しかし、何より人気を博した理由はその味だ。
アンブロジアのオンノオターグーは従来品と3つの点で異なっている。
ひとつは甘さを控えめにしていること。
健康志向が芽生えつつあるヤンゴンの富裕層の嗜好に合致している。
次に、できたてを販売していること。
従来のオンノオターグーは前日から仕込むため、市場などで販売する頃にはすっかり冷めて固くなっている。
冷たくても十分おいしいが、暖かい焼きたての方がよりおいしいに決まっている。
最後にして最大の相違点は、ココナッツクリームとタピオカとの比率。
従来品はタピオカの塊の上に薄くココナッツミルククリームが乗っていたが、アンブロジアのものは比率が半々か、ともすればクリームの方が分厚い。
たっぷりと使ったココナッツクリームに、ミャンマー人は高級なイメージを抱いているようだ。
ここ1、2年のミャンマー飲食業界では、伝統的なミャンマー料理を見直す気運が高まっている。
伝統料理をお洒落な空間と盛り付けで提供したり、これまであまり日が当たっていなかった地方の郷土料理をフューチャ―したり。
スイーツ分野では、これもミャンマーを代表する伝統菓子のひとつである、米で作る羊羹に似た「サヌウィマキン」をショートケーキのように美しくデコレーションして出すカフェ「サルウィーン」もヒットしている。
今回のオンノオターグーの大ヒットも、こうした流れの一端にあると言えそうだ。
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