ベトナムでは新型コロナウィルス発生後、外食や旅行の機会が減った分、オンラインショッピングの需要が増え、日本の化粧品、健康食品、医薬品のニーズも高まってきています。
ただし、パッケージをそっくりにした模造品や、非正規でベトナムに輸入された商品も大量に出回っているのが現状です。
「里薬品貿易株式会社」では、卸問屋ではなく、化粧品や健康食品を製造するメーカーと提携してベトナムに輸入しているため、現地の販売店および消費者から信頼されています。
今回は「里薬品貿易株式会社」代表取締役の里吉 美仁さんにお話を伺いました。
記者:ベトナム進出までの簡単な経歴を教えてください。
里吉氏:日本ではIT関連の仕事をしていました。
2011年に独立起業を目指しベトナムへの移住を決意しましたが、ベトナムで会社を運営するノウハウや、ベトナム人との働き方について理解するため、まずは得意分野であったIT企業にて、ベトナム現地法人立ち上げなどに携わることに。
7年後の2018年に株式会社エスエイウェアハウス(現、里薬品貿易株式会社)として独立起業しました。
記者:なぜベトナムを選ばれたのですか?
里吉氏:当時東京に住んでいて、どうしても受け入れられない3つのものがあったからです。
「寒さ、満員電車、花粉。」
短絡的にその3つがない国で働いたら幸せになれるのではないかと考えて、海外移住を目論んでいました。
候補に上がったのがフィリピンのマニラ、タイのバンコク、ベトナムのホーチミンでした。
その中で、ホーチミンは圧倒的にIT系求人が多かったのです。
私はこれまでITをやってきたこともあり、必然的にホーチミンを選ぶことになりました。
記者:ベトナム進出前に準備したことはありますか?
里吉氏:日本を出るときに車、アパート、家具、全てを処分しました。
今では、日本にある私物は実家の衣装ケース1つ分だけです。
日本に戻ることはない、ベトナムに骨を埋める気持ちで来ました。
記者:ベトナム進出のきっかけはIT系ということですが、なぜ日本製品の輸入販売を始めたのでしょうか?
里吉氏:ベトナム移住前、連休を利用して東南アジアの国を視察していたのですが、ある時タイからベトナムへ向かう飛行機で隣の席に座っていた日本人の方と仲良くなりました。
その方は60代の男性「大枝さん」で、「これからベトナムで日本の100円均一の商品を輸入して販売する」とおっしゃっていました。
後日、大枝さんの事務所兼販売店を訪れると、ご夫婦とベトナム人スタッフで100円均一の商品を販売する準備をされていました。
その姿は古き良きファミリービジネスそのもので、「私もいつか日本の商品を輸入して現地でベトナム人と一緒に販売したい」と思うようになりました。
記者:日本の製品を輸入するにあたり、化粧品・医薬品を選ばれたのはなぜですか?
里吉氏:数ある日本製品でも「複数回買う可能性がある物」というのが重要でした。
例えば、日本製の高級出刃包丁の輸入販売を検討する機会がありましたが、包丁はメンテナンスすればかなり長期間使えるので、折角できたお客様との取引が1度きりで終わってしまいます。
その点、化粧品や医薬品は使い切ればまた新しい物が必要になりますから、お客様との関係を維持できます。
折角ベトナムで事業をするのなら、お客様との関係を長く保てる商材が良いと考え化粧品・医療品を選びました。
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