中国が2020年7月に発表した上半期の貿易統計によると、ASEANとの貿易総額が国・地域別で初の首位となりました。
ちなみに日本は貿易総額で4位でしたが、中国の人件費高騰など、日系企業にとって魅力的な市場ではなくなってきています。
一方、経済成長著しいASEAN諸国と中国の関係は、データからも深まっていることが伺えます。
新型コロナウイルスがASEANでも猛威を振るう中、中国の王毅外相は21年1月、ブルネイとミャンマー、インドネシア、フィリピンの4ヶ国を歴訪し、中国国営製薬会社シノファームのワクチン提供を約束するなどしました。
これは中国のワクチン外交と呼ばれていますが、中国は人道的な側面でもASEANへ積極的な関与を示し、中長期的に関係を強化したいと考えているようです。
王毅外相は昨年10月中旬にも、カンボジア、マレーシア、ラオス、タイ、シンガポールの5ヶ国を歴訪しています。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、先進国やASEAN各国の20年の経済成長率はマイナスが予測される中、中国は感染拡大前の水準を上回る2.3%のプラス成長となりました。
今日、アメリカやヨーロッパ、日本では感染拡大が続いていますが、米中対立の影響もあり、21年は中国とASEAN各国の二国間での経済関係がいっそう深まることが予想されます。
特に、ラオスやミャンマー、カンボジアは中国の一帯一路戦略により多額の経済援助を受けており、その傾向は今年も続きそうです。
同3ヶ国ほどではなかったフィリピンやインドネシア、タイも今後中国との経済関係がいっそう深まることが予想されます。
中国がこのようにASEANを重視する姿勢には、やはりASEAN各国の経済成長が今後大きく期待できるという背景があります。
少子高齢化に伴う人口減少に悩む日本企業にとっても、ASEAN地域は今後も安定的な利益が見込まれる重要な地域と言えるでしょう。
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