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インドネシア進出企業向け・テロ対策の第一歩

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インドネシア進出を目指すなら、まず把握すべきは安全情報である。

インドネシアは、穏健的なイスラム教徒が国民の大多数を占める国。
だがじつのところ、そんな国でも「過激派の拡大」という現象は発生している。

イスラム過激派のテロリズムは世界中の市民を悩ませているが、インドネシアでもそれは例外ではない。

恐怖の自爆テロ

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2016年1月14日。
筆者はこの日を忘れることができない。

インドネシアの首都ジャカルタでも「中心部」と言われる区域で、銃撃と自爆によるテロが発生した。
この卑劣な攻撃により外国人を含む罪のない市民が犠牲になり、首都機能も一時麻痺した。

テロ発生現場は、数多くの外資系企業が入居するビル街の只中である。
マスシューティングの対象になったスターバックスコーヒーは、日本人の利用も多い店舗だ。

筆者は当時、この付近の下宿にいた。
友人の一報を受けて現場に駆けつけたのだ。
自動小銃を持った武装警官、装甲車で出動した陸軍、そして路上には3人の死体。
そのうちのふたりは自爆実行犯で、もうひとりは爆発に巻き込まれたごく普通の若者だった。

その日以来、ジャカルタは目に見えて変わった。
空港や鉄道駅などの主要施設には、常時陸軍の小隊が配備されるようになった。
大型ショッピングモールの入口では、手荷物検査とボディーチェックが強化された。

駐車場に車を入れようとすると、警備員が棒付きの鏡を持ってやって来る。
これで車の下部をチェックするのだ。
自動車爆弾は古典的な攻撃手段である。

手製爆弾で警官殺害

さらに今年5月24日、恐るべき事件が再び起こってしまった。

東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで、手製爆弾を使った自爆テロが発生。
3人の警察官が命を落とした。

この手製爆弾は、圧力鍋を使ったものである。
これに加えて爆薬と簡単な電気回路があれば、人を殺すのに充分な爆弾を製造することができるのだ。

これらの事件は、すでにインドネシアへ進出している日系企業を大いに戦慄させた。
たとえば外食関係者から見ても、主な現地出店先は大型ショッピングモールである。
2016年のテロの際、現場付近のショッピングモールは一斉に臨時閉鎖された。
1発の手製爆弾が与える外資系企業への影響は、極めて大きい。

テロ対策はもはや不可欠

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だからこそ、進出企業は「テロ発生後の初動」について真剣に考える必要がある。

現地に複数の飲食店舗を構えている場合は、独自の連絡網を構築することが重要だ。
テロ発生後の対応は1分1秒を争う。
「情報の共有」と「速やかな決断」が、従業員と来店客の生死を分けると言ってもいいだろう。

去年のテロ事件の際、ジャカルタ最大級のショッピングモール『プラザ・インドネシア』と『グランド・インドネシア』は即座に店舗を閉鎖した。
だが一方で、モール内の客をすぐに外へ出すということはしなかった。
事件の詳細がまだ分からない状況で、客を建物の外に追いやるというのは非常に危険である。
ここは警察の支援を待ってから客の避難を誘導するという選択肢が正しい。

また、日頃から現地の治安情報をチェックしておくという作業も欠かせない。
外務省のメール情報サービス『たびレジ』は、現地メディアがまだ報じていない情報までも配信してくれる。
このサービスへの登録は必須と言えるだろう。

現地での安全を確保してこそ、新たなビジネスチャンスを切り開くことができるのだ。

この記事を書いた人(著者情報)

澤田真一

フリーライター、グラップラー。175センチ88キロ。ASEAN経済、テクノロジー関連情報などを各メディアで執筆。

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