行政窓口は硬直化し、かつてのような柔軟な対応は少なくなった。
例えば、外国人が問題だと軍政が口にすれば、一斉に取り締まりが始まり、飲酒が好ましくないとされれば、酒類販売の許可審査が厳しくなるといった具合である。
立ち入り検査も頻繁となり、その場で廃業を告げられるというケースすらある。
こうした現状について、治安や秩序の観点から「歓迎」を示す意見もあるが、忖度で始まった行政機関の厳格化に明るい未来があるはずはない。
「歓迎」をする声はいつしか自身に降りかかった時点で、後の祭りと気づくのである。
軍政の長期化は当初から想定されたことであった。
新憲法の施行と関連法の整備で土俵が整備されたに過ぎない。
次なるステップは、軍政継続の実働部隊となる親軍政党の出現である。
表向き政治活動は制限されているが、水面下では軍政支持の新党結成の動きが始まっている。
政党法手続きの遅れもこのための可能性が高い。
産業が集積し、東南アジアのハブに位置するタイ。
親日の空気や友好の歴史から、ビジネスに各種活動に、この南国を選ぶ人は絶えない。
チャンスや鉱脈は無限にあるだろう。
わくわくもする。
ただ、これだけは認識したほうがいい。
軍事政権、それは20世紀の遺産だったはずなのだ。
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