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「沼津魚がし鮨」TOPINTERVIEW

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沓間水産

 

1  海外進出のきっかけ

 

ー 進出のきっかけを教えてください!
前社長である私の父がパルコ主催の日本企業へ向けたシンガポール進出セミナーに参加したことがきっかけです。
そのセミナーは海外進出について、興味があるという経営者に向けて日系飲食店集合ゾーン物件の開業に向けて始動!という趣旨のものでした。
「日本の中にいると捉えられるものは少ない」と感じていた前社長が、そのセミナー参画を機に海外出店に向けて動き出しました。
大ちゃん1-2_お椀付 (002)

ー 社長はシンガポール出店の際、どのような形で関わっていらっしゃったのですか?
現地マネージャーとして任命され、家族と一緒に、シンガポールに移住しました。
任命される数ヶ月前まで日本で鮨職人をしていて、海外進出のプロジェクトチームにも入っていなかったので、マネージャーに決まった時は自身が一番驚きました。
2018年夏に前社長が体調を崩し、私が事業継承をするために日本に帰国するまで、通算2年ほどシンガポールに在住し、現地で指揮を執っておりました。

ー 出店の際の仕入れルートは社長が確立なさったのですか?
そうですね、様々な企業様に訪問して確立させました。
当社が海外初出店ということで何度か断られた企業もあったのですが、めげずにアタックをし続け、現在でもお取引させていただいております。
具体的なルートとしては、沼津漁港から豊洲市場に魚を輸送、2つの荷物をまとめ、翌朝10時にはシンガポールの店舗に届くという流れです。
鮮魚は飛行機で1日、冷凍品等は船便で輸送しているのでおよそ2週間程で現地店舗に到着します。

 

2  シンガポール店のこだわり

 

ー シンガポール店の設計においてのこだわりを教えてください!
席数を69席にしたことですね。
日本で「古希」と呼ばれる70歳目前、すなわち成熟した大人になる直前です。
完璧な大人ではない、しかし子供でもない、という意味合いを込めました。
IMG_2696

ー スタッフの方の日本人と現地人の割合について教えてください
10人程の現地アルバイトスタッフがおり、3人の日本人社員が常勤しております。

ー 熟練の職人の方がいらっしゃるとお聞きしましたが・・・
店長は日本で鮨職人経験6年、他にも鮨職人経験が15年の者も働いております。
また日本と同じ味をぶらさないように、年に7人ほど日本から寿司職人を味チェックのために派遣しております。

ー なるほど。特にシンガポール店で力を入れて行っている取組みはありますか?
メニューに記載のないお料理も、できる限りお客様のご要望に対応しております。
ご希望があれば、日本のお祝い事のためにお赤飯も炊きます。
ただ、ファミレスのようにならないために「生のお魚」にはこだわり続けています。

ー お赤飯ということは、日本のお客様のご来店も多いのでしょうか?
駐在のお客様が1割に対し、現地のお客様が9割程で、圧倒的に現地のお客様が多いですね。
ビジネス街なので、ランチ時は多くの方にご利用していただいております。

ー お隣にドン・キホーテができてからの変化はございましたか?
日本食の食材の種類も豊富ですし、ドン・キホーテさん、ありがたいですね(笑)
ドン・キホーテさんの影響で、お客様数は約1.5倍、売上も上がりました。

 

 

3  海外出店で大切なこと とは

 

ー 初出店の際の注意点はありますか?
完璧な事前準備を行うことですかね。
オープンの半年前程からスタッフを現地に派遣して、細かく市場調査をしておくことが後々生きてくると思います。
他には、シンガポールは固定費が高いため会計事務所等の財務関係業務も、1つに依存をしない方が賢明かもしれませんね。

ー 輸送の際の注意点もあるとお聞きしましたが・・・
輸送の際、内容証明書を荷物に同封しなければならないのですが、注意が必要です。
内容証明書と1品でも相違する商品があると指摘され、小規模企業であれば即刻取引中止になります。
再度取引できるまでに1か月程度かかるため、食材を届けることが出来ず、店舗の運営ができなくなってしまいます。

ー そうなんですね・・害虫駆除の問題にも頭を抱えていらっしゃるのだとか
そうなんですよ。
シンガポールでは害虫駆除を行う際、“ペストコントロール”という技術を使用するのですが、テナントごとに業者・日程が異なるため害虫が移動するだけで、翌日には他テナントから害虫が発生してしまうのです。
シンガポールでは、営業中に害虫が発生しそれが発覚すると、即営業停止になってしまうため、今でも頭を抱えている問題のひとつです。

ー 社長が考える、出店において”最も大切なこと”は何ですか?
「人を大事にする気持ち」です。
人が前提で、お金は後でついてきます。
人にはそれぞれ個々の色が存在するので、それぞれにあった方法で評価してあげることが重要です。
また、状況に慣れるまでには最低3年かかるため、1年目から利益を出す気で出店をしないことも大切です。
1年目は海外に出店しているという事実が評価されるため「最初は赤字でも諦めない」というスタンスで出店し、現在に至ります。
豪快刺身盛り合わせUP-2

 

 

4  若者を世界へ

 

ー 現在出店予定の国・出店したい国はありますか?
インドネシアは面白いですね。
タイに比べて、日本企業が進出していないイメージがあります。
また、2019年は日本国内へ2店舗の出店を予定しています。

若手の育成に力を入れている最中ですので、海外は彼らが育ってくれたタイミングで出店をしたいと考えております。
今までも「無借金経営」をしてきているため、今後も、出店資金の用意ができ、人が育ってきたら出店するというベースは変えずに動いていきます。

ー ズバリ!今後の野望はございますか?
グローバルな視点をもち、海外へ向けたサービスのみならず若者の夢を応援してあげたいです。
現在もグローバルに活躍できる若者を育成するため、当社の若い人材にシンガポールで経験を積ませています。
飲食・サービス業って何でもできると思うんです。
若い人材をどんどん採用して、人が集まってくる魅力的な人材に成長してもらい、世界に発信していきたいですね。

この記事を書いた人(著者情報)

rin

教えてASEAN編集部として日々経営者の方にインタビューさせていただいております!

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