ー 「屋台居酒屋」と称した活気のある店内で、串焼きや串揚げ、海鮮料理を提供している「屋台居酒屋 大阪 満マル(以下、満マル)」。山口社長が飲食業界に入ったきっかけとは?
叔父が役員をしていた会社が新たに飲食事業に参入するとのことで、商社に勤めていた私が未経験ながら19歳でベーカリーカフェとイタリアンの店長を任されました。実は、まったく飲食業界に参入しようと考えていたわけではなかったんです。
ー なんと!いきなり店長になられたのですか?
飲食業界での就業経験がなかったので、分からないことだらけでした。当然スタッフとうまくいくわけもなく……。経営について学ぶために本を読み漁ったり、少しでもスタッフの負担を減らしたい・自分が店長であることを認めてもらいたいという想いから、毎日朝5時に出社して店内の掃除を行ったり。半年ほどこの生活を続けていると、徐々にスタッフが認めてくれるように。信頼関係が生まれてきて「自分自身が変わらないと、相手を変えようと思っても無理だ」と学ぶことができました。
ー 店長としての経験を、順調に積み上げていったということですね。
はい。5年間店長を続けた後、1995年に当時の上司と一緒に宅配ずしのフランチャイザーとなるために会社を設立。兵庫県を担当し、23店舗まで拡大させました。その実績から飲食店の経営コンサルタントとして独立。株式会社イートファクトリーを設立して、「屋台居酒屋 大阪 満マル」を開店。
ー 紆余曲折を経ての現在ですね。
そうですね。さまざまな経験を経たことで、イートファクトリーを設立してから10年ほどですが、国内外84店舗にまで拡大することができました。「業態と人に恵まれた」結果だと考えています。居酒屋の定番メニューを網羅していること、メニュー数が200品以上あること、その上低価格なので、幅広い客層を取り込むことができています。
ー 海外に視点を向けられたのはいつ頃ですか?
日本は人口が減少していますが、世界に目を向けると人口は増加しています。つまり海外にはビジネスチャンスがあるということなので、定期的に視察を行っていました。その中でベトナムは人口とGDPの伸び率が著しいということ、最大の都市であるホーチミンには国が公表している以上の人口密度ということを知りました。直感で「人口の多いホーチミンなら成功できる!」と思い、早速ベトナムに駐在員を派遣しました。
ー 出店が確定する前にもかかわらず、駐在員を派遣したのですか?
はい、満マルの多店舗展開の経験などから、良い物件はすぐに決まってしまうことを理解していました。そのため、海外出店をするのであれば、「スピード感」を持って取り組むことが最も大切と考えたのです。「100人の日本人コミュニティーを作る」という使命だけ与えて、2015年に駐在員を派遣。現地で人間関係を構築し、さまざまな情報を収集してくれました。3ヶ月ほどで良い物件に空きが出たと連絡があり、すぐに契約。無事に海外出店を果たしました。
メインメニュー
教えてASEANコラム
お問い合わせ
人気記事ランキング
新着記事
国別で記事を探す
おすすめキーワードで記事を探す
ライター紹介