な経済再開を進める方針を打ち出しています。

最も多い被害を出したインドネシアでは新型コロナウイルスの累計感染者が426万人、死亡者が14万人を超え、フィリピン(累計感染者約284万人、死亡者約5万人)、マレーシア(累計感染者約270万人、死亡者約3万人)、タイ(累計感染者約218万人、死亡者約2万人)、ベトナム(累計感染者約 146万人、死亡者約3万人)、シンガポール(累計感染者約27万、死亡者約800人)などでも深刻な数字を記録しています。
※参考:ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウイルス集計データ

よって、同じ過ちは犯さないという強い意識を各国政府は持っていることでしょう。

水際対策が強化されるインドネシア・バリ島の国際空港

しかし、現時点でオミクロン株の感染力や重症度など詳しいデータが判明していないことに加え、東南アジアではそれほど大きな影響が出ていない現状から、空港での水際対策を強化しつつ国内での規制は限定的です。
東南アジア諸国には悲惨な今夏の経験があります。
いかに早く経済を軌道に戻すかが、政府の最重要トピックとなっています。
よって、オミクロン株が各国社会の中で猛威を振るわない状況下では、各国政府は大胆な規制強化に動かないと思われます。

一方、これは東南アジアに進出する、または今後進出予定の日本企業にとっても大きな問題です。
米中対立の激化、そしてその影響を受ける日中関係は、来年さらに不安定化する可能性があり、チャイナリスクを回避する意味でも東南アジアの重要性が高まります。
しかし、オミクロン株がデルタ株のように今後猛威を振るえば、日本と東南アジアの経済が引き続き停滞する恐れがあります。
日本企業は、オミクロン株が今後東南アジアで流行するかを注視していく必要があります。



この記事を書いた人(著者情報)

サンシーロ

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