日本と同様、シンガポールでも「パン」は主食の1つである。
シンガポールには⼤⼿から、HDB(公団住宅)の商業施設に店舗を構える個人店「近所のパン屋さん(Neighborhood bakery)」、外国企業など、多くのベーカリーメーカーが存在する。
中にはカフェを併設している店舗もあり、⾷事時になると多くの⼈で賑わっている。
近年はパンの生地や原材料にこだわった個人ベーカリーが、以前より増えてきている。
人気のスポットにお店を構え、グルメ好きシンガポール人の間で話題になっているようだ。
インスタグラムなどSNSでも、そういったお店を紹介した投稿を多く見かける。
今回は、シンガポールで人気を集めているベーカリーショップを紹介する。
筆者がシンガポールに住み始めた1990年代は、現在と違いベーカリーは少なく、HDB(公団住宅)の下にある、いわゆる「近所のパン屋さん」くらいだった。
品ぞろえは食パン、バターロールといった食卓パンや惣菜パンと、日本のベーカリーとほぼ変わりないが、パンそのものは生地の味わいを楽しめるものが少なかった。
それは使用している小麦粉の品質であったり、バターの質であったり……。
特に気になったのは、バターを使用したパン自体が皆無ではないものの非常に少なく、ほとんどがマーガリンを使用していたことである。
今や、そんな背景があったとは思えないほど、一流の腕を持ったベーカリーがたくさん存在する。
2000年近くになると、シンガポールの⼤⼿ベーカリーメーカーが登場し、ショッピングモールに進出するようになる。
その代表格がFour Leaves やBreadTalkではないだろうか。
⽇本の製粉を使⽤・⽇本のパン製造技術・⽇本の⾼い品質基準を適⽤しているFour Leavesは1981年に1店舗目を開店させ、2000年くらいからはショッピングモールなどで目にするようになった。
今では島内の主要ショッピングモールを中心に、FourLeaves ブランドを30店舗展開している。
島内に限らず、マレーシアにも店舗展開を広げている。
そしてFour Leavesは数々のベーカリーブランド(St.Leaven、Epidorなど)をプロデュースしている。
そのうちの1つにYamazakiがあり、こちらは日本の山崎パンが運営に参画している。
その為、Four Leavesは日系のベーカリーとしても知られており、日本人の買い物客を多く見かける。
Yamazakiはシンガポール南部にある大型ショッピングモールVivoCity、そして東部の大型ショッピングモールTampines Oneに展開している。
またBreadTalk は地元シンガポール⼈の職⼈に交じって、⽇本⼈や台湾⼈がパンを作っている。
⽇本の製粉やニュージーランドのバターを使い、素材にもこだわったパンをバラエティー豊かにそろえている。
加えて、シンガポール⼈の憩いの場となっているカフェ「TOAST BOX」を併設させた店舗も展開するなど、相互拡⼤を見込んだビジネスセンスを発揮してもいる。
Bread Talkのバンズにポークフロス(※1)をトッピングしたパンは、シンガポールでは惣菜パンとして人気だ。
(※1)Pork Floss。豚⾁でできた“でんぶ”みたいなもの
これらの大手ベーカリーでは、日本でもおなじみの惣菜パン(例:ハム&チーズ、ソーセージなど)以外に、シンガポール独⾃の惣菜パンも多く取り扱っている。
いくつかの独自の惣菜パンをご紹介しよう。
1:Otah (オタ):オタと呼ばれる⿂のすり⾝をバンズにのせたもの
2:Bak Kwa(バクワ):乾燥させた豚⾁をしょう油と砂糖、五⾹粉というスパイスで⽢⾟く味つけし、炭⽕で焼いたポークジャーキーをトッピング
3:Kaya (カヤ):ココナッツミルク、卵黄、砂糖、そしてパンダンリーフ(東南アジアでは料理、お菓子によく使われるハーブ)から作ったジャム(カヤ)を挟んだパン。トーストにカヤを塗って提供することが多い
気になる価格帯は、惣菜パンで1〜2ドル(約78~157円)前後、⾷パンになると3ドル(約235円)前後。
昼⾷や⼣⾷の時間帯になると、持ち帰りの⼈でショップは賑わっている。
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