しかし、これはベトナムのケースと似ていますが、インドネシアも中国の南シナ海での軍事拠点化や支配的な政策を良く思ってなく、国民だけでなく政府内でも中国への懸念が広がっていると言われています。
よって、インドネシアが中国から経済的に距離を置いていき、その分、日本へ接近を図る可能性があります(もちろん、中国はそうならないよう、さまざまな政策を取ってくるでしょう)。
3月30日の協議で日系企業のインドネシアへの投資拡大が議論された背景にも、こういった思惑が働いているはずです。
また、ASEANでは、ラオスやカンボジア、ミャンマーは中国寄りですが、インドネシアは民主主義国家で日本と同じく米国側に位置しています。
米国のバイデン政権が中国に依存するサプライチェーンの分散化を加速化させている中では、インドネシアもその方向へ動いてくる可能性が高いです。
その分インドネシアにとって日本の重要性は、ますます高まると思われます。
経済安全保障を専門とする筆者も、今回の協議は、今後の日本・インドネシアの経済関係を強化する上で非常に大きなトリガーになったと感じています。
米中対立が深まる中、日本もインドネシアを必要とし、インドネシアも日本を必要としている時代へ動いています。
3月30日に開催されたのは外交・防衛の領域の会談であり、安全保障などいわゆる政治問題を議論する場でしたが、実際議題に上がったのは日系企業の投資拡大や中国に依存するサプライチェーンを分散化という経済のトピックです。
正に政治と経済は両輪であることの証であり、海外展開する際は政治リスクもしっかりチェックした方が、成功の近道となりそうです。
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