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【カンボジア】プノンペンの本屋さん巡りで見えてきた、カンボジアの「読書」事情

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本屋さん巡りから見えてきたカンボジアの「読書」文化

結局日本語の本は見つかったものの、数冊のみ、選択の余地なし、という不本意な結果となりました。
残念!
しかし、今回カンボジアの本屋さんを数軒巡り、気づいた事が幾つかありました。

まず、カンボジアの公用語はカンボジア語(クメール語)なのに、本屋にある半分以上の本が英語の本であるということ。
そして、その数少ないカンボジア語の本のほとんどが、日本語や韓国語など外国語のテキストで、小説や各種専門書やビジネス書などは皆無だったこと。
かなり偏ったジャンル構成で、果たしてカンボジア人は何を読んでいるのかと疑問に感じるほど。
しかし、答えは単純明快。
何も読んでいない、もしくは読書という文化や習慣がない、と言ったほうが正しいかもしれません。

ポル・ポト政権時代の大量虐殺により、教師を含む知識人の多くが殺害されてしまい、学校教育が廃止され教育システムが消滅してしまった悲しい歴史のあるカンボジア。
近年でも成人識字率は78%、中学就学率35%、高校就学率20%という報告がされています。

そんな時代の影響により、視野を広げ知識を深める「読書」の文化が根付かなかったこの国では、良い教育を受け良い仕事に就くために、英語もしくは、その他の外国語を学ぶための参考書が一番の需要であり、視野を広げるための様々なジャンルの本や専門書などは見当たりませんでした。
需要が全くない訳ではないはずですが、コピーされた海賊版がすぐに出回るため、オリジナル版書籍の価値が低いという問題もあり、現状は難しいようです。

また、モバイルインターネットの普及により、今や必要な情報はFacebookで探すようになったカンボジア人たち。
しかし、真偽の分からない情報に振り回されることも多く、信頼できる情報を探せる手段が少ない、という課題もあります。

今後、日本の書籍を扱う本屋さんができるのを期待するとともに、近い将来、カンボジア人が大好きなコーヒーを片手に、読書を楽しむ日が来ることを期待したいものです。

この記事を書いた人(著者情報)

2011年よりカンボジアに在住。
現地のあれこれを発信していきます。

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