インドネシアのスマートフォン事情は、日を追う毎に充実している。
スマホは今や市民には欠かせないもので、それに伴うアプリも急増した。
即ち、それを開発するスタートアップが登場しているということだ。
その代表格がバイクタクシー配車サービス『Go-Jek』である。
だがそれ故に、同国は長らく放置されてきた問題を一気に解決せざるを得ない状況に追い込まれた。
インドネシアは日本とは違い、携帯電話の使用料は予めチャージしておく方式が主流である。
いわゆるプリペイド式であるが、これに加えて同国ではSIMカードが自由に販売されていた。
ワルンや屋台などでも、電話番号の割り振られたSIMカードが投げ売られていたほどだ。
もちろん、こうした点がインドネシアの携帯電話普及を大きく促したということは否めない。
だが、近年ではその弊害が顕著になった。
犯罪者やテロリストが、氾濫するSIMカードを利用し始めたのだ。
外国人でも簡単にSIMカードが買える。
購入枚数に制限も設けられていない。
故に、通話の通信記録から容疑者を特定することが困難になってしまった。
そこでインドネシア政府は、国内キャリアを利用する全国民と外国人に対して身分証明証の登録を義務付けた。
電話番号ひとつひとつに、使用者の個人情報データをリンクさせる法律を制定させたのだ。
これに伴い、市民が今まで使用してきた電話番号にも個人情報の登録義務が発生した。
今年4月末までにそれを行わなかった番号は永久凍結されるという、極めて厳しい措置が課せられたのだ。
同時に、SIMカード購入の際には身分証明書の提示が必要になった。
外国人の場合はパスポートの提出を店頭で要求される。
当然、日本人もその対象だ。
政府は無造作なSIMカード販売を防ぐ方向に舵を切った。
これらの措置は、今となってはやむを得ない流れであると捉えることができる。
インドネシアは8月にアジア競技大会を控えているが、一方で都市部へのテロが立て続けに発生した。
5月にスラバヤ市内で発生した連続テロは、全国民を戦慄させた。この時はちょうど、先述の未登録番号永久凍結措置が完了した直後である。
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