ロシアによるウクライナ侵攻によって欧米諸国を中心に世界が経済制裁を強化していますが、航空業界は特に大きな影響を受けています。
ロシアのプーチン大統領はウクライナの現政権を崩壊させ、親ロシア政権の樹立を目標としており、それを妥協する姿勢は今後も示さないとみられ、航空業界への影響も長期化する可能性が高いです。
例えば、経済制裁の一環として、米国やカナダと同じく欧州各国がロシア民間機の上空飛行禁止を打ち出しています。
欧州でロシア機の飛行禁止を発表しているのは、英国やフランス、ドイツ、スペイン、イタリアなどの主要国に加え、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニアなど東欧諸国、さらには旧ソ連圏であるリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国など30各国あまりに上っています。
それにより、エールフランス航空やブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザドイツ航空など各国の航空会社はロシア便を停止しています。
反対に、ロシアの大手航空会社アエロフロートは2022年3月8日から国際線のフライトを一斉に停止しており、ロシア在住の外国人の避難にも大きな影響が出ています。
それにより日本を離発着する便にも影響が出ています。
日本航空はモスクワ便の運航停止を発表し、エールフランスなどは日本便のフライトを制限するなどしています。
また、運行している便でもロシアの上空飛行が危険なことから、北極海上空を通過するルート、また中国や中央アジアを通るルートなど迂回ルートを余儀なくされており、まさに冷戦時代に戻ったような状況です。
一方、影響はASEAN諸国にも少なからず及んでいます。
英国やフランスなどとASEANを結ぶフライトはロシア上空を通過しないので影響は出ていないようですが、例えば、北欧フィンランド・ヘルシンキやスウェーデン・ストックホルムとバンコク、プーケット、シンガポールなどを結びフライトはロシア上空を回避することで、所要時間が通常より1時間ほど長く掛かっているようです。
現在、ロシア軍はウクライナ全土の制圧を掲げ軍事行動を続けていますが、安全保障専門家の間では「ロシアが制圧する可能性が高い」と言われています。
そうなれば、ロシアの影響がウクライナ全土に及ぶことになり、欧州とASEANを結ぶ国際線のフライトはさらなる影響を受けるようになるでしょう。
ウクライナは東西に非常に長い国家なので、フィンランドやスウェーデンだけでなく、ポーランドやドイツ、オランダなどからASEAN諸国へ向かう国際便も影響を受けるかも知れません。
幸いにも、日本とASEANを結びフライトに大きな影響が出ているわけではありません。
しかし、今後ウクライナ情勢を巡って飛行機が被害を受けることがあれば(2014年3月、ロシアによりウクライナのクリミア半島が併合された際、同年7月にマレーシア航空機がウクライナ東部上空で撃墜され、乗客283人と乗組員15人の全員が死亡した)、出国審査や手荷物検査などが厳格化され、日本とASEANとの行来に支障が出てくる可能性もあります。
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